最悪 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 659
  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735346

感想・レビュー・書評

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  • 後半に向かって、3人の人生が交錯して行く流れは、
    それがユニークでいて読んでいて引きこまれっていった。

    同じシーンをそれぞれの3人の目線で描いていて
    心理描写、臨場感がより伝わってきた。

    人生は最悪な方向に向かっていくのだが、
    最後はホッコリとさせてくれる締め方だと思いました。

  • H29.06.06 読了。

    奥田英朗さんの作品は本当に面白い。
    小説なのに、映画を観た気分。
    それくらい、頭の中で映像化されて、キャラクターが動き出している感じ。

    全く関係の無さそうな三人の登場人物のエピソードを順々に読んでいくと、まさかのクロスオーバー。
    そこからは怒涛の展開で、ハラハラドキドキ。
    ゲームで例えると、「ドラクエ4」だね。

    結末的には、タイトルの「最悪」は、いまいちピンと来ないと思った。

    ただ、こういうエンタメ作品って最後はハッピーエンドになると思っていたら...。
    逆に斬新かな。
    個人的には、最後はまるっとハッピーで良かったのに。

  • 鉄工所社長の川谷さんの部分が一番「最悪」。キュゥゥとなった。

  • 全ての話が最悪の方向へどんどん転がり落ちていく様子が容赦なく書かれており、読み進めるのが痛かった。
    最後、全てが明るみに出て、それぞれの人物がこれまで持っていたものを失くしたけれど、でも少なくともこれ以上追い詰められていくことがなくなったのにほっとした。

  • 感想を一言で述べるとしたら、
    本当に「最悪」です。

    3人の主人公の最悪な日々。
    前半は救いようのないもどかしさに、
    なかなか頁が進まなかったな。

    けど、後半は帯タイトルに
    「三人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める」
    とあったように、一気にハマって読めました。

    一体どこが人生のターニングポイントかわからないけど、
    自分が日々「最悪」って思ってしまう出来事って
    本当に些細なことで、恵まれていると実感しました。

  • 主人公たちが不幸すぎて途中気分が悪くなるくらい。ただ、ラストは希望がある。

  • 川谷鉄工所の社長、川谷信次郎と銀行員の藤崎みどり、パチンコとカツアゲで生活するチンピラの野村和也。普通に生活を送っていれば 全く接点のない三人が、それぞれにこんなはずじゃなかったというような運命を辿っていき予期せぬ事件から思いがけなく遭遇する。
      
     最近の犯罪小説や映画は、まず始めに事件ありきなのに対し、この作品の前半は登場する三人の普段の生活が代わる代わる描かれているだけである。しかしそのことにより登場人物一人一人に焦点を当てることになり、結果として後半部分をますます引き立てている。
    確かに新聞に載らないような小さな事件というのは、些細な気持ちの変化や一瞬の感情の爆発によって起きるのかもしれない。
     最初に人物ありきで始まるからこそ、事件前後の心の変化がとてもリアルに描写されており、その心の変化を読み取ることができるのが非常に面白い。これこそが人の内面に視点を当てた奥田英朗作品の醍醐味なのであろう。 
     大好きな奥田英朗作品七作品目読了。

  • 三人の人間が徐々に最悪に向けて転がっていくだけのお話。

    じわじわと、悪いことが重なっていくのが
    地味にこたえる作品でした。

    川谷も、みどりも、野村も根はいい人なんだけど
    最悪な事って突然やってきて
    どんどん人間を引きずっていくんだなぁと

    ラストの三人が一緒になってからの展開は
    ほんと急転直下で一気に読んでしまいました。

    薄暗くて、爽快感などないけど
    なんだか悪くないラストだったと思います

    途中出てきた意地悪な人たちにザマァwwwっていう展開希望だったんですけど、そういう小説じゃないから仕方がない

  • 不況、近隣との騒音トラブル、取引先からの無理な依頼に頭を悩ます鉄工所社長の川谷。家庭の問題、職場でのセクハラ問題を抱える銀行員。やくざに因縁をつけられ、追われるはめになった和也。どこで間違ったのか、何が悪かったのか、事態はどんどん悪い方に転がっていく。 これだけの厚い本なのに一気に読ませてしまう筆力はさすが。銀行強盗のくだりあたりから3人のヤケクソ感が出てて笑えた。人間、究極の状態に追い込まれるとああなるのね。少し雑な感じもしたけれど(笑)それはそれで爽快。

  • 本当は読みたくなかったんだよなぁ。
    だって題名からしてそそられないし、展開は想像できるし、一歩間違えれば題名通りの気持ちになるし。
    そうやって何年も避けてきた本だけど、ふとしたキッカケで読みました。

    作者の筆力の勝利。最悪に面白かった…

    自分で何とかしようとして、でもできなくて、それでも何とかしないともがいて、更に望まない方向に流されていく三人。
    展開が読めているのに、頁をめくるのを止められない自分。
    おかげで寝不足。最悪じゃ。
    作者の勝利。すばらしい。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『家日和』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』『ヴァラエティ』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。

「2017年 『新装版 ウランバーナの森』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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