灰色の砦 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735407

感想・レビュー・書評

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  • 19歳の京介と深春の下宿先のお話。

    京介が若干、可愛らしい気がする。。。それとも、深春と今はもう気の置けない、身内のような友人になれたという事だろうか。。。

    犯人は途中で分かるけれど
    あくまでも推理しながらのミステリーの為、そこまで感情移入せず、坦々と読み進める感じ。

    そう考えると一話や短編で登場人物を好きになるって、作家さんの力量が物凄いのだろうな。。

    ライトというとライト兄弟しか浮かばなかったので、かつての帝国ホテルを設計、またショッキングな事件があったりと
    自分に知識が無い事を再確認。。

    せっかく史実に基づいて建築を絡めてくれている作品なので
    巻末に実際の写真とかあれば嬉しいだが。。

    次回、蒼についてだそうなので読み進める。

  • 蒼が出てないからどうかなぁと思ったけど、なかなか面白かった!犯人は予想通りだけど動機がうーん。荷担した人もうーん。死んだ人がみんな可哀想だった。

  • 桜井京介を探偵役とする建築探偵シリーズの第4作となります。
    本作は京介が19歳の頃にシリーズの主要キャラクターである栗山深春と初めて出会った輝額荘という下宿で起きた連続怪死事件が扱われています。
    このシリーズは謎解きという意味では毎度それほど期待に応えているわけではないかもしれませんし、何よりちょっとBLぽい雰囲気が、私のような読者にはやや抵抗があるのも事実なのですが、シリーズを読み進めるにしたがって、 キャラが立っているし、ミステリとしても小粒ですが、まとまりがとれてきたような気がします。

  • シリーズ四作目。京介、深春出遭い篇。
    読み始めたばかりのシリーズですが、結構時間がとぶようで、それも楽しい。今回は何だかかわいげのある十代の京介でした。

  • ■京介が見せた涙の理由

    19歳の冬、我らが桜井京介と栗山深春は「輝額荘」という古い木造下宿で運命的(?)な出会いをとげた。家庭的で青春の楽園のように思われた「輝額荘」。しかし住人の1人・カツが裏庭で変死したことから、若者たちの「砦」に暗い翳(かげ)が忍び寄る。続いて起こる殺人事件。その背後には天才建築家・ライトの謎が?

  • 図書館にて借りる。
    京介にも可愛い時があったのね…とちょっとしみじみしてしまった(笑)飯塚さんの気持を想うと切なくなってくる。

  • 建築家探偵・桜井京介シリーズの4作目。今回はちょっと趣き変わって、名前はかわいいのに見かけは熊男な我らが深春の語りであります。蒼くんは冒頭と最後のみ…ちょっと寂しいかも;

    7年前、深春19歳大学1年生。
    貧乏学生の彼が住んでいた古アパートの小火で移り住むことになった「輝額荘」。そこには大家であり、どこか人をひきつける麻生ハジメを初めとして、7人の学生が住んでいた。どこか変人じみたその住人の中のひとり、それが桜井京介だった。
    トイレ台所が共用で古びた屋根の下での共同生活に慣れ、建築評論家の飯村と秘書の荻原を交えての忘年会を経て迎えた正月明け、事件は起きた。住人のひとり・カツが裏庭で変死していたのだ。
    それを境に、彼らの”砦”には暗く重い影が忍び、新たな殺人事件が起こる…。

    深春と京介の初対面…思ったとおり悪かった(笑) まぁ京介は京介ですからね、しかも若い頃の方が人付き合いスキルは更に低そうなので当然といえば当然です。それでもなんとなく、相方のような、友人のような関係になるんだから不思議…。ヒネ具合は7年経っても変わらないね京介…。
    前述の通り、深春の視点で進んでいくストーリーがちょっと新鮮。蒼くん視点もよいけれど、彼の真っ直ぐな感じ方も読みやすく好感が持てますね。なにより読者目線に近いv 読みながら、大学生の、まだ社会人ではなく子供でもなく、親の束縛から束の間だけ開放され、でもどこか繋ぎとめられている…そんなどっちつかずでゆらゆらと揺れている感覚を味わっていました。モラトリアム…ううん、それともどこか違うような…。
    それにしても神代教授、7年前もやはり素敵なべらんめぇv かっこいい!

  • 建築探偵桜井京介シリーズの4作目です。
    このシリーズでは登場人物たちがちゃんと年を重ねるのですが、
    今回は過去にさかのぼって京介と深春が出会ったときの事件です。
    舞台は「輝額荘」、1988年当時でも既に古い学生アパートです。

    今回の建築に関するうんちくは、
    事件の舞台ではなくかの有名な建築家フランク・ロイド・ライトでした。
    登場人物たちの事情と重ね合わせるように、
    その生涯や作品について書かれています。
    事件の舞台となった輝額荘もあるものにちなんで命名されてます。

    輝額荘での生活は、風呂なし、トイレ・洗面・台所共用。
    その他に茶の間や図書室、宴会用の広間もあって、
    外出するときだけ自室の引き戸に南京錠をかける。
    皆に慕われていて自身も学生の大家の下、
    渡り廊下でつながった良い感じのその共同生活は、
    いろいろな問題を抱えた学生達にとって拠り所だったのに、
    それが1つの事件を発端に徐々に崩壊していく様は、
    読んでいて切なかったです。
    1995年の大晦日、深春のアパートでまだ来ない京介を待つ間、
    深春が蒼に話して聞かせる、という体裁で始まって終わるので、
    最後に京介と深春と蒼のスリーショットになると、
    何だかほっとした気分になりました。

  • シリーズ4作目☆
    今回は蒼がほとんど出ないのね。深春視点で進む('◇')ゞ
    天才建築家ライトの話もすごく面白かったなぁ。相変わらず主要人物が魅力的ですな。少しずつキャラ達の謎が解かれていくのも面白い。そんでもってラスト切ない。上質な一冊です( ・∀・)つ

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1991年、ミステリ作家としてのデビュー作『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となる。著書に、『建築探偵桜井京介の事件簿』『龍の黙示録』『黎明の書』『レディ・ヴィクトリア』『イヴルズ・ゲート』シリーズなどがある。

「2022年 『レディ・ヴィクトリア完全版1〜セイレーンは翼を連ねて飛ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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