盤上の敵 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1651
感想 : 201
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735636

感想・レビュー・書評

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  • 昔読んだときは、「純粋な悪」という存在にぞっとしたけど、今は普通にそういうのありえると思うようになった。
    「悪」がもうライフワークになってしまっている人、きっといるよね。
    サイコパスはその一種に過ぎないと思う。
    人をとことんまで傷つけるのは楽しいけど(ときに正義の名を借りて)、自分は指に切り傷一つ負うのはいや、そういう人はある程度いるだろう。

  • 最後まで読むには、覚悟がいります。他の北村作品とは一線を画す、痛く重い話です。
    人のエゴ――それが憎悪であれ、欲望であれ――愛であれ。行き着くところは同じなのかもしれません。
    悪意は、どこまで増殖し、愛は、どこまで利己的になれるのか。
    究極的には、動機の点を差っ引いてしまえば、どちらも同じ土俵上なのかもしれないとも思います。
    夫婦の心の対比が描かれたラスト、特に妻の夢のシーンは読んでいてやるせなくなります。
    もちろん本格ミステリとしても精緻な構成をされているのですが、そちらがかすみがちなのは、題材によるのでしょう。パズルゲームとしては重すぎるので、安易に人に勧められないのが残念です。

  • 続きが気になって一気に読める。凄い構成でした。内容は本当に読んでいて辛かったし痛みを感じました。

  • チェスにハマってしまったので、”駒”が表紙に描かれているという理由だけで購入。全然チェスカンケーない。でもでも、大満足!面白い!これだからミステリー好きはやめられない。中盤から後半にかけての、ドンデンドンデン返しにもう夢中。久々に仕事をほっぽり出して読んだ。仕事中じゃなくてね。

  • 本編前に「本書は慰めや、安らかな心を得たい人には不向きです」と書かれている独特な作品。

    自宅に猟銃を持った男が立てこもり、妻を人質としてとられた主人公。
    テレビのディレクターである主人公が警察の目をすり抜け、妻を救い出すまでをチェスに見立て描いた本作。

    物語はというと、ひとつのテーマが「完全悪」になっており、読み方によっては冒頭に書かれているように、胸のボトム辺りに重しを吊るされたような気持に陥ります。
    しかし、全体的に救いがないかというとそんな事はなく、きちんと曇り空、雨空にも温かい日が差すような構成になっています。

    そんな、全体的に雨のち曇り的なストーリーではあるものの、北村さんの代表作でもある"スキップ"などにも見れる表現の巧みさ、温かさは健在。しかも、本作は本格ミステリーとしても、成り立っており、周囲の暗さに戸惑っていると隠されたトリックにしてやられるオマケ付き。

  • おもい。。。

    理不尽だらけ。
    でも理不尽な世の中人間社会だからしょうがない。


    なんだか不幸話の落語を読んでいる気分でした。
    あんまりヒトにおすすめできるものじゃなかったけど
    わたしはスキです。

  • ちょっとどんでん返し気分…だった…かな。。底が浅くて見え見えで。。て感じですか。。

  • まさかそんな展開になるなんて。

    前置きがされているけど、
    そんな衝撃を与えるとは思えなかった。
    現実と想像の世界の区別がつかないのなら本読まない方がいいんじゃないかな。

  • すごくフェアに騙された!気がする。

  • これは酷い。
    いや、作品の出来ではなくてストーリが。
    残酷すぎるなぁ。
    「悪」が強烈過ぎるよ。
    作品的には面白いけどね。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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