開陽丸、北へ 徳川海軍の興亡 (講談社文庫)

  • 講談社 (2002年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784062736138

みんなの感想まとめ

幕末の動乱を背景に、徳川海軍旗艦開陽丸の物語が描かれています。著者は、榎本武揚や沢太郎左衛門を通じて、幕府の存続をかけた葛藤や、下級武士の純粋な忠義を浮き彫りにしています。薩長が朝廷を掌握し、理想と現...

感想・レビュー・書評

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  •  幕末を舞台とした、徳川海軍旗艦開陽丸の物語である。長崎海軍伝習所以来の伝統を持つ当時最新鋭の軍艦を取り巻いて榎本武揚、沢太郎左衛門らの幕府旗本の心の有り様、生き様を読ませてくれる。幕府は自信の生き残りをかけて老獪な政治手段を用いる反面、直参旗本や御家人などの下級武士は純粋な主家に殉じる心を持っていたことがよくわかった。
     薩長が握った朝廷(西賊)に対して肝心の政治理想(薩長は自身が政権を握りたかった)や軍略の統一性のなさに目をむく。理想ではとてもいいことを言っているが実践では汚いことを厭わないものが勝つ。勝てば官軍である。
     一方の開陽丸はであるからしてほとんど戦うことなく北海道の江差の海に沈む。本当に戊辰戦争に対して戦う気があれば無駄に沈むことはなかったような気がする。きれい事ではすまされない幕末維新の様子がわかる。しかし本当に何もしていない。船を沈めに北海道に行ったのか?一方で何ヶ月もかけて決断できない幕府首脳(榎本らも含む)が今にだぶる。

  • 榎本徳川海軍が最初から幕府側を海から援護していれば新政府軍の奥州越列藩同盟(米沢・仙台・庄内・会津藩、約5万人)での住民を含む特に無惨な会津藩の終焉降伏はなかったかも知れない。また、艦船を司るより当時は気候変化に疎かったのか、それも悔しい限りだ。現代、若くて才能がある人材でも第一線で活躍できる者は日本では少ない。それは未だに日本の組織・政治体制など「出る杭は打たれる」方式しか知らないからだ。

  • 新規購入ではなく、積読状態のもの。
    2009/3/30〜4/7
    江戸から明治への転換期。最新鋭の開陽丸と幕府艦隊を率いた榎本武揚と沢太郎左衛門。薩長の理不尽な要求に不満を抱きつつも、蝦夷地の開拓を目指して船を進めるが、最後は江差沖で座礁し、沈没する。この前読んだ井沢氏の城の本でも江差城のところで少しこのエピソードについて触れていたが、これまであまり明治維新がらみの本は読まなかった(竜馬がゆく、くらいか)ので新鮮な話であった。もう少し江戸から明治にかけての歴史に関する本を読んでみることにしよう。

  • 沢さんが最高に素敵。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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