新装版 戦中派不戦日記 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (704ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736329

作品紹介・あらすじ

私の見た「昭和二十年」の記録である。満二十三歳の医学生で、戦争にさえ参加しなかった。「戦中派不戦日記」と題したのはそのためだ(「まえがき」より)-激動の一年の体験と心情を克明に記録した真実の日記。

感想・レビュー・書評

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  • こんなに透徹した、現実的な眼でみた昭和20年を読めるのは、本当に有難いこと。そのような資料的価値とともに、作者が心に抱える悲しみ孤独にも魅かれてしまう。「この不幸がやがておれの武器となる、とー。」橋本治の解説がまた過不足なくて凄い。文中に註や解説が全然無いので、この解説を先に読んでも良かったな〜

  • 筆力のある一学生が昭和20年を記録した日記として、貴重。後から付けた理屈がないので、当時の普通の日本人に終戦の年がどのように映っていたのかが良くわかる。孤独な山田青年の運命も気になって、どんどん読み進めてしまった。

    東京大空襲の翌日、山手線が動いていたのにびっくりした。毎日B29が飛んでくるのに、大学は授業をするし町工場はネジを作る。銭湯だって、焼けてなければ営業。人間のタフさが今とは比べ物にならない。

    敗戦後の10月、医学校の疎開先で劇をやったらお客さんでぎゅうづめになったくだりは、脳内もらい泣き。

  • これ読んで山田風太郎が大好きになった。天才。

  • 名著である。

  • 1月の初めの日記や8月14日の日記を見ると、愛国心のかたまりのような印象を受けかねないが、むしろ他の山田作品から推してどちらかというと人生・人間世界に対してはニヒルな?、シニカルな厭世的作家と思っていたので、意外であった。むしろこの一時期の愛国的心境は当時の青年がすべからくかかっていた熱病のごときもので、いかに山田風太郎と言えど例外ではなかったものと思われる。解説にもある通り、ややはすに構え客観的で冷徹な視点と熱情的なものとが混在している。
    山田風太郎の他作品との比較は非常に興味深いものとなると思われる。

  • これほどまでに、戦時中の生活をリアルに知ることが今まで無かったため、あらゆる点で衝撃が大きかった。思想、物資、貧困…
    都心ではB29の襲撃が毎日のように起き、それに対して慣れてしまっていたり、芝居を観に行くなど娯楽もあったこと、冗談を飛ばし合うユーモアの溢れる日常。。。
    もちろん山田氏が戦争に加わっていないことや医学生という身分故に、戦線に立っていた兵士とは雲泥の差があるだろうとは思うけれど。。
    終戦直前の精神状態など決死の覚悟に脱帽したし、恐怖を感じた。

    しかし大層なボリュームだったため読了までにかなり時間がかかった。
    解説を読んで、初めて腑に落ちた部分もありもう一度読んでみたいが、あのボリュームを前になかなか読む気力が起きない(笑)。

  • ほぼ毎日 日常のなかに B29が当然のように出てくる。この異常な状況でも、読書や大学の授業を続けることで、精神のバランスをとっていたように見える

    著者は 敗戦直後の日記で、日本はふたたび武力を確保する必要がある と書いている。その後 心境の変化はあったのだろうか、知りたい。大衆心理の危うさを知った

  • 【目次】
    まえがき [003-007]
    戦中派不戦日記 009
    昭和二十年一月 011
    二月 057
    三月 093
    四月 143
    五月 191
    六月 265
    七月 319
    八月 361
    九月 457
    十月 537
    十一月 601
    十二月 637
    あとがき(昭和四十八年二月) [681-683]
    解説(橋本治 底本より再録) [684-697]

  • 『敗戦して自由の時代が来た、と狂喜しているいわゆる文化人たちは彼らが何と理屈をこねようと、本人は「死なずにすんだ」という極めて単純な歓喜に過ぎない。』という文が印象的でした。

  • 一庶民の視点から見た、敗戦前後の日本の描写と、個人の感慨であり、貴重な史料である。山田が有名にならなければ世にでることはなかっただろう。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2018年 『忍法双頭の鷲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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