長野・上越新幹線四時間三十分の壁 (講談社文庫 そ 4-2)

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736640

感想・レビュー・書評

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  • さらさらと読めて楽しめました。
    犯人はわかっているけど、決め手の証拠を
    探していく展開でした。

  •  バカミス史上に残る怪作,「六枚のとんかつ」の著者による中編・短編集。
     アリバイトリックを使った作品「長野・上越新幹線四時間三十分の壁」と,倒叙物の短編集「指紋」,短編「2時30分の目撃者」,ショートショート「乗り遅れた男」の4つからなる。
     まず,表題作の「長野・上越新幹線四時間三十分の壁」。これは,古典的な時刻表を使ったアリバイ崩し。物語のポイントは,テレビにも出演している気象予報士の「遠藤安奈」と「遠藤玲奈」という双子が容疑者として登場している点。「遠藤玲奈」は,新潟で起こった殺人事件の容疑者であり,「遠藤安奈」は長野県で起こった殺人事件の容疑者。当然,玲奈には,新潟で起こった事件のアリバイがあり,安奈には長野県で起こった事件のアリバイがある。ようは,双子の入れ替わりを使ったトリック。トリックは平凡な上に,登場するキャラクターがコントの登場キャラのように軽い。文体も稚拙。全体的に見て,イマイチな作品。
     短編の「指紋」は倒叙もの。完全犯罪が,わずかな見落としから崩れていく古典的な展開の作品。カギは指紋。ノベルズ版は,容疑者の指紋が犯行現場に残っていたのではなく,靴を置きなおした被害者の指紋が,容疑者の靴に残っていた…というオチの作品でそこそこ評判がよかった様子。文庫版は,このオチを捨て(指紋が残っていないという展開にした),最後に玄関で踏んだ犬の糞から被害者宅に行ったことが分かるというオチにしている。ノベルズ版より劣化しているのは間違いないが,短編としては,まぁ読めるデキ
     書き下ろしの短編「2時30分の目撃者」は,音が漏れるはずのない部屋での会話を,読唇術で聞き取った見せかけて自供させた作品。これはイマイチ。
     ショートショートの「乗り遅れた男」は,映画を見たことにしてアリバイを得ようとした容疑者に対し,映画のあらすじは言えたが,ヒッチコックがどこに登場していたかが分からなかったので,映画を見ていないと判断するというもの。ショートショートとしてはぎりぎり及第点か。
     トータルで見ると,陳腐なトリック,浅いキャラクター,幼稚な文体と,イマイチな作品と言わざるを得ない。★2で。

  • 時刻表ものとか、刑事コロンボのようなサスペンス型のお話し
    はっきり言って期待はずれ
    六枚のとんかつのノリを期待していただけにね

    人物が描けていない
    刑事とか関係者とか・・・
    特に犯人
    刑事の質問にそんな回答するか?と所々思う

    問題文がとても長いミステリクイズを読んでいる感覚になった
    僕はミステリをトリックを考える読み方をせずに、単なるストーリーとして読んでいるので、そこのところのクオリティが低いのは面白くは読めない

    残念です

  • 事前に「六枚のとんかつ」を読んだせいか、素直な本格推理に感じました。
    長野の事件に関してはその推理も含めて、綿密な構造を感じました。可能性を一つずつ潰していく流れは、回りくどくもありますが、推理の正統性が見えるように思います。一方新潟の事件の推理は、若干取って付けた感がありますが(苦笑)

  • 半下石さんだったのね。

  • 笑えなかった

  • 2003年4月読了

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著者プロフィール

1961年、東京都に生まれる。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。1997年、『六枚のとんかつ』にて第三回メフィスト賞を受賞、デビュー。児童向けの「青い鳥文庫」や「YA!ENTERTAINMENT」でも活躍。

「2013年 『古い腕時計 きのう逢えたら…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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