嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.24
  • (299)
  • (1123)
  • (2796)
  • (484)
  • (57)
本棚登録 : 16422
感想 : 1099
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736695

作品紹介・あらすじ

バレエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落、死亡した。事件は自殺で処理の方向に向かっている。だが、同じマンションに住む元プリマ・バレリーナのもとに一人の刑事がやってきた。彼女には殺人動機はなく、疑わしい点はなにもないはずだ。ところが…。人間の悲哀を描く新しい形のミステリー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 加賀恭一郎シリーズ第6弾。
    短編集とあって、一冊で様々なストーリーが見れて良かった反面、登場人物のバックボーンや犯行動機などが浅い印象が否めない。
    ただし、事件ごとの加賀の伏線回収はやはりお見事!

  • 加賀恭一郎シリーズの短編集。
    5つの物語に綴られているのは「人間の悲哀」
    謎に驚かされつつもどこかやり切れない。
    それぞれ哀しい思いを感じる作品でした。
    自分的には「冷たい灼熱」「狂った計算」が印象に残ったかな。
    最後の「友の助言」は、読んだ後背筋が凍る思いなりました。

  •  加賀さんの練馬警察署勤務を確認。夏でもスーツを着て、かっこよく仕事に励まれていました。
     でも怖いですね、自分ではここまでなら許されるだろうとか、むしろいいことしてるつもりでも、恨みを買って制裁を受けることもあるんですよね。最後の『友の助言』は、東野先生からの「助言」として受け取りました。
     でも嘘はだめだよね~。ひっかけというか、誘導というか、そういうのは加賀さんにはしてほしくないです。
     まあ、ほとんどは、最初のちょっとした違和感から論理を組み立て、現場捜査で裏付けを得て、仮説をもって、詰将棋のように、かっこよく容疑者を追い詰めてましたけど。それでいて、優しさがあふれているところが、何と言っても、素晴らしいです。

     ところで、東野先生はバレイ団お好きなんですね。でも、警察犬への無茶ぶりはやめていただきたいです。麻薬検知犬だってトレーニング必要なのに、何百種類もある「農薬」を検知させるだなんて。犬のからだにも悪そう。加賀さんにそんなとんでも発言をさせるのだけはやめていただきたいです。

  • 忘れて再購入してしまった。それも短編集と思わず購入した。
    加賀刑事と言えば、東野氏の作品では良く出てくる名前だった。
    犯人または犯人を匿っている人に加賀刑事が次々と質問を重ね、犯行を紐解く作品。途中で分かったものもあるが、大半は話の後半にならないとわからないものばかり。追い詰める質問が鋭いので、あっという間に引き込まれて読み終えてしまう。

  • 今回はそう来たかと少し笑えた。
    短編集になっているから良かった。
    ※狂った計算
    ※友の助言
    が好き。
    加賀恭一郎シリーズ作品で今のところ1番好きな感じでした。
    最短で読み終わりました。

  • 加賀刑事シリーズ第6作
    膝の故障が原因で、引退した元バレーダンサーの転落死を捜査する「嘘をもうひとつだけ」 子供を車の中に置き去りにして、パチンコに嵌まってしまう事件の「冷たい灼熱」 娘と、2人暮らしの家で、母親の恋人が殺されていた事件の「第二の希望」 不倫相手と共謀して、夫を殺そうとする「狂った計算」 加賀恭一郎と会う約束の日に、交通事故を起こした、大学時代の友人の事故の謎を解く「友の助言」 の5篇からなる短編集。
    相変わらず、周到な罠を仕掛け、ジリジリと、犯人を追い詰めて行く所は、見事。短編ならではの、サクサク感がいい。
    本書は、2000年4月、単行本として刊行されました。とある通り、《寿退社》や《行かず後家》等、今や、死語となっている言葉が出てくるのが、可笑しい。

  • 加賀恭一郎シリーズの短編集。「嘘をもうひとつだけ」「冷たい灼熱」「第二の希望」「狂った計算」「友の助言」の5篇収録。

    「友の助言」以外の作品は、犯人目線で描かれている(「友の助言」は被害者目線だが、加賀によって真相が強引に暴かれていく点は他の作品と同じ)。冷静沈着な加賀に犯人がジワジワ追い詰める姿がちょっと怖い。

  • 加賀刑事モノはあまり得意ではないけれど、結構サクサク読めてしまいました(*^-^*)

  • 敏腕刑事、加賀恭一郎シリーズ。
    端から見れば、そんな下らないことで殺人なんて、と思うけど、当人にとっては死活問題なんだろうなぁ。
    相変わらず冴え渡る加賀刑事の推理と裏付け捜査。

  • 【加賀恭一郎シリーズ6】5話短篇集。

    どの話も途中から犯人が誰か察しがつく。
    が、加賀がどのように追い詰めていくか、その心理戦と真相が面白かった。

    長編のように、何層にも張り巡らされた伏線を回収していく重厚さはないのだけれど、東野圭吾氏なら、全ての話を長編にしようと思えば描けたであろう。もちろん! 
    それをサラッと「短編にも出来ますよ」という筆力を見せられた作品集。

全1099件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×