月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3172
レビュー : 246
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736985

作品紹介・あらすじ

薔薇屋敷あるいは月夜邸と呼ばれるその屋敷には、オオカミ男が出るという奇妙な噂があった。瀬在丸紅子たちが出席したパーティの最中、衣服も引き裂かれた凄惨な死体が、オーディオ・ルームで発見された。現場は内側から施錠された密室で、床一面に血が飛散していた。紅子が看破した事件の意外な真相とは。

感想・レビュー・書評

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  • 約10年前に読んで以来の再読。

    Vシリーズ3作目。
    再読と言っても、結構忘れていることが多い中、
    この本は重要な要素はだいたい記憶に残っていた。
    そういう意味では1度読めば忘れない内容、
    と言えるのでしょう。

    森博嗣作品は、読後に考察するのも楽しい。
    特にタイトルのニュアンスとか。
    私にはピンとこない場合もあるが、
    検索すれば既に色々と考察している人がいるので、
    あぁ、なるほどなぁ。と感じて楽しんでいる。
    「プレジョン商会」なんて自分で気づける気がしない(笑)

    ただ、本書のタイトルは、しっくりこないまま。
    「月見れば ちぢにものこそ かなしけれ・・・」
    と同じ感覚でしょうか?・・・違うか(笑)

  • 3+ 

    『黒猫の三角』を読んであること(ほにゃららってふにゃららなんじゃないの疑惑)が気になり、『人形式モナリザ』を読んでその疑惑を深め(ほにゃららのへにゃらら?の存在)、気になりすぎてダッシュで本作に飛びついた(同じ作者を続けて読まないという原則を守り間に1冊挟んで読む律儀さが泣ける)。 本作を読んで、前2作から繰り返されているとあるフレーズにようやく気が付いて、ああこれは、と確信。それ以外にもヒントを小出しし続けている作者の企みが怖い(こっそり詰め将棋を指してるような)。もう焦って続きを読むこともないな、じっくり行こう。というか他にも意味深なことがありすぎてこればっかり気にしていてもしょうがない。

    シリーズ長編3作目だが、個性的なキャラクターたちがさらに活発に動き始めた感がある(暴走?)。 特に紫子の言動は秀逸で大いに笑わせてもらった。また新たに阿漕荘に引っ越してきた住人と紫子とのギャップ、コントラストが見事で、物語の構成上、作者はまた大きな武器を手に入れたと言える。

    ここまでシリーズ3作を通して共通しているテーマは“認識”か。もしかしてこれがシリーズの大きな軸なのだろうか。興味は尽きない。ただ、本作の物語、というか事件およびその真相は、矛盾なく論理的な説明自体はついているものの、仕掛け自体がいまいち説得力に欠ける強引なもので、また空虚ですらあり物足りない(登場人物の作中作だから、というのは理由にはならないだろう)。 面白さの大半は多分に登場人物たちの個性・魅力のお陰とも言える。それもひとつの作品の持つ力だが、願わくばそれぞれが高いレベルで融合したものに出会いたい。

  • 紅子と阿漕荘の面々が活躍する「Vシリーズ」の3作目。本作の事件現場は那古野市東部の豪邸・篠塚邸のオーディオ・ルーム。

    【あらすじ】
    建設会社社長宅で、婚約披露パーティの最中に女性が遺体となって発見された。発見現場は当時密室で、着衣に激しい損傷があり、部屋内には遺体を引きずり回した痕跡もあった。偶々パーティに出席していた紅子と保呂草は、異様な光景の中で、カーペットの一部が水に濡れていた点に注目する。

    【感想】
    大掛かりな舞台装置を用いたトリックが駆使されており、紅子による種明かしまでは全く予想できなかった。トリックが奇抜な分、物語の意外性は大人し目で物足りない感じがした。
    余談だが、練無の友人として前作に登場した森川も阿漕荘の住人に加わった。また、紅子と七夏のバトルも継続中である。当事者の林自身は鈍感ぶりを発揮しており、今後も予断が許さないようだ。

  • 過去の既読本

  • トリックはお、おう...という感じ。
    でもこの本の1つのテーマというか、言いたいことは分かる気がする。
    どっちかというとキャラクターを楽しもうってタイプな本だと思った。

  • やはり、なんともスマートでオシャレなミステリー。
    意味があると思われていた、殺人現場の状況が、蓋を開けてみれば偶然の産物だったとは。
    まさか、密室だと思っていた空間が、あんな方法で密室ではなかったとは。ホーンテッドマンションを思い出した。
    何度か思い込みを覆された。

    結局、最後まで、事故だったのか殺人だったのかは判然としない。それがまた、ざらりとした気味の悪さを残して印象深い。

  • 推理小説を読む時、読み手と作家の戦いのようなものが始まる。
    作家の仕掛けたトリックを読み手は解きあかそうと、糸口を探そうと躍起になる。

    でも、この本を読むと犯人(作家とも言える)との対決という意味でなく、事実を一つ一つ考慮し筋道立てて考えるという工程を純粋に楽しむことができる。

    /瀬在丸紅子の探偵ぶりが楽しめる一冊

  • 再読。
    Vシリーズ面白くなってきた。
    保呂草と紅子の怪しい感じとか、人間関係の謎が積み重なってきた。
    で、結局ペットの獣はなんだったのだろうか??
    ただの事故だったのか?
    真相は闇の中で終わってしまっているが・・・満足感はある。

  • こんなん分かるわけないですやん……。   
    17年前の作品に先入観固定観念を利用されしてやられた。       
    人間の脳はこれくらいじゃあ変わらないらしい。     
    なんだか不完全燃焼な終わりですが、なんだかんだ面白い。   
    2000年くらいならそろそろ携帯電話が出てきそうなものですが、このシリーズの間に登場人物たちが携帯電話を持つようになるのか、気になるところですね。

  • Vシリーズ3作目。

    このシリーズは、事件を追うよりも、キャラクター軸で楽しむのが良いと今作で確信。
    もちろん、森ミステリィらしさは随所に散らばっていて面白いのだけど、
    それを簡単に上回っていく登場人物の濃さよ。
    それこそ、S&Mシリーズで萌絵がツボだったのと異なり、このシリーズでは特定の誰かに肩入れするという感じではない。
    でも、これだけバラエティに富んだチーム他にないでしょう。
    阿漕荘+紅子のやりとりを追うだけで満腹になりそう。
    個人的に、紅子・七夏・林の三角関係の描写は苦手だけれども。

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著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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