月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

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レビュー : 250
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736985

感想・レビュー・書評

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  • 薔薇屋敷、月夜邸、黒竹御殿…様々に形容され呼ばれるお屋敷。それから狼男の噂。
    北欧調の建築、灰色の屋根、薔薇の咲く庭、淡いブルーのピアノ。
    舞台設定の美術イメージがとても好き。
    例の特製のオーディオルームも素敵な設定。

  • Vシリーズ3作目。淡々とした内容の中にギャグあり、バイオレンスありで読者を飽きさせない内容。
    だた、物語の中心となるべきミステリーが、やや「後出しじゃんけん」気味で「....これなら何でもありジャン」とも感じる。
    しかし本作の中心はミステリーそのものではなく「思考の反転」と考えれば面白い。

  • Vシリーズ第3弾。
    表題と英語のサブタイトルがとても素敵。
    「幽咽」なんて言葉よく考えつきますね。
    今回もあいも変わらず例の四人が事件に巻き込まれます。
    中身もおなじみの館密室殺人。
    けれども読み終えた後もトリックとかそのあたりにもやもや…このもやもや感もまた「幽咽」って感じなのかもしれませんね。

  • まず。

    巻末に解説を書かれる皆さんは、なぜ言い訳から始める方が多いのでしょうね。

    それはさておき。

    今回は浅い…謎解きも掟破り。物語も進展したとは言い難い。少し物足りなく思いながら読了。シリーズの中休みといったところかな。

  • S&Mシリーズに比べると、やはり今回もふわっとしているというか...少年探偵団感が拭えない。とはいえ、まだまだ秘密を持っていそうな保呂草の今後には期待。

  • 再読。
    恐らく、Vシリーズは断片的に合計で2作品分くらいしか記憶に残っていないんだろうな。
    そのくらい、表層に出ている部分は何でもない。

    読み終わってタイトルを見て、あぁ、ちょっと素敵だな、と。

    へっ君がマトモに喋ったのはこれが初か。

  • トリックは、うん、よく分からん。でも問題なし。
    保呂草さんの謎の暗躍。

  • Vシリーズの3作目です。
    私としては、3作目にしてようやくこのVシリーズに慣れてきたし、ハマってきた気がします。
    もちろん前2作もおもしろかったんですが、どうも序盤が読みづらいというか、中盤あたりまで読むのに時間がかかったんですが、これは最初からほぼ一気読みでした。

    『月は幽咽のデバイス』というタイトルがなんか好きです。
    何となく美しい言葉な気がします。
    と言っても最初は幽咽の読み方も意味も分からなくて、ふりがな見るまで「ゆういん」だと思ってたんですが(笑)
    意味を調べてみたら「すすり泣き、かすかな水音」という意味らしいです。
    「月はすすり泣き(かすかな水音)の装置」ということでしょうか?
    やっぱり美しいです。
    英題の方も詩的な感じがして好きです。

    ストーリーは、おもしろいけどちょっと物足りない感じもします。
    私的に真相も、あぁそうなんだ…っていう感じです。
    意図していないことでも、理由とか意味を見出そうとしてしまうっていうのは納得ですね。

  • 『森川素直には幾度か会ったことがある。名前のとおり、大人しく素朴な若者で、欠点といったら、大人しく素朴過ぎる点くらいしかない、と思われた。』

    「紫外線の吸収について話しましょうか?」
    「あ、いいえ ー あまり聞きたくないわ」
    「私、邪魔? ー もしそうなら、お屋敷で待たせてもらうけど」
    「まさか ー すぐそこに喫茶店があるの、そこでコーヒーを飲みましょう。紫外線以外の話なら、なんでもOK」
    「ええ ー じゃあ、赤外線についてね」

    「偶然ですって? ー まあ、素敵な偶然だわ」
    「偶然のうちの半分は、人の努力の結晶です」
    「素敵な努力だわ」
    「わりと努力するのが好きなんです。ええ、どういうわけか。子供の頃から、お前は努力家だってよくお袋に言われました」
    「素敵なお母様だわ」
    「紅子さん、やめて下さいよ」

    「勘違いしないでね ー ちょっと高級なお酒が飲みたくなっただけです。私、貴方には興味はありません。保呂草さんがどこかの国の王子様でも、働き者の便利屋さんでも、ハードボイルドを地で行く探偵さんでも、それとも、たとえば泥棒でも…、私の知ったことじゃないのよ。貴方はね、私の飲んだお酒のお代を支払う。そのために地球にいるの。それを忘れないでほしい」

    「ピアノが弾けるんですね?」
    「あれは、誰でも鍵盤を押せば音が出る機械なのよ」

    「僕たち、国立公園みたいな、もうとってもクリーンな交際を続けていますので、もしも、どっちかが妊娠したときには、その人がマリアさまです。」

    「ごめんなさい、私、ちょっと今夜、頭が痛くて。こういうときって、何かを壊したくなりません? 何でもいいから、近くにあるものを叩き壊してしまいたいの」
    「ええ ー そういうときも、ときどきあります。壊す相手が人間だったりすることも、たまに…」
    「あら、祖父江さんも頭痛持ちでしたの? ー 意外に上等な頭をお持ちですこと。どうか、事件を早く解決するために、有効にお使いになって下さいね」

    『本当は、動物の中で人間が一番恐ろしいのだ。
    間違いないだろう。
    人間さえいなかったから、恐いものはない。
    お化けはみんな人間だ。
    化けものはみんな人間だ。』

    「面白い人ね、貴方」
    「あ、ようやく気づいてもらえましたね」

    『こんな気持ち、きっとガラスみたいに脆いはずだ。
    手を離せば、落ちて、粉々になる。
    何故、持ち続けているのだろう?
    こんなみっともない気持ちを。』

    「いろいろ検査して情報が集まってくれば、もう少し詳しい議論ができるようになるかもしれません」
    「そうかしら…。新しい情報だけで、新しい発想があるなんて、思えないわね。情報は思考を限定するだけです。」

    「どんな状態になろうと、誰も、私を哀れむことはできません ー 私が私を哀れまないかぎり」

    「僕がケーキ持っていること、忘れているでしょう?」
    「おお、そやった ー 勘弁して。もうしません。このとおり」
    「ふふ… そうか、世の中、結局はケーキなんだなあ」

    「あれはさ、絶対この世の力ではないもん」
    「この世の力ではない力って、どんな力?」
    「そりゃ、鬼のようにごっつい不思議な力やわ」
    「力っていうのは、この世のものなの ー 加速度と質量をかけたものが力」

    『自分が不幸だと思わない。
    自分は常に最善の道を選択したのだから、今よりも幸せになれなかったはず。
    過去のどこを探しても、間違いはなかった。
    どこへ戻っても、きっと同じ道を選ぶだろう。』

    「月が出ているかしら?」
    「ええ…、たぶん、どこかには出ているでしょうね ー 問題は、見えるか見えないかです」
    「見るか、見ないかだわ」

    『そんなことはどうでも良かった。どうでも良いことで夜はできている。』

    『「着いたら、起こしてね」
    「ええ ー あの、どうやって、起こしたら良いですか?」
    「キス以外の方法で…」紅子は答える。
    ふと、保呂草の方に顔を向けたくなった。
    彼女はいつの間にか微笑んでいる。
    自分でもそれが不思議だった。
    「きっと、キスなんかじゃ、私、起きませんから」』

  • Vシリーズ3作目、豪奢な洋館の密室で見つかった凄惨な死体。

    もうね、こういったとんでもないトリックが「使われること」には慣れました。
    いい意味で(ちょっとだけ悪い意味で)、マンネリしつつあります。

    本筋よりも、瀬在丸紅子と保呂草の関係性、今後出てくるであろうもう一人の女性、S&Mシリーズとの関わり方に興味が移りつつあり、本筋を蔑ろにしつつあることを反省。

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著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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