美濃牛 (講談社文庫)

著者 : 殊能将之
  • 講談社 (2003年4月発売)
3.41
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  • 69レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (770ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737203

美濃牛 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • オーソドックスな本格ミステリなのに、読みやすい。
    キャラが個性的で面白い。
    本格の要素も、ホラー的な面も、申し分なくラストの収まりもいい。
    大傑作とは言えないまでも、際立ってよい作品でした。

  • 作者の本を読むのはこれで二作目。
    以前読んだハサミ男も最高でしたが、これもすごく面白かった!
    最初、うわ分厚いなぁ…と思ったもののすごく読みやすくて話も先が気になるのでサクサク読めた。

    山奥の村の奇跡の泉とかわらべ唄とかワクワクする要素や、他の作品へのオマージュも多くて読んでて楽しかった。

    こんがらがった事情も多かったのに謎解きは複雑ではなくスッと理解できるものでなんかもう本当凄い。

    最後に出てきたアントニオの出番は少なかったもののインパクトはでかい…。

    以降の作品を読むのも楽しみ〜!

  • 長い助走、狂言回しがみごとです

  • 文庫本にして750ページを超える大作。首なし死体が登場するまで190ページ程度かかりブロンズの牛の角に腹を突き刺された二人目の死体が登場するのまで,430ページ程度かかると,非常にゆっくりした展開の作品である。登場人物も非常に多く,大きく分けると羅堂家の人々,コンミューンの人々,暮枝村の村人達,雑誌から取材に来ているフリーライターとカメラマンと,複数のグループが登場し,それぞれの思惑で動き,物語がかき回される。美濃牛の面白さは,それぞれの登場人物が,殺人事件とは別の思惑で動く姿がいきいきと描かれている点にある。
    犯人である羅堂陣一郎=鋤屋和人は,俳句を愛する老人として描かれている。陣一郎が開く句会の様子が描かれているが,ここでフリーライターの天城が詠んだ「秋風や牛舎の牛の白い角」という句が,羅堂真一殺害の重要な目撃証言になってしまい,最終的に天城が狙われる原因となる伏線として描かれている。登場人物のキャラクターが魅力的なこともあり,句会が事件に関係がないシーンとして描かれていると思って読んでいたので,感心してしまった。
    ミステリとしては全体として冗長であり,横溝正史作品へのオマージュとするのであれば,登場人物を少し減らしたり,出羽や藍下(=村長),灰田についての描写を減らすなどして,もう少しすっきりした作品にした方がよさそう。しかし,美濃牛は単なる横溝正史作品へのオマージュではなく,横溝正史が描きそうな世界へのオマージュであるように思われ,一見無駄のように思われる部分にも愛着を感じてしまう。
    ミステリとしてのこの作品のポイントは,羅堂陣一郎(=鋤屋和人)が,羅堂一族との奇妙な共存関係の終焉を避けるために,自殺した羅堂哲史の首から上を切断したことにである。自殺を猟奇的な殺人と見せかけることで,猟奇的な連続殺人事件が生じてもおかしくないと思わせ,羅堂美雄が,金のために,便乗して羅堂真一を殺害するであろうことを予測していたという点である。実行犯になれなにものが裏に存在し,連続殺人をプロデュースするという構造は,Yの悲劇に通じるものがある。羅堂陣一郎(=鋤屋和人)のお手伝いであるお栄さんが,羅堂哲史の首を切断したというのはシュールだが,お栄さんの行動がやや不自然であること,お栄さんと羅堂陣一郎(=鋤屋和人)の関係など,伏線もあり,納得できないほどではない。
    とはいえ,何人ものキャラクターが登場し,いくつものエピソードが並立した形で描かれているので,要約がしずらく,記憶に残りにくい作品となっている。このような作品は嫌いではないが,しばらくたつと,大体の構成は思い出せても,何人死んで,実行犯が誰だったかなど思い出すのが困難そうな作品ではある。
    全体の構成,文章の読みやすさ,キャラクターの魅力など,かなり好みの作品なのだが,印象の残りにくさも含め,あと一歩足りない印象がある。際,羅堂陣一郎が鋤屋和人であろうということは,ミステリ慣れしていると読めてしまう。サプライズを狙っているわけではないのだろうけど,ミステリを読んでいるので,サプライズがほしいのも事実。その点の割引もあって…★4で。

  • 石動シリーズ1作目。
    不治の病をも治す"奇跡の泉"、地域開発調査に派遣される石動、泉の洞を封鎖する羅堂家、牛舎と美濃牛の像、俳句を嗜む隠居老人、他所者の古民家に出入りする美青年、閉鎖的な村の中で次々消える赤毛一族の命。
    視点は主に取材にかりだされたフリーライター天瀬のものだし、石動でシリーズになっているとは知らず読み始めたのもあり、序盤から探偵の怪しさが尋常じゃなかった笑
    登場人物が多いけれどそれぞれ個性と価値観がわかりやすく、『ハサミ男』から感じる皮肉屋っぽい洞察も好調でくせになる。
    事件の真相や真犯人については、なんとなく怪しい怪しいと思うところであったから意外性というほどではなかったけど、しっくりまとまっているとても楽しめるミステリ。俳句を練る風景がとても風流で好きだし、伏線として回収されたも素敵だった。
    章毎の引用文が多岐に渡っていて、著者の知識量に慄く。散りばめられているはずのオマージュについて半分も拾えていないだろう自分が残念。

  • 再読。ピラミッドのアヌビスの次は迷宮の奥のミノタウロスで。
    3歳の子どもはもっと話せるだろとか栄さん年のわりに老けすぎじゃないかとかその辺がひっかかりました。アントニオ出てくるのあれだけだったっけ?いやまあ黒い仏で大活躍だしいいか...。

  • まさかやおい穴を利用したトリックがあるなんて!
    キャラが立っててどいつもこいつも良さがある。

  • 殊能さんの著書は思い出深いハサミ男に続き2作目。読みごたえのある長編だが、登場人物が個性豊かで楽しく読めた。序盤の親子の対比がよかった。何よりも引用の数が半端じゃない。すごくいろいろなものを読み漁っていたんだなと感心した。ご冥福をお祈りします。

  • 石動シリーズ1作目。

  • 色々踏まえていないので、深いところは分からないが、普通のミステリーとして楽しく読めた。牛肉についての知識も深まるし良かったと思う。

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