美濃牛 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 615
レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (770ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737203

感想・レビュー・書評

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  • 文庫本で700ページ超の大作だが、文章も読みやすくおもしろかった。

    取材で訪れた自然に囲まれた田舎の村、不思議な力があるという泉と、怪しい住人たち。雰囲気はドラマのTR●CKのような…。この雰囲気だけでわくわくする。さらに村にまつわる歌になぞらえておこる連続殺人事件。
    取材に訪れたフリーライターをはじめ、石動や羅堂一族、村人、コミューンのメンバーなど、キャラクターもとても印象的。

    果たしてこの作品の着地点は、オカルトなのか、ミステリーなのか?と思いながら読んだ。もちろんミステリーとして成立している。しかし、科学でわりきれないオカルト要素もあり、それがこの本の世界観を作り上げていると思う。

  • 長編ですが平易で読みやすいです。物語は長くスローテンポで進むのですが、軽快に読ませてくれるため長さを感じない面白さがあります。

    探偵石動儀作が面白いです。どこかとぼけた感じのあるようで鋭いところもある、何かが間違ったキャラクターです。

    物語を振り返るごとに味があり、にやにやさせられる読後感があります。とはいえ、尾を引くような不気味さも残しつつ物語は終わります。読み返すとその不気味さが際立ちます。

    それが面白いかはともかく感心させられます。

    https://www.kt-web.org/book-report-shuno-masayuki-minogyu/

  • 2018.09.11

    奇跡の泉 リゾート開発 首なし死体からの連続事件 飛騨牛

    長かった。ハサミ男や鏡の中は日曜日と比較するとインパクトは弱い。
    古今東西の作品のオマージュが散りばめられてるらしいけど全然わかりませんでした。

  • 古今東西の物語の意匠と作家へのオマージュがちりばめられた、精密で豊潤な傑作推理小説。
    うーん、面白かった。各節の冒頭に様々な引用が用いられ、それが本当にしっくり馴染む。
    読みやすい文章、人物像も嫌いじゃないし展開も好み。超長編をものともせず読みました。
    殊能氏はこんなにも博識だったのですね、感心しきりです。続編もゆっくり楽しみたい。

  • 石動シリーズ1作目。

  • 作者の本を読むのはこれで二作目。
    以前読んだハサミ男も最高でしたが、これもすごく面白かった!
    最初、うわ分厚いなぁ…と思ったもののすごく読みやすくて話も先が気になるのでサクサク読めた。

    山奥の村の奇跡の泉とかわらべ唄とかワクワクする要素や、他の作品へのオマージュも多くて読んでて楽しかった。

    こんがらがった事情も多かったのに謎解きは複雑ではなくスッと理解できるものでなんかもう本当凄い。

    最後に出てきたアントニオの出番は少なかったもののインパクトはでかい…。

    以降の作品を読むのも楽しみ〜!

  • 長い助走、狂言回しがみごとです

  • 文庫本にして750ページを超える大作。首なし死体が登場するまで190ページ程度かかりブロンズの牛の角に腹を突き刺された二人目の死体が登場するのまで,430ページ程度かかると,非常にゆっくりした展開の作品である。登場人物も非常に多く,大きく分けると羅堂家の人々,コンミューンの人々,暮枝村の村人達,雑誌から取材に来ているフリーライターとカメラマンと,複数のグループが登場し,それぞれの思惑で動き,物語がかき回される。美濃牛の面白さは,それぞれの登場人物が,殺人事件とは別の思惑で動く姿がいきいきと描かれている点にある。
    犯人である羅堂陣一郎=鋤屋和人は,俳句を愛する老人として描かれている。陣一郎が開く句会の様子が描かれているが,ここでフリーライターの天城が詠んだ「秋風や牛舎の牛の白い角」という句が,羅堂真一殺害の重要な目撃証言になってしまい,最終的に天城が狙われる原因となる伏線として描かれている。登場人物のキャラクターが魅力的なこともあり,句会が事件に関係がないシーンとして描かれていると思って読んでいたので,感心してしまった。
    ミステリとしては全体として冗長であり,横溝正史作品へのオマージュとするのであれば,登場人物を少し減らしたり,出羽や藍下(=村長),灰田についての描写を減らすなどして,もう少しすっきりした作品にした方がよさそう。しかし,美濃牛は単なる横溝正史作品へのオマージュではなく,横溝正史が描きそうな世界へのオマージュであるように思われ,一見無駄のように思われる部分にも愛着を感じてしまう。
    ミステリとしてのこの作品のポイントは,羅堂陣一郎(=鋤屋和人)が,羅堂一族との奇妙な共存関係の終焉を避けるために,自殺した羅堂哲史の首から上を切断したことにである。自殺を猟奇的な殺人と見せかけることで,猟奇的な連続殺人事件が生じてもおかしくないと思わせ,羅堂美雄が,金のために,便乗して羅堂真一を殺害するであろうことを予測していたという点である。実行犯になれなにものが裏に存在し,連続殺人をプロデュースするという構造は,Yの悲劇に通じるものがある。羅堂陣一郎(=鋤屋和人)のお手伝いであるお栄さんが,羅堂哲史の首を切断したというのはシュールだが,お栄さんの行動がやや不自然であること,お栄さんと羅堂陣一郎(=鋤屋和人)の関係など,伏線もあり,納得できないほどではない。
    とはいえ,何人ものキャラクターが登場し,いくつものエピソードが並立した形で描かれているので,要約がしずらく,記憶に残りにくい作品となっている。このような作品は嫌いではないが,しばらくたつと,大体の構成は思い出せても,何人死んで,実行犯が誰だったかなど思い出すのが困難そうな作品ではある。
    全体の構成,文章の読みやすさ,キャラクターの魅力など,かなり好みの作品なのだが,印象の残りにくさも含め,あと一歩足りない印象がある。際,羅堂陣一郎が鋤屋和人であろうということは,ミステリ慣れしていると読めてしまう。サプライズを狙っているわけではないのだろうけど,ミステリを読んでいるので,サプライズがほしいのも事実。その点の割引もあって…★4で。

  • 色々踏まえていないので、深いところは分からないが、普通のミステリーとして楽しく読めた。牛肉についての知識も深まるし良かったと思う。

  • オーソドックスな本格ミステリなのに、読みやすい。
    キャラが個性的で面白い。
    本格の要素も、ホラー的な面も、申し分なくラストの収まりもいい。
    大傑作とは言えないまでも、際立ってよい作品でした。

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著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2016年 『子どもの王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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