時宗 巻の壱 乱星 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.72
  • (18)
  • (29)
  • (38)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 265
感想 : 26
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737234

作品紹介・あらすじ

国を守り抜いた男を描く渾身の歴史巨編。源頼朝亡き後、北条氏に権力が移り抗争が続く鎌倉。若き北条時頼は、病に臥した兄の執権・経時に、棟梁になれと告げられた。北条を継ぐ者に安寧はない。地獄の道だ――。内部闘争に血を流しても、国のあるべき姿を求めねばならぬ。武家政治を築いた父子を描き、「国を守るとは」を問う巨編、ここにはじまる。(講談社文庫)


国を守り抜いた男を描く渾身の歴史巨編

源頼朝亡き後、北条氏に権力が移り抗争が続く鎌倉。若き北条時頼は、病に臥した兄の執権・経時に、棟梁になれと告げられた。北条を継ぐ者に安寧はない。地獄の道だ――。内部闘争に血を流しても、国のあるべき姿を求めねばならぬ。
武家政治を築いた父子を描き「国を守るとは」を問う巨編、ここにはじまる

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • こんな三浦光村、見たことなかった!
    (同じ題材で別の作家が書いたものは読んだことがあったが)

    本書は「時宗」が主人公であり、これは全4巻のうち第1巻(1巻では時頼がメイン)。
    本当のクライマックスは第4巻にあると思うが、
    第1巻でインパクトが強いのは三浦義村・光村ではないだろうか。

    第1巻は、北条経時(4代執権)から時頼(5代執権)から「宮騒動」「宝治合戦」までの話。

  • 時代は、北条時宗の父、北条時頼が兄の執権経時に代わり、執権となった時からはじまる。
    一族である名越流の北条光時、前将軍藤原頼経らを打ち破り、さらに、三浦一族を法華堂にて三浦家を滅亡させる。
    北条と反目した毛利季光の娘、正室の涼子から、後の時宗、正寿丸が誕生する。

  • みんな名前が似ていて頻繁に人物相関図を見なければすぐに誰が誰だか分からなくなるなあ。
    第1巻はとにかく裏切り合いの繰り返しで、本筋がよく掴めない。
    すぐに出家するのはこの時代の責任の取り方なのだろうか。

  •  高橋克彦著『時宗』全4巻(講談社文庫)を読了。
     2001年のNHK大河ドラマの原作小説である。

     タイトルは『時宗』だが、実際には北条時頼と時宗の父子二代にわたる物語。若き日の時頼が鎌倉幕府の執権となるところから始まり、その後を継いだ時宗が34歳の若さで世を去るまでが描かれている。

     執権となった時宗の前に立ちはだかった最大の難関・蒙古襲来(元寇)が、全編のクライマックスに置かれている。
     蒙古襲来の顛末は、第4巻を丸ごと費やして描かれる。1~3巻は、そのクライマックスに向けてじわりじわりと盛り上がっていく感じ。4巻は、じつに全体の半分くらいが戦闘シーンである。私は大河ドラマをほとんど観たことがないのだが、これほど血なまぐさい大河ドラマも珍しいのでは?

     よい意味で講談的な面白さがあり、一気読みした。高橋さん自身の歴史観・国家観を明確に打ち出しつつも、きっちり楽しませるエンタテインメントになっているあたり、さすが人気作家。

     日蓮は要所要所に登場するのみだが、もう一人の主人公といってもよいくらい、強烈な印象を残す。
     「竜の口の法難」における「ひかりもの」に合理的な解釈がくわえられていたりして、蒙古襲来を描いた過去の映画などにおける日蓮像より、はるかに現代的。 

     私がいちばん感心したのは、日蓮より「立正安国論」を奉上された際の、時頼の心の動きを描いたくだり(第2巻「果断」の章)。「立正安国論」の内容に驚きと感銘を受けつつも、日蓮の訴えを聞き入れるわけにはいかない胸の内に分け入って、見事だ。

     それは当然、史実をふまえたうえで、高橋さんの想像力によって描き出された心の揺れである。しかし、私はこのくだりを読んで、「ああそうか、時頼はこういう気持ちだったのか」と、何か謎が解けたような気持ちを味わったのだ。一流の作家の想像力・洞察力というのは、すごいものだと思う。

  • 巻の壱では時宗の父が主役です。
    なにせ時宗、生後数か月の乳児ってところでこの巻は終わりますから。
    時宗がやったこと→無事生まれる
    以上。

    ストーリーは、鎌倉幕府をめぐる権力闘争と、武者の生きざまについて。
    自軍が有利になるように、相手が失策を犯すように、互いにじわりじわりと追い詰めていく様子は、囲碁や将棋のようでなかなか趣深いです。

    しかし一番心躍ったのが、鎌倉の街並み。
    先月行ったばかりなので、鶴岡八幡宮の背後に、将軍の屋敷。
    鶴岡八幡宮の境内に面して、若宮大路に執権の家。
    え?あの辺にあれがあったの?なんて。
    ああ、こんなことなら、もっとじっくり見てくるんだったな。

    地名と苗字がリンクしているので、どの一族がどのあたりを拠点にしていたかがわかりやすい。
    三浦氏は微妙に鎌倉に遠いところを拠点にしていたというのは、この間長谷寺から遠く三浦半島を望んだばかりなので、ものすごく納得。

  • 読了。レビューは最終巻で。

  • 第1巻は、毒を盛られて体調を害した北条経時の後を次いで若くして執権・得宗となった時頼。その時頼が政敵である大殿(頼経)や名越の北条家、三浦氏との権力闘争に勝ち、北条氏の権力基盤を磐石なものとするまで。正寿丸(時宗)が誕生するも、重時と政村の反目など新たな火種がくすぶりだし、また、大陸における蒙古の動きが漠とした不安を掻き立てつつ第2巻へ。

  • 馴染みのない時代小説
    高橋先生の作品はNHK大河になるな

  • 読んだきっかけ:奥様が100円で買った。

    かかった時間:4/13-4/15(3日くらい)

    あらすじ:源頼朝亡き後、北条氏に権力が移り抗争が続く鎌倉。若き北条時宗は、病に伏した兄の執権・経時に、棟梁になれと告げられた。芳情を継ぐものに安寧はない。地獄の道だ…。
    内部闘争に血を流しても、国もあるべき姿を求めねばならぬ。武家政治を築いた父子を描き、「国を守るとは」を問う巨編、ここにはじまる。(裏表紙より)

    感想: 高橋克彦氏の北条氏もの。まだ一巻ですが、なかなか面白かった。ほとんど知らない時代です。鎌倉から北条氏→足利ってどういう流れだったっけ…そのあたりが分かるのかな?
    とりあえず、1巻は5代執権の時頼の物語。時宗が生まれたところで2巻へ…。
    蒙古軍が宋を滅ぼしかけているとかいう時代背景が出てきました。
    そうか、時宗は元寇の時の執権か~。
    あと、足利氏がちらりと出ました。
    自分の頭の中の断片的な日本史がきちんとつながるのか…楽しみです。

  • 小説のタイトルは時宗ですが、
    時頼が執権についてから宝治合戦までの話が描かれています。

    3代執権泰時時代には、北条は磐石な体制を築いていたと思っていましたが、実は一枚岩ではなかったことや、将軍排斥、三浦氏を滅ぼすまでの過程など、興味深く読みました。

全26件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高橋克彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×