終止符 (講談社文庫 ね 3-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737517

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  • 小さな漁港のある町で、ならず者と街の有力者が連続して首を切られ殺された。二人の背後には共通点があるのか。それとも見境なく襲う異常者の仕業か。フェーテレン刑事部長は、乏しい手がかりを基に必死で追う。そこへ第三の事件が…。首切魔が次に狙ったのは?人の心の闇を暴く警察ミステリーの傑作。

    「殺人者の手記」の著者による別シリーズ。これ一作しか翻訳されていない。例によって陰惨な事件を扱っているのだが、読後あまり重くならない。

  • スウェーデンの作家「ホーカン・ネッセル」の長篇ミステリ作品『終止符(ピリオド)(原題:Borkmanns punkt、英題:Borkmann's Point)』を読みました。

    「カミラ・レックバリ」、「ヴィヴェカ・ステン」、「ラーシュ・ケプレル」、「カーリン・アルヴテーゲン」に続きスウェーデンのミステリ作家の作品です… 北欧ミステリ作品が久しぶりにマイブームとして盛り上がっています。

    -----story-------------
    猟奇的で凄惨な事件に誰が終止符(ピリオド)を打つのか

    連続首切り殺人事件の謎を追う「フェーテレン刑事部長」。
    乏しい手がかりを基に深い悲しみに沈む心の闇を暴く。

    小さな漁港のある町で、ならず者と街の有力者が連続して首を切られ殺された。
    2人の背後には共通点があるのか。
    それとも見境なく襲う異常者の仕業か。
    「フェーテレン刑事部長」は、乏しい手がかりを基に必死で追う。そこへ第3の事件が……。
    首切魔が次に狙ったのは?
    人の心の闇を暴く警察ミステリーの傑作!

    スウェーデン推理小説アカデミーの1994年度最優秀推理小説賞受賞作品。
    -----------------------

    50代のベテラン刑事「ファン・フェーテレン刑事部長」を主人公にした「刑事部長ファン・フェーテレン」シリーズの第2作にあたる作品です。

    小さな漁港のある町・カールプリンゲン市で、6月28日の早朝に麻薬常習の犯罪者「ハインツ・エッガース」が頸部を斧のような刃物で切られて殺され、8月31日の夜に不動産会社の社長で街の名士である「エルンスト・ジンメル」が同様な手口で殺されるという連続殺人事件が発生… 衝撃的な殺され方をした二人には一見全く関係がないように思える犠牲者の背後には共通点があるのか、それとも見境なく襲う異常者の仕業か、、、

    この捜査に休暇中だったマールダム市警察の「フェーテレン刑事部長」が応援として派遣される… 捜査を指揮するカールプリンゲン市警察の「バウゼン署長」の定年退職(10月1日)が迫る中、「フェーテレン刑事部長」はカールプリンゲン市警察の「ベアーテ・メルク警部」、「クロプケ警部」等と捜査を進めるが、大きな進展はなく無為な日々が過ぎ、捜査は手詰まりの状態となっていた。

    捜査が膠着状態に陥り、「バウゼン署長」の退職まで1か月を切った、9月10日に整形外科医の「モーリス・リューメ」が自宅で殺害されているのが発見され、これまでの殺人事件と同様に頸部に傷を負っており、背中には凶器の精肉用の大きな刃物が突き立てられていた… 凶器が残されていたことから一連の連続殺人は終息と思われたが、今回も目撃者はおらず捜査は進展しない、、、

    マールダム市警察から応援に「フェーテレン刑事部長」の部下の「ミュンスター」が派遣されてきたものの、新たに判明したのは、被害者に共通する点が、比較的最近カールプリンゲンの街に越してきたこと、「エッガース」が薬物中毒であったことと「リューメ」が学生時代に薬物に手を出していたこと程度位であった… 乏しい手がかりをもとに必死で犯人追うが、そこへ新たなの事件が、、、

    犯人逮捕につながる何かの情報に気付いたと思われる才気活発な女性刑事「メルク警部」がジョギング中に何者かに襲われ行方不明となる… 首切魔は、これまでと違った手口で殺人を犯したのか?首切魔が、彼女を狙った理由は?

    登場人物が限られていることもあるのですが… この辺りから、何となくある人物が怪しい感じがしていたんですよね(合理的な理由はなく、単なる勘… というか憶測ですが)、、、

    「メルク警部」を監禁した犯人が、彼女に全てを告白することで、動機が明らかになりますが、それまで、その事実は全く明かされていないので、読者には推理ができない展開でしたね… まっ、気付くとすれば「バウゼン署長」の言動が、何か不自然な感じがするくらいですかね。

    そして、本作品の特徴は、センセーショナルな犯罪を扱っているにしては、捜査に焦りがないところかな… 寝職を忘れて捜査に没頭するということはなく、終業時間になれば、みんな職場を出るし、「フェーテレン刑事部長」は「バウゼン署長」とワインを嗜んだり、チェスを愉しんだり、部下とスポーツを愉しんだりしてアフター5を過ごしていますからねぇ、、、

    のんびり感の漂う独特なリズム感というか、テンポがあって、不思議な感覚のある警察小説でしたね… これまでに読んだ北欧ミステリのようなエンターテイメント性は感じず、どちらかというと地味で渋目な作品でした。

    ちょっと不満なのは、事件解決が、「フェーテレン刑事部長」の閃きというか、嗅覚というか… 勘のようなものに頼られている感じがして、読者が物語と一体となって論理的に犯罪を暴くという感覚が得られないことかな、、、

    スウェーデンっぽいけど、スウェーデンではない架空の街が舞台ということで、少しファンタジックな作品だと思えば、「フェーテレン刑事部長」の能力も不思議じゃないのかな… と納得するしかないかな。


    以下、主な登場人物です。

    「ファン・フェーテレン」
     マールダム市警察の刑事部長

    「ミュンスター」
     フェーテレンの部下で警視

    「バウゼン」
     カールブリゲン市警察署長(刑事部長)

    「ベアーテ・メルク」
     バウゼンの部下、女性警部

    「クロプケ」
     メルクの同僚、警部

    「エルウィン・バング」
     メルクの同僚、巡査

    「ハインツ・エッガース」
     多くの犯罪歴を持つ麻薬中毒男

    「エルンスト・ジンメル」
     不動産会社社長で好色漢

    「モーリス・リューメ」
     カールブリゲン市の整形外科医

    「ベアトリス・リンクス」
     リューメの恋人。心理学者

  • いきなり解決するのが無理矢理だけど 憎めない

  • 事件の陰惨さに対して全体のタッチが軽すぎる。

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