だから、あなたも生きぬいて (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737586

感想・レビュー・書評

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  • 一時期非常に話題を呼んだこの本を、ブームが去った今読んでみた。
    おおよそ2時間で読了。

    エピソードのひとつひとつは実は非常に重く、
    そのひとつだけで十分一冊の本が書けてしまうような濃厚さなのだが、
    この太平さんの人生においては、
    それらも今となれば所詮
    人生という織物の綾錦のひとつひとつに過ぎないという
    そんな印象を受けた。
    それほどに、この本はこの一人の女性が経験した出来事を、
    エピソードとしてさらっと積み重ねていくのだ。

    理由無きいじめ、登校拒否、家出、両親への暴力、
    どれも今の世の中にも無数の星のように散らばっている。
    ただ彼女のように割腹自殺を行うほど
    恨みのエネルギーを凝縮できる人は少ないだろう。
    そして 16歳で暴力団の妻、いわゆる極妻になった際、
    彼女が背中一杯に彫り物を入れたその意味も
    また この割腹に通じる心の叫びだったように私は思う。

    彼女が話題になったのは、しかしそこではなく、
    その後当時の司法試験に1発で合格し、
    元極妻の波乱万丈弁護士としてマスコミが取り上げた事にある。

    中学2年までしか学校へ行かなかった彼女が、
    司法試験にたった1度で合格していくその過程は、
    ちょっとした物語よりも遥かに面白かった。
    何しろ中学から高校までの英語を覚える期間は1ヶ月
    同じく数学も1ヶ月なのである。
    その期間でポイントを掴み攻略していくのだ。
    私には何か城攻めでもしているかのような、
    緊張感とスピード感をそこから感じて、
    私自身も一緒に走っているような錯覚を覚えた。


    今挫折している人や、今迷っている人には
    この本のエッセンスは絵に描いた餅にしか見えないかもしれない。
    「大平さんは できただろうけど」
    その一言で終了するかもしれない本だ。

    しかし私はこう思う。
    大平さんは、弁護士になった自分みたいになれと
    そう言っているのではないのだ。
    全て回りではなく
    「自分がどうするか どう受け取るか」で
    人生は変わっていく・・
    その一例として、自分の体験を語った、そういう本なのではないだろうか。

  • 懐かしくて久しぶりに手に取った。
    涙なしでは読めない。つらい中の生。
    甘えに叱ってくれる他人が関係が人には子供には必要なのだろう。
    まっすぐな表紙の目に希望をいただく。

  • 何年も前に一度読んでますがまた読みたくなり文庫本を購入しました。
    ”大平のおっちゃん”みたいな人がいてよかった、そしてみっちゃんが立ち直れるきっかけとなって本当によかった。腐らずおちていかず本当によかった。
    中卒からの司法試験一発合格。自分自身も、今になって勉強したくなりましたが過去の光代さんとおなじように中学程度も解けません。自分の励みになるように・・・との思いも込めて。バイブルです。

  • 実話のもつ迫力!

  •  荒んだ思春期を過ごし、ヤクザ組長の妻となり安定した精神とは言い難い中、中卒で漢字が読めず、漢和辞典を引いて宅建資格を目指す事から始めて、最終的には弁護士資格を一発で取得した大平さん。

     すごい。と思う。
    元々、これだけの力があったのだとも思う。

     多くの人は大平さんのような力を持っていない。
    または、発揮できない。

     これだけすごい力を持っている人でも、おじさんがいなければ、出会わなければ、今も荒んだ人生であったかもしれない。

     人生も、全生物の生も、運次第である。

  • 人を変えるのは人に違いないと改めて感じた。やろうと思ったその時こそが出発点であり、そう思えばやれないことなんてないのではないかと思わせてくれた。必死になるって言葉では軽すぎる、覚悟を感じる生きざまがそこにあった。

  • 私が高校生の頃に流行った本。ずっも気になっていたが、読む機会がなかった。
    想像してたよりも軽いタッチで著者のこれまでの経歴が描かれていた。自分のことを真剣に考えてくれる大人に出会うことは、子どもに大きな影響を与えると改めて気づかされた。そんな大人である大平さんの存在に気づく非行少年は10人に1人だけれども、それでもその1人が気づいてくれれば良い、いつか思い出してくれれば良い、と言う大平さんの言葉が胸に沁みた。

  • 幼い頃残虐な虐めにあい裂腹自殺を図ろうとするが通行人に発見され急死を得る。その後入院し退院するが実の母は学校に行くように命令する。本当は行きたくなかったがこれ以上親を苦しめるのはいけないことを悟ったのかやむ無く登校。裂腹自殺を図ろうとしたことが新聞に載ったらしくクラスメイトは青い目で見るようになり、またしても虐めが再発。その頃やっとのことで出来た友達からの裏切りが原因で非行の道に走り悪い仲間とつるむようになり家にも帰らなくなった。そして時々帰宅しては金を盗み両親に暴力を振るうようになる。その時A子はキャバ嬢をしていて昔お世話になった父の知り合いに会いA子の人生は一変。その頃中卒だったA子は通信で高卒の資格をとりその後大学の資格もとった。そして何か資格を取ろうということで司法試験に受けるとが決まった。そして合格し弁護士になる。現在はTVで虐めの愚かさを訴えている。感想はやっぱり小さい時に色んな大変な苦労をしている人は大人になって自立出来るし偉くなる人が多いと思う。逆に過保護で何でも好きな物を買って貰っていた子供は絶対に将来社会に出て自立出来ないと思う。

  • 参考になるかどうかは別として、世にはこんなユニークな人生もありなのだと思わせられる。
    大平さんに限らず、ある人との出会いが、人生の分岐点になるケースは多いのだろう。
    そして、どんな出会いも、自分でチャンスにするかどうかで決まる。
    太平さんは努力家であり、チャンスを生かせる人であり、また人に支えられることが大きかったのだろう。

  • 読者の対象が学生だからか、わかりやすくスラスラ読めた。
    ただただ壮絶。

    彼女をいじめていた人達はどんな思いでこの本を読むんだろうと余計なことを考えた。

    養父の大平さんが送ってくれたという言葉は私も心に沁みた。
    彼女と違う部分だけど。

    ...
    今この幸せを喜ぶこともなく
    いつどこで幸せになれるか
    この喜びをもとに全力で進めよう
    京都大仙院 尾関宗園
    ...p268

    今を大切に 生きよう。

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