- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062737869
感想・レビュー・書評
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ゆったりした展開の上巻、息を呑むような急展開の下巻。
やっぱりグレッグ・アイルズ面白いです。
今回は人種に関わる政治的なお話も出てきて、スケールも大きい。
お奨めの作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この作品の前に読んだ「運命の日」と時代は違いますが、共通の実在する人物が出てきたのには、ちょっとびっくり。リーガル・サスペンスを期待して読んでいたのですが、法廷シーンにたどり着くまでがとにかく長い。アクションシーンを読むと、さすが、冒険小説も書いているアイルズだなと思います。
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(2003年7月15日初版発行)
【ストーリー】
元検事で現在作家のペン・ケージは愛妻に先立たれ、一人娘のアニーの沈んだ気持ちを引き立てるため、両親のいる故郷、ミシシッピ州ナチェズに数年ぶりに帰郷する。
典型的なアメリカ南部といえるその町は、1960年代に旗手を担っていたデル・ペイトンという黒人男性が自動車ごと爆破された事件が迷宮入りとなり、公民権運動の高まりが分断されたという暗い歴史を抱えている。インタビューでオフレコのつもりで口にした町を非難するペンの発言が裏切られて紙面に。そんな折、デルの未亡人と母親が彼に救いの手を求めてやって来るが・・・・。父親を別件で脅迫する男の問題も抱え、最初は関与しない姿勢を崩さないペンであったが、裏で動く陰謀の中心に彼が恨みを持つ男がいると推測し、本格的に事件を洗い直す決意を固める・・・。
【感想】
最初はだらだら停滞しながら読んでいましたが、1巻の中盤以降から急にはまり出して、そのあとは一気に読み進めました。登場人物と人間関係が魅力的で興味深いです。ハラハラしながら読んで、人間関係の侘しい面も最後の方では見ながら読み終わりました。この作品の前に読んだ『神の狩人 上・下巻』はエロスが前面に出ていたので普段からそういう感じなのかと思いましたが、こちらは硬派で社会的題材を取り上げています。裁判の場面が出てくる作品は結構読んでいて楽しいのですが、この作品はそういう点でも面白かったです☆