神の子(イエス・キリスト)の密室 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
2.63
  • (0)
  • (0)
  • (11)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 36
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737951

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 体制に反発する教えを説いて民衆の熱烈な支持を得て,「神の子」と呼ばれてイエスの死体が,密室状態の洞窟から忽然と消え,救世主(メシア)として復活したという謎を,本格ミステリとして描いた作品。
    「第一部 それ以前」では,イエスについて,エルサレムの人がどのように感じているか,イエスをどのような人物と捉えているかについて,主人公であるエジプト通商隊の一員であるエジプト人が,いろいろな階級の人にインタビューをし,その結果が記されている。最終的には,人の願望や恐怖をありのままに映す,鏡のような存在とイエスを評価することになる。主人公は,イエスがエルサレムを訪れる直前にエルサレムを去る。
    「第二部 それ以降」では,既にイエスは処刑されている。しかし,エルサレムでは,イエスが処刑後,復活されたという噂で持ち切りであり,主人公はその真相を調べるために調査を行う。
    捜査した結果,主人公がたどり着いた真相は,ヘロデ・アディパス領主に仕える家令クーザが,イエスの救出に手を貸したというものだった。そのトリックは,金曜日の夕方以外に,もう一回,深夜前にこっそり開けられるので,そのタイミングで救出したというものだった。ローマ総督のピラトはそのことを知った上で,真実を語ろうとしなかった。それどころか,真実を歴史に記そうとする主人公に,「真実とは,どんな人にも扱えるものではない。復活の真実を知っているというお前は傲慢だ」と言い放つ。
    「第三部 一年後」には,通商隊を離れた主人公がイエスと思われる人物に救われるとことで終わる。

    全体の雰囲気は、歴史をテーマとしたミステリとして悪くはない。比較的読みやすく描かれている。しかし,ミステリとしては非常に弱い。トリックは,密室と思われていた洞窟が,思わぬ時間に空けられていたという心理的なもの。特殊な知識が必要だし,サプライズもない。雰囲気が嫌いではないので,駄作とまでは思わない。★3で。

  • 『もっと歴史に対して責任を負って下さい。歴史に対して、あなたは取り返しのつかないことをしようとしているのです。

    私は、歴史を学ぶ者として、そんなことを食い止めてほしいのです。あなたは、それを食い止めることができる立場にいる方なのですから。』

    歴史ミステリとして読んでいいのかな。
    渋い作品だった。でも、面白かったな。

  • 2013.12.24処分

    以前『ネヌウェンラーの密室』で、なかなか殺人が起きなくて読むのに苦労したのが思い出されて、今回も難解そうなテーマだったので読めず…。
    多分歴史やキリスト教に興味がある人には、より面白い内容なのだと思う。

  • 2007年3月18日初読

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

大阪府生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。1994年、『コミケ殺人事件』でデビュー。『探偵小説の論理学』で第8回本格ミステリ大賞評論研究部門受賞。『英文学の地下水脈』で第63回日本推理作家協会賞評論その他部門受賞。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小森健太朗の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
麻耶 雄嵩
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする
×