青狼記(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738040

作品紹介・あらすじ

冒険小説作家・楡 周平の真骨頂、ここに登場いわれなき罪を着せられ、流罪となった趙浚(ちょうしゅん)だが、師・春申(しゅんしん)のおかけで赦免される時がやってきた。しかしそれも特命を無事果たしてのちのことだ。ふたたび国のために命を賭することを誓う趙浚だが、生きるよすがは友情か、愛か、それとも……? 迫力ある筆致で人間の本性を抉る一代エンターテインメント!(講談社文庫)


いわれなき罪を着せられ、流罪となった趙浚(ちょうしゅん)だが、師・春申(しゅんしん)のおかけで赦免される時がやってきた。しかしそれも特命を無事果たしてのちのことだ。ふたたび国のために命を賭することを誓う趙浚だが、生きるよすがは友情か、愛か、それとも……? 迫力ある筆致で人間の本性を抉る一代エンターテインメント!

感想・レビュー・書評

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  • (上下巻合わせてのレビューです。)

    仮想三国志を思わせるような物語。
    小学生のころ難しい漢字の人名だらけの三国志に挫折して以来、
    中国の歴史小説は敬遠していたけれど、
    そんな自分でもあっという間にのめり込んでしまうお話でした。
    間違いなく楡さんの最高傑作の一つになりそう。

    楽天という5つの国の中では最小・最弱に生まれた主人公が、
    純粋なまでに国(皇帝)のために命を捧げようと奮闘する物語。

    どんな困難・ひどい仕打ちに遭遇しても清く美しい心を忘れず、
    ただ純粋に国のために働く姿はちょっとわざとらしいけれど、
    それでもいやらしくなく思わず「負けるなー!」と応援してしまう。
    こういうアツい小説は大好きです。

  • 今月2冊目。
    ★★★★
    おもしれー、素晴らしき歴史小説。
    欲まみれの帝、家臣は忠誠を誓うがこのバランスが崩れて新しい時代が。

  • まるで中国の歴史小説のようなフィクション小説。歴史小説によくありがちな征服欲、支配欲などが描かれると同時に、最後は勧善懲悪でスッキリ感があって面白い。歴史小説風だけど読みやすいと思う。

  • 昔、読んだ本ですが…。

    今更ながら感動を思い出して本棚にUP
    上下2巻、一気に読みました。

  • 楡周平の中国歴史物。というか歴史物の形をとったフィクションのハードボイルド作品。
    北方謙三の2001年の「楊家将☆5」を彷彿とさせる楡版「楊家将」。「楊家将」を読んで「自分ならこう描く」というような印象。衝撃のデビュー作1998年の「Cの福音」から、最近は「再生巨流」「ラストワンマイル」「プラチナタウン」など企業アイデア本でハードボイルドさが消えてきたが、2003年に中国物でこのような面白い本を描いていたとは。

    民から尊敬を一身に集める父「忠英」と、敵国の師「春申」、いわれなき罪を着せられてもあくまで帝に忠誠を尽くすピュアな「趙浚」。最後の150ページ以上に渡る迫真の戦いと駆け引き、愛と人の生き様に泣けた。
    「忠臣あっての国。国あっての帝。忠には慈悲を以て報いるが帝の務め。それなくして一命を賭して忠に励む臣なし」
    「趙浚」に感情移入出来るかがどうかとというところと、悔しさで泣かせた「楊家将」との差か。しかし、面白い。お勧めの☆4.5

  • 実は「コミックバンチ」に連載していたマンガを読んで初めて知り、あまりの面白さにコミックスを揃えてしまった、という作品。
    ただ私のその評価が世間の標準とは若干異なっていたようで、物語半ばのうちに連載打ち切りになってしまった、というのは余談である。
    それから原作も当然のように読んでみたくなり、探していたものの長らく増刷が止まって絶版状態になっており、このたび数年越しでようやく手にすることができた。

    今改めて楡周平の「青狼記」を読んでみると、マンガと比べていささかシンプルではあるものの、やっぱりメチャクチャ面白い。
    ここまできたら最早バカとしか言いようがないほど純粋過ぎる趙浚だが、二昔ほど前の連続ドラマを思わせる、絵に描いたような波瀾万丈の展開の中にあってはそれすらもふさわしく感じる。
    テーマとしても流れとしても、特に新奇なところはまったくないが、真っ向勝負でズシンと体の深奥に響いてくる、そんな名作だと思う。
    可能性はほとんどないだろうが、続編を書いてほしい気がする。

  • 2007/05/31 Amazonにて購入
    2009/7/14〜7/16

    痛快歴史冒険小説、とでも言えばいいだろうか。帝の理不尽な要求や嫉妬心に対してあくまでも趙浚は義を、忠を、友情を、正義を通す。ずるいやつ、要領の良い奴がはびこるこの時代においてなんとも痛快ではないか。ご都合主義のストーリー大いに結構。読んですかっとする小説。朝倉恭介とは180度異なるどこまでも純なヒーローの物語。万歳!!

  • 〜2006

  • 「感動巨編」らしいのだが、説明が長く、展開が読め、おまけに説得力がないので「そんなキレイごと・・・」と思ってしまった。
    話は面白いのでもっと簡潔だったら良かったのにな。

  • 文庫 £1.00

  • 主人公が這い上がってきます。しかし喜びも束の間、幾度も悲しみが襲ってきます。
    新しい国を親友と恋人と共に作り上げて行けるところでホッとしますが、また見えない先へ行こうとするラストには「ひょっとして続きが出やしないだろうか」とドキドキさせられます。その辺は煮え切らない気持ちで終わりますが(笑)物語としては完結します。綺麗に。
    こんなに綺麗に読み終われる作品はそうそうないのではないかと。不快を感じる点が何一つないので、本当にオススメの一冊です。

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著者プロフィール

1957年生まれ。米国系企業に勤務中の96年、30万部を超えるベストセラーになった『Cの福音』で衝撃のデビューを飾る。翌年から作家業に専念、日本の地方創生の在り方を描き、政財界に多大な影響を及ぼした『プラチナタウン』をはじめ、経済小説、法廷ミステリーなど、綿密な取材に基づく作品で読者を魅了し続ける。著書に『介護退職』『国士』『和僑』『食王』(以上、祥伝社刊)他多数。

「2023年 『日本ゲートウェイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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