文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (994ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738385

感想・レビュー・書評

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  • 「私」と「記録」と「記憶」。

    この小説は卑怯だ。宴の準備が進めば、宴を見たいと思うのは当然じゃないか。ましてや、主要キャラの関口が殺人容疑で検挙されて、非人道的な取り調べを受けているのだ。あんな不安定な男が無事に助かるのかを知らなければ本は閉じられん。そのくせ、関口に関係ない色々なことがあちこちで同時多発的に起こる。「大丈夫か、関口!」と思っていたら、あっという間に上巻を読み終わっていた。恐ろしいことだ。

    山中の歴史から葬られ、消えた村「戸人村」。そこで起きたのではないかとされる大量殺人事件の謎を探るはずが、ある女性を殺害遺棄した容疑で捕まってしまう関口。一方、あちこちで宗教・思想系団体が、それぞれの思惑で動き出す。
    彼らの目的は何か。木場、榎木津、中禅寺、それぞれもまた、全く違う思惑の中で事件に巻き込まれ始める…。

  • とにかく登場人物や団体が多く複雑なので、メモを取りながら読んだ。
    ここ最近このシリーズを続けて再読してるので、まだ記憶が持っているが、そうでないなら少し予習をしたほうがわかりやすいかな、と思う。

  • 4日かかって読了。頭の中を空っぽにして物語を整理しながら読まないと混乱するので、このシリーズを読了するのはどうしても時間がかかるが読了後の満足感はハンパない。今回の話は特にややこしく、まだ続きがあるかと思うと少しゾッとするが展開的には早く読みたい。今回も榎木津がいい味出してるなぁ。

  • 文庫本なのに厚み4㎝^^;
    しかも上巻^^;

    いつものようにずっしりと読みごたえがありました。
    なんとスケールの大きな話でしょう♪♪

    最初は、あれ?ひょっとして短編集なのかしらと思いましたが
    なんとなんと、すべての話がつながっていました。
    それだけでなく、以前に読んだ話もつながっていて
    面白さも半端有りませんヾ(●⌒∇⌒●)ノ

    この手法は、まんま、主人公の京極堂の話し方ですね。
    関係ないもののようでいて
    回りくどい気がするけれど
    色々なことをしっかり説明しているから
    理解がしやすく、あとで腑に落ちる
    (゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。)

    京極夏彦って、いったいどんな脳みそなのか
    開いて覗きたい気持ちでいっぱいですが
    たとえ見れても、私の脳みそでは全くわからないでしょう
    お昼休みに読み終えたので
    すぐにアマゾンでポチッとしなくては
    ( ◎´艸`)

  • 2014/3/15

  • 今回もボリュームたっぷり!
    民俗学とか、妖怪学とか、そんな学問に関わる知識が大量に詰め込まれた小説。相変わらず京極堂氏の知識が素晴らしい。今までのシリーズの事件が総出演している。しかし、ここまでボリューミーだと、脳味噌の処理が追い付かない(笑)なんだか全てが繋がっている模様。京極堂シリーズの凄いところは、最後まで読むとしっかり糸がほどけるように、頭の中で収まるということ。きっと始末を読めば、全てが繋がるだろう。

  • 色んな新興宗教出てきて途中訳わからんくなったけど、読み応え抜群!!
    最後はどうなる!?

  • だいぶ昔に読みました。
    のめりこみ上下巻合わせて2日で読んだ記憶があるので
    内容は覚えてませんが面白かったです。

  • このシリーズの中ではちょっとテンポが悪かったかなー

  • 話が多すぎ。ついていけそうにない。。。

  • いつになく設定というか、登場人物ががチートでした。

  • 「支度」と「始末」が1冊になってる方が良かったなぁ。極端な事を言えば『姑獲鳥の夏』から最後までシリーズ纏めて連作長編集の全1巻にしてほしいぐらいです。どうせ読むならギネス級の文庫本が読みたいし。分冊の次は全1巻を御願い致します。何ページ読んでも、たったの1冊って何かオモロイし。 『支度』の感想:京極堂の蘊蓄は以前から気になってた事やったから1番読み易かったし有り難かった。 「戊辰」も「壬申」も人名か地名やと思ってた。

  • 一回目に読んだ時には気づかない伏線がなんとなくわかった。
    ってか、どっかに掲載したのと書き下ろしが混じってるのか?

  • 終了日:2013・1・3、毎年恒例年越し京極作品。
    短編を集めた感じ(でも話は共通の終焉に向かっている)、というちょっと違う気もするけど、なんだかんだで慣れ親しんだ京極ワールドでもある。
    ただ、今回は特に過去の作品をreferenceしまくってるから、細かいとこほとんど覚えてない身としてはちょいちょいWTFであった。
    (去年の絡新婦ですらよく覚えてないのに!!!泣)
    木場さんはなんだかんだでいい男。

    結論:完結編である次巻を読む今年の大晦日には、この巻の内容95%忘れてるね。

  • 題名通り、宴の「支度」の話。どの話も、つながっていると思うのにそのつながりの根っこの部分が明確にならないから、気味が悪い。読み心地もよくはない。次々と視点が変わるため、飲み込んでゆくのも大変。そして、出てくる妖怪も多い。そのぶん、妖怪についての話が理解しにくかった、うん。
    うさんくさい宗教団体がたくさん出てくる。それだからなのか、登場人物ほとんどにうさんくささを感じてしまう。だからなかなか進まなかったのかなあ。個人的には、あっちゃんがこんなことを考えていたのだと知ることができてよかった。意外と、冷めてるんだね。やっぱり京極堂に似てる。

    (994P)

  • 感想は「宴の始末」にて。

  • 今作は新興宗教や洗脳を表題に“絡新婦”までの主要人物が再び登場。
    壊れる関口、襲われる敦子、暴走する木場…。彼等は黒幕が仕掛けた国盗り合戦の駒に仕立てられていく…。そう考えると今迄の事件その物が全て布石だったと想像すると眩暈がしちゃいます。
    そしてまた榎さんが格好いい!!!惚れます!!!
    何てったって上下巻ですから京極堂はまだ動かない。
    張られまくった伏線をどう始末してくれるのか…。「いざ韮山」 宴は続く。

  • うわ~~。すっごい久しぶりに京極さん本、読んだ~~。
    何年ぶりだ?
    突然、京極堂シリーズが無償に読みたくなって、読み始めた。
    こんだけ分厚い本なので、一気読みできるかちょっと自信なかったけど、やっぱり面白い内容なので飽きることなく読めました。

    宗教じゃないけど、後睡眠でマインドコントロールする話。
    それに、ある村の村民全員が消えるという謎が絡んで、すごい内容になってます。

    小さいころから親に「変な宗教にだけは入りなさんなよ」と言われてたので、結構、人から騙されたりしないように気をつけてきました。
    っていうか、私は自分の意志が強い方なので、絶対誰かに騙されたりマインドコントロールされたりすることはないと自信もってますが、でも、いつどこで誰かに、自分の知らないうちに催眠術をかけられたら終わりだな~。
    こわいこわい。

    それにしても、今回もいろんな妖怪が出てきましたね~。
    日本の妖怪って、西洋と比べて奥が深く、そして種類が豊富。
    それに伴うそれぞれの話もとても趣きがあって読んでて楽しいです。

    さぁ、次の「宴の始末」はどう展開していくのか楽しみだわ~。

  • 久々に京極さんの厚みのある本を読んだー。でもまだ何も終わってないので続きが気になります!
    今回は、妖怪のモチーフも登場人物も多く、過去のシリーズから再登場の人達も沢山。今回の妖怪うんちくは結構楽しく読めました。
    まだまだほんとに宴の支度という感じで、それぞれの登場人物の話がこれからどういう風につながっていくのかわくわくします。
    関口君大丈夫かな。
    長いけど、続き読まなきゃ…。

  • ”塗仏の宴 宴の支度・宴の始末”京極夏彦著 講談社文庫(注意:2003/08・09発売)
    (”宴の支度””宴の始末”の二部作。
    1998/03・09発売 講談社ノベルスの文庫版。2006/04・05発売の全六冊の分冊版もあり。)

    ・・・”百鬼夜行シリーズ”第六弾、現時点での最大長編。洗脳と家族のあり方の物語。
    ”宴の支度”・・・大量殺人があったという村の噂や怪しげな複数の新興宗教が絡む連作。
    ”宴の始末”・・・焦点の村に続々と集う、関係者たち。不老不死の謎とも旧軍の秘密基地があるとも言われる村には、何が隠されているのか。

    ・・・ざっくり書いてしまうと上のようなあらすじになります。途中、複数のレギュラーメンバーが行方不明になったり、拘束されたり話の盛り上げとしては十分。
    (ちょっと洗脳が万能すぎるかな、という気もしましたが。(笑))
    前作までの登場人物も要所要所で登場、黒幕の仕掛けも大掛かりなまさに”宴”
    ラストの種明かしも衝撃的でした。

    ・・・改めて見ると思ったよりも殺人が少なく話もシンプル。
    (複雑に思える話ですがちょくちょくまとめてる部分があるためかと。)
    シリーズのファンの方には分量に二の足を踏まずに読んでいただきたいですね。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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