文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.59
  • (323)
  • (543)
  • (1068)
  • (36)
  • (0)
本棚登録 : 4239
レビュー : 292
  • Amazon.co.jp ・本 (994ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738385

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 満を持してという感じで百鬼夜行シリーズ最長の作品にチャレンジ。話自体が上下に分かれている上に、一冊の長さはこれまでのシリーズとほぼ同じということで、めちゃくちゃ長い・・・。とりあえず前半である、宴の支度はなんとか読了。

    これまでの百鬼夜行シリーズの総決算という感じで、これまでの作品に出て来たキャラクターが登場してくるのが本作。数年間どころか、最初の作品からは10年以上たっているわけで、Wikipediaがないと登場人物に関する知識が全くないのと同じ状態になってしまっている。全作品を読んでいるはずなのに、これはかなり悲しい。


    また、これといった事件は起きずに「不可解な事」が積み重なっていくだけなのに、やたらと登場人物が増えてくるのも、途切れ途切れに読まざるを得ない人間には辛いものがある。
    この壮大にとっちらかった話が、宴の始末でどのように収束していくのか、楽しみだ。

  • 長い。ひたすらに長いのだが、これが宴の「支度」なのだから驚き。
    「ぬっぺっぽう」「うわん」「ひょうすべ」「わいら」「しょうけら」「おとろし」と、マイナーで名前を聞いても分からない妖怪を主題にした短編集のような感じ。
    それぞれ微妙な繋がりは見て取れるのだが、次巻でどう始末をつけるのか、そもそもどう繋がるのかすらも予想できない。
    「始末」はこの本と同程度どころか、少し多いほどのボリューム。さてどうなるのか。

    そういえば、上にあげた妖怪の中で「ひょうすべ」だけはなぜか聞いたことがあった。
    「ああ、河童のことだっけ」とすぐに連想したのだけれど、どこで聞いたのかを思い出そうとしても靄がかかって思い出せない。
    中途半端に知っているというのも気持ち悪いものだ。どこで聞いたんだろうなあ……。

  • 中伊豆にあった村が、村ごとなくなっちゃう。
    帝国軍とか、その後のGHQとかも絡んでるっぽいし、中心にある佐伯家に何か秘密があったみたいなんだけど…。

    ……って、感じでいろんな宗教団体とか不老不死の妙薬を探しに中国から日本へやって来た徐福さんを研究する会とかが絡んできました。

    らじも熊野に行ったときに立ち寄った新宮で徐福さん伝説がある場所をちょこちょこ歩いたことがあるから、なんとなく親近感♪

    ただ、いろんな人が殺されちゃうのはねぇ…。
    今回関口さんは容疑者として早々に警察屋さんに持って行かれちゃったから、それほど出てきませんでした。

    人を心理的に操るとか、本当にどんな感じなんだろ。
    自分で自分に呪をかけるってのは、らじも知らず知らずにやっちゃってることなんだけど…。

  • ★4.0
    再読。タイトルの通り、宴のための支度を着々と進める、全6話からなる短編集。関口、朱美、敦子、木場、織作茜、それぞれが記録と記憶、自分自身に翻弄される。中でも、短編の間に綴られる、元から鬱病を抱える関口の現状が痛々しい。そして、彼女の死があまりにも勿体無い!正直なところ、「こんなにも簡単に後催眠にかかるものなのか」と思ったりもするけれど、自身が取った行動の理由が分からず、何かが欠けているという感覚は、恐怖以外の何物でもない。いつものメンバーと彼らが関わった人たちがどうなるのか、宴の始末を見届ける。

  • ついに2冊に分かれて来ましたね〜
    宴の支度はまだ全体像がちらりと見えたところ。最後は本当にやきもきさせる終わり方!
    あと塗仏には以前登場した人たちも何人か登場しますが、このシリーズに出てくる女性は強くて美しい人(見た目だけでなく)が多いように思います、敦っちゃんを筆頭に憧れます。

  • 京極夏彦の百鬼夜行シリーズ第6,7弾は、「宴の支度」と「宴の始末」の全2巻で構成。総計2000頁を超える分厚さはシリーズ屈指です。

    そんな分厚さに比例するように、本作はとにかく登場人物が多いですね。特に、これまでの作品に登場した人物がちょこちょこ現れてきますが、年に1冊のペースで本シリーズを読む身からすると、「あれ?この人誰だっけ?」となるシーンが多かったです…まあ、過去のエピソードが直接本作の核心に絡む出来事はないので、あまり気にしなくてもよいところですが。
    登場人物の多さに加えて、場面の多さ、展開の切り替えの多さも目に付くところ。そのため、途中から、どの人物がどの場面に出ていたのか失念してしまうことも(笑)

    そんな混乱のなかで読み進めた本作。京極堂と榎木津が登場するシーンで安心してしまうのは、掴み難い物語のなかで、この二人ならば、確かなことを教えてくれると期待するからでしょう。しかし、榎木津は毎度おいしいキャラですねぇ。このシリーズで一番好きなキャラクターかも。本作では終盤、彼は京極堂の腰をあげさせる役目を担うわけですが、あのシーンの高揚感は素晴らしいものがあるかと。そして、そこからラストまで一気に突っ走る疾走感もこれまでの作品と同様、眼を見張るものがあるのです。

    ただ、本作で少し残念というか、拍子抜けだったのが、明かされた事実がなんともしょうもないことだったこと。手の込んだ大掛かりな仕掛けを黒幕は施していますが、なんというか、ただの暇人か!と突っ込みたくなるような気持ちに…(もちろん恐ろしい内容ではあるのですが)。さらに、黒幕はそのまま姿をくらませる始末。続巻以降で解決されるのかな?

    妖怪は上澄みであることの説明を踏まえると、結局、本作で登場する宗教家や占い師、気功師などは、すべて同じ根を持つ、名前を異とする妖怪であったわけで、そんな妖怪のひとつとされる塗仏が、紐解いてみても結局よく解らず、肩透かしを喰らう妖怪であるように、本作も謎を解き明かしたところで、拍子抜けしてしまう類いの作品なのかもしれません。

  • 宴という壮大なゲーム、嫌がらせのはじまり。

    それぞれで一作品書けそうな事件が、どこかでつながりながら同時多発する。

    乙女の占いとか、知らないうちに勝手に自殺しちゃうとか、不思議な団体もたくさん出てきて、これまでの事件とは違い、全体が掴みづらい。

    それに加え、これまでの物語に出てきた人物も関係しており、何か因果を考えずにはいられない。絡新婦ですら、パズルのピースになってしまった。

    それにしても、関口が可哀そう。。

  • 当時購入したノベルス版を一頁も読むことなく手放して早十数年。百鬼夜行シリーズ唯一の未読作品であり、その前半部たる『宴の支度』を漸く読み終えたところだ。所謂連作短編(文量的には連作中編と呼ぶべきか)の体裁を成している本作において個々の作品を論じることはさほど意味が無い気もするが、どれか一編を選ぶなら京極作品にしては珍しい叙述テイストの「ひょうすべ」だろうか。6つの中編は短い〈4〉を含む最終話を除いて凡て3節に分かれ、韻を踏むかの如く冒頭と末尾が反復を繰り返す。終わらぬ悪夢。関口の悲劇を京極堂は如何に祓う?

  • 読んでる最中、なんで読めちゃうんだろうと思いながら読んでる。見ているほうが見られてる、どんでん返しが1度とはかぎらない。って面白いなぁ。

  • 前作で友情出演程度だった関口がいきなりご登場と思いきや、大変な事態に陥ってしまった。でもって、前作で唯一の生き残りである織作茜が続けてご登場と思いきや、これまた輪を掛けて大変なことに。まさか冒頭に回帰して、あの女性が・・・。副題からして続きものとは思ってはいたが、千ページ近くを費やしてほんの序章ではないか。京極堂、敦子、榎木津、木場、彼らがそれぞれに関わっている事象がどう結び付いていくのか。平時でさえ危うい関口の精神は崩壊してしまったが、果たして仲間たちに救われ、再起なるのか。始末を読まねば。

著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (講談社文庫)のその他の作品

京極夏彦の作品

ツイートする