文庫版 塗仏の宴 宴の始末 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (1088ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738590

作品紹介・あらすじ

後の始末をお願いします――。京極堂、覚悟を決める。

「愉しかったでしょう。こんなに長い間、楽しませてあげたんですからねえ」。その男はそう言った。蓮台寺温泉裸女殺害犯の嫌疑で逮捕された関口巽と、伊豆韮山の山深く分け入らんとする宗教集団。接点は果たしてあるのか? ようやく乗り出した京極堂が、怒りと哀しみをもって開示する「宴(ゲーム)」の驚愕の真相。

感想・レビュー・書評

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  • 確かに読み出すと止まらない。
    それにしても、“支度”から時間をあきすぎまじたあ。とっておいたメモも役にたちません。
    読みながら思い出すも 韓流気道会をはじめとする怪しげな組織の皆さんと 早々に伊豆の韮山に入ると思っていたのに なかなか動かない。
    京極堂の仲間達が、次々と巻き込まれて、最後は中禅寺その人まで。
    あの組織をどう始末するんだろうと思っていたら、見事な解決。
    ところで、関口君は、どうなったのだろう。

    • 土瓶さん
      百鬼夜行シリーズ「オールスター、秋の大運動会」

      時間を空けてしまったのはもったいないですね。
      いっそのこと最初っから読み直しましょう...
      百鬼夜行シリーズ「オールスター、秋の大運動会」

      時間を空けてしまったのはもったいないですね。
      いっそのこと最初っから読み直しましょう。
      え? 支度? 何を言ってるんです。
      最初と言えば「姑獲鳥の夏」からに決まってるじゃないですか。
      いいなぁ。また最初から読めて。

      bmakiさんも”最初”っからでいいんですよ。
      (*´▽`*)
      2024/01/30
    • bmakiさん
      土瓶さん、、、
      最初っからとは、、、

      読みたいけども。

      毎日が夏休みになったら最初っから読みます!お約束しましょう(笑)
      土瓶さん、、、
      最初っからとは、、、

      読みたいけども。

      毎日が夏休みになったら最初っから読みます!お約束しましょう(笑)
      2024/02/03
    • おびのりさん
      私は、今や暇人ですが、分冊文庫で揃いましたら、最初から読みましょう。
      私は、今や暇人ですが、分冊文庫で揃いましたら、最初から読みましょう。
      2024/02/03
  • 始末も納得の一冊。

    長かった。と共に一抹の寂しさを感じるのも確か。
    つまりほんとうに長旅を終えた時の、日常にまた戻る寂しさにそっくりだ。

    どんどん散らかされた荷物という登場人物。

    これほどまでにメンバーが集結したことあったかしら。

    これほどまでに京極堂が腰を上げるまで長く感じたことはあったかしら。

    どう始末をつけるのか。
    カードは八枚、いよいよ始まる憑き物落としというジョーカーゲーム。

    記憶とは家族とは…京極堂なりの定義、宴の始末にも納得。
    榎木津さんの大事な場面での頼もしさも素敵。

    シリーズ一番の長旅、でも一番好き。

  • おいおいおいおいおい!!!!面白すぎるやん!!前作超えてきてるやん!!まさに百鬼夜行シリーズの総決算とも言えるような名作やわ!!今までの主要人物オールスター出演!!伏線回収しまくりの京極堂さん自身の事件の結末は?!

    宴の支度を読んだ時点ではこんな感じに物語が広がってこんな感じで宴を始末するとは予想もしてなかった!!さすが百鬼夜行シリーズは長編やのに最後まで飽きさせずに読ませるねぇ〜

    なんやかんやで最後まで夢中になって読める 
    ★★★★★
    京極堂さん榎木津さん木場さんの3人はやっぱ最高
    ★★★★★

  • 読間ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    長いね。下巻の5分の2くらいまで進んだが、未だ物語の全貌は見えてこない。京極堂と多々良くんの妖怪談義がやっと終わったろころで、随分と時間軸が操作されて描かれていたのだということは分かったが。

    妹が攫われた・・との知らせを受けてようやく話が転がり始めたかと思いきや、またぞろ上野に場面が転じて新たなキャラが出てくる・・・

    さて、先はまだ長いが結末が気になりすぎる。


    残り数mm(厚みで)ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    村の謎は明かされた
    薬売りは退場した
    子生意気な子供もその役を終えた

    そして、堂島・・・黒幕?最強の敵?

    残り数十頁でここからどう決着をつけるのか、落とし所が全く読めない。

    ※今回の「お弁当箱」はいつにも増して読み進めるのに時間がかかったが・・解決編に入ったら途端に目が離せなくなった。今夜くらいには読了できるかしら

    20220512メモ

    【読了】
    読了

    結局、上記時点からはほんの十数頁で終わってたという(苦笑)

    そして、堂島の正体は未だよくわからず。
    京極堂も、なんだか負けたに近い引き分け・・・という雰囲気で煮え切らない結末。

    自分の読解力が足りないだけなのか?
    他の読者もそうなのか?

    なんだか壮大な物語の幕が開いたばかり、というようにも感じる。


    一つだけ言えるのは、続編もきっと読むということ。

    ★4つ、7ポイント半。
    2022.05.12.古。

    • バス好きな読書虫さん
      塗仏はシリーズの中でも、とにかく長くて、本題が掴みにくいです。
      頑張って下さい!
      塗仏はシリーズの中でも、とにかく長くて、本題が掴みにくいです。
      頑張って下さい!
      2022/04/02
  • 怪しいやつらのオールスター感謝祭だった。まさに宴の様相。京極堂が腰を上げるまで、騙し騙されで心の内がカサついてひりついて落ち着かなかった……。
    とにかく登場人物が多く、佐伯家の方々の本名と偽名を一致させるのにちょっと苦労はしたが、一人ひとり際立ったキャラクター性を持っているってのはどういうことなんだ?異常すぎる……。『魍魎の匣』に続き、中禅寺の過去に絡んだ因縁というのもゾクゾクした。そういうものが絡むと、とたんに個としての横顔が覗く。中禅寺の立ち位置も絶妙なライン上で面白いよな、と改めて感じさせられる一冊だった。堂島大佐と中禅寺の当時の関わり合い方も気になるなあ……。
    個人的には、榎木津と木場が言い合っている場面が好き。あの独特な信頼関係と罵詈雑言の応酬は本っ当に気持ちが良いんだよなあ。

  • 宴の支度でとっ散らかりまくった謎が賑やかに膨れ上がり派手な宴となったのに、最後にはびっくりするくらいの始末を見せつけられました。

    えっまさかそんな...

    極メンの他にも懐かしいあの人やその人が勢揃いして本当に楽しかったです。
    そして榎さんかっこよすぎでした。

    成仙道の信者がかき鳴らす見たこともない楽器達の不快な音楽が頭の中で鳴り響いたのだけが読んでいて辛かったです。

  • 凄すぎ。終盤の収束する感じがたまらないです。
    京極堂の仲間がピンチになってハラハラしました。関口くんが最後まで蚊帳の外でちょっと面白いです。
    女性キャラがみんないい感じですね。朱美や潤子や布由など今後も出てほしい。
    いろいろ事件がおきてましたが、村上刑事の家族がまた会えてホッとしました。救われました。

  • 「宴の支度」で描かれた六つの出来事。それぞれは緩やかにつながり、そして一人の男にたどり着く。
    宴の始末をつけるのは一体なんなのか。そして塗仏とは……?
    濃厚な時間。重ねられる妖怪談義。過去作オールスター出演の豪華版!(たぶんちがう)→

    濃いよー。とにかく濃い。今回も主要キャラはみんなしっかり存在感あるし(青木刑事が意外とカッコよかった!!鳥口くんもがんばる〜!)主役は彼なんでほんとに濃厚。
    クライマックスの感じはマジで痺れる。もちろんわれらが榎木津もカッコ良いですよ。
    ネタバレ怖くてあんまり話せませんが最高です→

    京極先生へのインタビューで読んだんだけど、百鬼夜行シリーズは毎回最終巻のつもりで出しているらしい(解釈が違ったらごめんなさい)
    わかる。どのお話もきちんとエンディングがあるし、話が閉じてる。
    大きな謎はあるけれど、それはもう生きていく上で普遍的なもの、的な感覚?
    とにかく楽しかった

  • さながらそれは、モリアーティ教授のように、彼は《ゲーム》を心から愉しんでいる。

    塗仏、宴の始末。前巻宴の支度では逮捕された関口の被害者が明るみに出され、終わってしまった。
    そして始末をするべく焦点があたったのは、村上貫一と名乗る下田署の刑事。飛躍した物語は、彼の家庭環境の苦悩から始まる。
    隠された秘密、隠された村、隠された方法、隠された目的とまあ、混乱させるような事象が立て続けに起こった前巻につづいて、宴の始末ではさらにそれらがてんわやんわに絡まっていく。
    それでこそ、さなかの祭りのように。
    ワッショイワッショイと騒いでみんな浮足立っている。まさにその真っ只中から、収束までを描いた「始末」でした。

    ほとほと感心してしまうのが、常人を遥かに超えた記憶量だ。追いつかない。というか、辛うじておぼろげ程度にしか記憶にとどめられない私のキャパシティゆえだが、これは、シリーズ一巻にあたる「うぶめ」から「じょろうぐも」まで登場人物を、せめて主要人物だけでも網羅していないと少しわかりにくい。というか、わからない自分が口惜しい。

    さんざん広がった大風呂敷の中心には、中禅寺がひっそり立っていた。
    そもそもこのシリーズこそ、関口君が頑張ってはくれているがいつも始末をつけ終わりを作るのは中禅寺だ。
    京極堂が、堂島に背中をつつかれて矢面に立たされて、「私が主人公だッ!」と言わされているような巻、とも言えるかもしれない。

    それゆえなのか、関口君の影の薄さよ。本当に彼は傍観者であり、巻き込まれる側で、中心にはなれない人なのだというということがわかって、不幸でならない。
    波の中心が起こした大きな揺れよりも、とても弱くて儚い水面のそよぎに負けてしまっている彼は、無事なのか、いや、無事なんだろう。だって榎木津探偵も京極堂も、始めっから壊れているものが壊れようがないだなんて、なんて頼もしいことを言ってくれていたのだから。



    ひとつの家族を中心に多くの人を巻き込んで散々に壊して散り散りにして行われたあるひとつの《遊戯》。それを見てある男はほくそ笑む。
    射竦めるような眼、小豆色の羽織を被ったこの人は、観客で終わらせるつもりだったが主役となる全ての覚悟を決めた中禅寺と対峙する。

    種明かしの部分はあまりにもあっけなくて、これまでの長さと比べたらとてつもなくあっさりとして味気のないようにすら感じた。催眠も、言霊も、これまで散々練りに練って説明してくれたものは、たった一度シーンとして表出されてしまえば、あまりに歴然とした事実として横たえられて、それだけで理解できてしまう。

    全ては嘘だったのだと。
    幻だと。
    夢だったのだと。

    その簡潔さは、まるで記憶の上を揺らぐ船のような意識を、「不思議だ」と言い切って認めてしまったことのよう。日常の中で当たり前に安置されていると勘違いしている家族のよう。

    あまりに滑稽で単純明快な事柄にしてしまう。

    けれどその結末だけではなく、それまでの盛り上がりこそが祭りなのだ。
    夏祭りなんかも、全ての花火が打ち上がった後ほど味気なくそそくさと、これまでのことは全て嘘だと言いたげなよそよそしさはないだろう。
    あれほど多くの人が声をあげて喜んだものも、言ってしまえば物が燃えているだけなのだ。
    毎日見ている火や光となんら変わらないのだ。
    けれど、それに気付く前の高揚感、騒がしさ。その全てが、同じ根っこが枝分かれして毛先が一緒になった塗仏が作り出した「宴」に他ならない。
     

  • お、終わった……本当に私もあの宴に参加していたかのような疲れがある、何だろうこの倦怠感と少しの寂しさ。
    読んでいる時はページを捲っても捲っても全く終わる気配がなかったのにこんなしんみり終わっちゃうんだなぁと。

    前巻、宴の支度で別々に語られていた話。
    それはこの巻から登場した人物達も巻き込み加速して、やがてひとつに繋がっていく。
    あまりにも京極堂が動かないしみんなバラバラな行動をしているしいつもと違ってアクションなんかもあるし、「これ大丈夫?こんな残りページで京極堂はちゃんと語れるの?消化不良とかならない?」と心配していたのですがそこは京極堂、きちんと語ってくれましたね。
    いつもより若干短かった気もするけどまぁ登場人物多かったしね。
    個人的に内藤くん出てきた時に「えぇそこ!?そこなの!?」と驚いてしまった、まさかのあれが伏線になるなんて……!

    しかし真犯人が分かって全てがひとつに繋がったのに微妙に心にしこりが残るのは堂島さんと藍童子のせいでしょうか……特に堂島さんはもうテンプレのような堂々たる悪役だったしなぁ。

    今後は手出し無用、ってことは恐らく他にも何かしているんだろうし(ていうかするんだろうし)いずれまた京極堂とぶつかることもある……のだろうか。
    流石にこの人はここまでです!みたいなことにはならないだろうから(現に今回は「そこから来るんですか!?」って人もいたし)、いつかまた相まみえるのでしょうね。
    というか堂島さんのあのキャラ嫌いじゃないのでまた是非出てきて欲しいです。

    あと私の読み込みが足りない可能性もあるのですが……明石先生って詳細どこかの巻ででてましたっけ?
    堂島さんも知ってるってそれもう多分かなりの大物ですよね?
    読んだけど忘れてるのかな……。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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