文庫版 塗仏の宴 宴の始末 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.63
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本棚登録 : 4021
レビュー : 285
  • Amazon.co.jp ・本 (1088ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738590

作品紹介・あらすじ

後の始末をお願いします――。京極堂、覚悟を決める。

「愉しかったでしょう。こんなに長い間、楽しませてあげたんですからねえ」。その男はそう言った。蓮台寺温泉裸女殺害犯の嫌疑で逮捕された関口巽と、伊豆韮山の山深く分け入らんとする宗教集団。接点は果たしてあるのか? ようやく乗り出した京極堂が、怒りと哀しみをもって開示する「宴(ゲーム)」の驚愕の真相。

感想・レビュー・書評

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  • はああ、楽しかった。
    二周目でやっと全体像がぼんやり掴めた気がする。厚みに圧倒されて尻込みしてたけど、やっぱり読み始めるとするするいく。時間かかるわりに飽きなくて、どうなるのかな?と思ってるうちに支度が終わり、始末も終わる。

    後半の盛り上がりがやはりすごい。真っ暗な韮山山中を一心不乱に登っていく異形の集団。まさに百鬼夜行。それだけでどきどきする。

    一周目もそうだったけど、尾国さんがどうにも悲しくて……仕事で出会った人に情が湧いて匿って、あまつさえ復讐の真似事までして、本当に寂しかったんだろうなと思う。華仙姑を勝たせるためにそりゃあ悪いことしてるしね、可哀想と擁護しすぎるのもいけないんだろうけれど。

    ところで兵吉君はどうなったの?とか加藤さんちは大丈夫?とか山を降りることになった村上一族は?とかその後が気になる点もちらほら。陰摩羅鬼とかで触れられてたっけか?そっちも読んでみようかな…

  • 京極さんの最高傑作は「魍魎の匣」だと思っているが、一番調子に乗っていたのは、この本が出たころじゃないのかなという気がする。
    何しろ次はもっと、もっと、と期待させるシリーズだし、作者もそれに応えるべく、内容も本の分厚さも際限なく膨らんでいった。
    大風呂敷もここまで広げたか、と感嘆するしかない。
    さすがに広げすぎて、たたみ切るのに苦労したか。
    ミステリー的要素がやや弱く感じるから始末のつけ方に不満も残る。
    それでも面白い。
    これだけのストーリーテラー、文章の使い手はちょっと他にはいないなあ。
    センテンスが突き刺さる。
    中禅寺の奥さんが、すっくと立ち、「猫も連れて行きます」
    こういうところがたまらん。

  • 長すぎて手に取れなかった大好きなシリーズ。
    電子書籍でようやっと。
    長すぎるから読むのも時間かかるかと思いきや、
    久々の京極ワールドにどっぷりはまってしまい、
    一気読み。


    どうやって韮山に収束するのか
    不安になった宴の支度。
    見事に1箇所に集まってきた宴の始末。

    とりあえずわたしの大好きな木場さんが
    生きてて泣きそうになった。
    ほんとうによかった、、、、
    関口さんをもっとちゃんと救ってあげてほしかったけど笑
    京極堂の心の中が少しわかった気がした

  • 京極堂がこれまで解決してきた事件の関係者や佐伯家、村上家、旧日本陸軍と人物相関図がごちゃごちゃしている。
    旧日本陸軍の堂島大佐と今は亡き山辺が本事件の発端。
    恒例の京極堂の憑き物落としが、尾国を落とす所までは威厳がありいつも通り「落ちた」感触があった。
    ただ、堂島が出てきてから空気が変わったように感じた。
    堂島の行いに理解はできないし人として間違ってると思ったが、京極堂の言葉をもってしても堂島を否定しきれず改心させることができなかった。
    今後の堂島と京極堂の対決が楽しみ。

    本編の事件(?)については、催眠術が事件関係者に的確に効いているためか、構図は壮大だが謎解き感はしなかった。読んでいくなかで明かされる事実を受けて、「なるほど」と感じた。

  • 宴の支度に続いて、宴の始末。
    どういう始末になるのかな…と思ったら、まぁそもそも支度がごちゃごちゃしていたから、始末もごちゃごちゃしていました。

    たくさんの人が出てきて支度をしたら、支度をした人たちがそのまま宴の参加者で、始末は京極堂さんがネタばらしって感じで興を冷ます感じだったよ。

    登場人物たちが実はみんな消えた村の血縁者で記憶を操作されていましたってのは「ほぅ…」って思ったけど、どういう過程やテクニックで記憶を操作されていたのかは「そういうものだから」って感じるしかないのかなぁ?

    そもそも塗仏とはなんぞや?
    ……ってのと同じ?!

    最後の最後に塗仏にはナマズのような(うなぎだったかも?)尾っぽがあるような記述があったんだけど、それってタヌキとかムジナが化けてるような感じ?
    ※刑法におけるタヌキ・むじな事件には触れません。

    結局は考えれば考えるほどわからなくなるけれど、案外複雑怪奇に見えたものの本体はシンプルなものなのかもしれないね。

    まぁ、らじはタヌキさんは見たことがあるけれど、ムジナさんは見たことないけどね。
    イモリさんとヤモリさんの違いみたいな感じなのかねぇ?

  • 再読。

    記憶にあるエピソードと微妙に違ってた。脳内捏造をしていた模様。

    逮捕されたかとか関係なく、関口さんに寄り添うことを決めている雪絵さんがステキすぎる。

  • この人、どの作品の誰だっけ?というのも含む、主要な人物まで誰だっけ?となりそうなほど登場人物が多かった。

    今回は京極堂の事件と誰かが表していたが、まさにそんな内容だった。
    ゲームの謎解きはオマケのようなもので、それよりも、時折覗く中善寺の内面と、昔からの付き合いの友人達との関係の深さが際立つ話だった。
    それ故に、憑き物落としの方は前作以前と比べると地味なので、あっと驚くような最後を期待して読むと、ボリュームも相まって残念な気分になるかもしれない。
    私は面白く読めた方だが。

  • ★3.5
    再読。前編「宴の支度」で広げた大風呂敷を、言葉と暴力で畳んでいく後編「宴の始末」。関口を除くお馴染みのメンバーに加え、過去作のキーとなる人物、怪し気な複数の民間団体等々、とにかく登場人物が多い、多すぎる!それでも、個々の役割を見誤らせないのは、やっぱり京極夏彦の筆力の成せる技かと。最終的に、悪趣味な宴は終わったようで終わっていなく、過去作に比べるとすっきりしない感は強め。が、お気に入りな榎木津の暴走が楽しく、終盤の木場との一幕(=こんにちは喧嘩)が本当に楽しかった(笑)。そして、朱美さんが素敵!

  • メモリの少ない私の頭にはたくさんの登場人物がごちゃこちゃになってしまった。
    と言っても面白さは変わらない。
    今後堂島の出てくるお話は発表されるのかな?

  • 京極先生は実はここで止まってしまってるのだけど、基本的にはシンプルなエンタメだと思ってます。ボリュームが多いので覚悟しなければなかなか読めないけれどそろそろ再開したい。
    レビューでこれをチョイスしたのはここの榎木津と京極堂のやり取りが大好きなので。察してくれる友人っていいですよね。

  •  やっと読み終わった…。今回は中々に曲者だった。今までの事件を振り返るようにオールスター感謝祭と言わんばかりに人が出てくるし、新しく出てくる人も本当に多かった。脳味噌が飽和状態になりそうだった。京極堂、今回はやりずらそうだったなー。因縁対決、的な感じで。
     京極堂シリーズを読むと、もう一回大学行けるなら、民俗学もやってみたいな、とか、妖怪学も良いかもしれない、と思ったりする。つくづく、お金にならないことが好きなのだと思う。

     榎木津礼次郎が激しく好きなんだけれど、何だかんだで、榎さん、良いとこあるな。そんなことを言ったら、何を言ってるんだ君は!とか言われそうだけど。探偵の裁量は絶対らしいので(笑)

     弁当箱並の本を持ち歩くってのもしんどいな。しかし、京極堂シリーズなら、そう簡単に読み終わっちゃう心配がないのである。

  • さながらそれは、モリアーティ教授のように、彼は《ゲーム》を心から愉しんでいる。

    塗仏、宴の始末。前巻宴の支度では逮捕された関口の被害者が明るみに出され、終わってしまった。
    そして始末をするべく焦点があたったのは、村上貫一と名乗る下田署の刑事。飛躍した物語は、彼の家庭環境の苦悩から始まる。
    隠された秘密、隠された村、隠された方法、隠された目的とまあ、混乱させるような事象が立て続けに起こった前巻につづいて、宴の始末ではさらにそれらがてんわやんわに絡まっていく。
    それでこそ、さなかの祭りのように。
    ワッショイワッショイと騒いでみんな浮足立っている。まさにその真っ只中から、収束までを描いた「始末」でした。

    ほとほと感心してしまうのが、常人を遥かに超えた記憶量だ。追いつかない。というか、辛うじておぼろげ程度にしか記憶にとどめられない私のキャパシティゆえだが、これは、シリーズ一巻にあたる「うぶめ」から「じょろうぐも」まで登場人物を、せめて主要人物だけでも網羅していないと少しわかりにくい。というか、わからない自分が口惜しい。

    さんざん広がった大風呂敷の中心には、中禅寺がひっそり立っていた。
    そもそもこのシリーズこそ、関口君が頑張ってはくれているがいつも始末をつけ終わりを作るのは中禅寺だ。
    京極堂が、堂島に背中をつつかれて矢面に立たされて、「私が主人公だッ!」と言わされているような巻、とも言えるかもしれない。

    それゆえなのか、関口君の影の薄さよ。本当に彼は傍観者であり、巻き込まれる側で、中心にはなれない人なのだというということがわかって、不幸でならない。
    波の中心が起こした大きな揺れよりも、とても弱くて儚い水面のそよぎに負けてしまっている彼は、無事なのか、いや、無事なんだろう。だって榎木津探偵も京極堂も、始めっから壊れているものが壊れようがないだなんて、なんて頼もしいことを言ってくれていたのだから。



    ひとつの家族を中心に多くの人を巻き込んで散々に壊して散り散りにして行われたあるひとつの《遊戯》。それを見てある男はほくそ笑む。
    射竦めるような眼、小豆色の羽織を被ったこの人は、観客で終わらせるつもりだったが主役となる全ての覚悟を決めた中禅寺と対峙する。

    種明かしの部分はあまりにもあっけなくて、これまでの長さと比べたらとてつもなくあっさりとして味気のないようにすら感じた。催眠も、言霊も、これまで散々練りに練って説明してくれたものは、たった一度シーンとして表出されてしまえば、あまりに歴然とした事実として横たえられて、それだけで理解できてしまう。

    全ては嘘だったのだと。
    幻だと。
    夢だったのだと。

    その簡潔さは、まるで記憶の上を揺らぐ船のような意識を、「不思議だ」と言い切って認めてしまったことのよう。日常の中で当たり前に安置されていると勘違いしている家族のよう。

    あまりに滑稽で単純明快な事柄にしてしまう。

    けれどその結末だけではなく、それまでの盛り上がりこそが祭りなのだ。
    夏祭りなんかも、全ての花火が打ち上がった後ほど味気なくそそくさと、これまでのことは全て嘘だと言いたげなよそよそしさはないだろう。
    あれほど多くの人が声をあげて喜んだものも、言ってしまえば物が燃えているだけなのだ。
    毎日見ている火や光となんら変わらないのだ。
    けれど、それに気付く前の高揚感、騒がしさ。その全てが、同じ根っこが枝分かれして毛先が一緒になった塗仏が作り出した「宴」に他ならない。
     

  • まさに百鬼夜行。これで一旦シリーズがまとまったのかな、と思いました。
    これまでの作品のようなホラーがかった陰鬱な雰囲気はあまりなくて、ドタバタアクションがあったり、過去の作品がちょっとした伏線になってたり、お祭り感のあるお話でした。
    話の真相は、ありえないやろとつっこみつつも面白かったです。記憶操られたらどうしようもないよ…。
    堂島さんはシリーズのラスボス的な存在なんでしょうか。今後もでてきそうな雰囲気でした。藍童子も。
    やっぱりキャラがみんないいです。
    木場修かっこよかった…!
    青木君鳥口君益田君の下僕組(?)も頑張ってました。特に青木君…。
    ただ、結局最後の最後まで関口君ほったらかしかい!
    釈放はされるんだろうけど、結構精神的にやばい感じになってたので心配だよ…(涙)

  •  家族に対して常日頃から不平不満を抱いている人に読んで欲しい作品。
     詳細をここでたらたらと書いても意味はないのでしないが、この作品にはいくつもの物語の骨があり、その中に家族の崩壊と再生という骨がある。
     家族というモノは主観的に観れば不思議でもおかしいことでもなんでもない。だが客観的視点で観ると、実は歪で異常なモノであり、かつそれが正常である。ただそう認識していないだけであり、おかしい、と認識した途端に溜まっていた不平不満が爆発し、家族は崩壊する。

     人間誰しも家族に不平不満を抱いている。ソレを自認しつつ上手に解消する術を身につけることが、良き家族関係を築き続ける方法なのだ、とこの作品を読んで私は思った。

     今も、家族に対しよくない感情が強くなったり疑問を抱いたりしたときは、これを読んで、そのような気持ちを抱くのは当たり前である、と再確認することで自制を保っている。

  • 長いのは覚悟の上だったのですが、とにかく登場人物が多い。あまりに多すぎて頭の中がひっちゃかめっちゃになってしまいました。

    ラストの京極堂の憑きもの落としも、自分の中で人間関係が今ひとつ整理できていなかったものですから、いつもほどの衝撃を覚えることができず。

    レギュラー陣総出演は豪華でいいですが、私の頭ではついていくのが大変すぎました。

  •  犯人の言い分が個人的に気に食わなかったので-1。理性をはぎ取って現れたものが本性だ、という主張はイラッと来るし、相手を陥れておいて糾弾されても「お前が言うな」と思うし、あと黒幕さんは超キモかったんですが、次回以降はこの人の張り巡らせる計略と戦うことになるんでしょうか。正直勘弁なのですが。
    「催眠術に頼ってる内は二流」という京極堂さんの台詞に深く同意。真犯人としては前回の蜘蛛の方が好みでした。上巻を読み返してみたらほとんどの絡繰りを看破していて流石だったけど……まあ、しょうがないのか。もっと彼女の活躍が見たかったのだけれど。
     あと榎さんがかっこよすぎて吹いた。何あの神さま。京極堂参戦の流れで大盛り上がり、終わった後はまさに祭りの後。確かに「宴」だったけれども、やっぱり黒幕は気に喰わん。キモイ。
     内藤の憑きものがようやく落ちて、そして関口先生がどうなったかは次回……考えてみればうぶめでの関口さんと内藤の立場は似ていたのか。でも関口先生には三国一の嫁がいますから!(同点:千鶴子さん) 元気に返してあげてお願い!

  • シリーズ第7弾。前作「塗仏の宴 宴の支度」の続き。
    怪しい宗教団?とかそんな奴らが韮山の土地を巡って小競り合いをして行く。
    関口好きすぎる。「私は駄目な人間です。人間の屑ですよ。ゴミですよ。ドブの水啜って残飯食らってるのがお似合いなんだ。蛆みたいな人生。etc.」と、グチグチと。もう笑うしか無い。この豚野郎にはね!
    鳥口と青木が頑張っていた。私は断然青木派である。
    中禅寺はなかなか動かない。というのも何やらこの件の全貌を知っててそれ故の行動。むしろ最初から中禅寺狙いか。
    しかし神!榎木津から一喝。この人本当にかっこいいポジション。
    ラスボス堂島大佐。彼はなんかとても後を引く存在。百鬼夜行シリーズのラスボス登場、みたいな。正直あんまり必要としていなかったんだけどなー、ラスボス的存在。
    しかし中禅寺の戦時中の所在が少し分かったのでそこはよかった。

  •  事件らしい事件が起こっているのかも分からず、物語は収縮して行き、最後は京極堂の語りで閉じられる。だが、首謀者である堂島に制裁を加えられるでもなくてすっきりとはしない。綺麗にたたんでいるが、こんなに風呂敷をでかくしなくても良かったのにとは思う。長すぎて、考えることを止める効果のある催眠にかかっているようだった。
     関口は、刑事になじられるだけなじられて、最後まで出てこないという、らしいと言えばらしい展開。普通になって戻って来れるのだろうか。そこが心配。
     刑事部屋や村で、ずっと堂島が見ていたのだが、堂島は刑事たちに対しても効きの早い催眠術を使えるのだろうか。ある意味、無敵の存在だ。会いたくはない。この先にも出ては来ないだろう。一回限りのボスと見た。
     記憶から消えると歴史から存在しなくなる。正しいのは何なのだろうか。記憶なんて曖昧なものだが、体は存在している。それだけで良いのかも。
     塗仏の宴とは何だったのだろうか。塗仏がよく分からないので、何もわかってない奴らの宴なのか。妖怪研究家の多田克己は、塗仏は目が出ていて尻尾があるから、目出度いとかけているのかもと書いてあったので、洒落なのかもしれない。佐伯家の面々の名称も洒落だったし。或いは、塗仏の絵は仏壇の前でふざけている人でもあり、仏壇で目出度いというのも不謹慎を表していて、人でゲームをする堂島のことになるのかな。無理矢理な気もする考えだけど。
     結局は不老不死を探す過程で消された家族が、インチキ商売をやって競わされていたという話。長いだけあって読んだままに終わったのでそこはスッキリしている。

  • 後の始末をお願いします――。京極堂、覚悟を決める。

    「愉しかったでしょう。こんなに長い間、楽しませてあげたんですからねえ」。その男はそう言った。蓮台寺温泉裸女殺害犯の嫌疑で逮捕された関口巽と、伊豆韮山の山深く分け入らんとする宗教集団。接点は果たしてあるのか? ようやく乗り出した京極堂が、怒りと哀しみをもって開示する「宴(ゲーム)」の驚愕の真相。

    消化不良の感が否めない。
    長々と続いたが、最後の憑き物落としはちょっといただけない。
    ただ、次につなげる意味ではアリなのかとも思う。
    ボスも出て来たし良しとしよう。
    ただ初見では感想もたどたどしいなぁ。

  • 過去の既読本

  • 宴という壮大なゲーム、嫌がらせの終わり。


    これまでの事件の当事者が韮山で入り乱れる。早くなんとかして!

    そして、この宴の首謀者がついに登場。京極との対決にはわくわくした。

    京極や美馬坂なんかの上官なのだから、手強くて当然。

    どこかからずっと自分が仕掛けたゲームを見ていたということがわかったとき、首謀者の(榎木津ですら化け物と認める)邪悪さに感服した。

    徐福伝説の決着が、個人的にすごく気に入っている。
    車で伊豆方面に出かけたとき、韮山の表記を見るために、巻き込まれた気の毒な村と家族、そしてかわいそうな関口を想ってしまう。。

  •  もう何度も何度も読みました。関口くんが大好きになるきっかけになった作品です。
     読了したときの率直の感想は「疲れた・・・。」です。
     とにかく疲れました。楽しかったですが、ぐったりです。 関口くんのことが心配でしたが、思ったよりいつも通りな感じがしました。細かな内容をかなり忘れていたので、面白かったです。
     茜さん、殺されたのは哀れだとは思いました。でも、それでも、前作を読んでいたからどうしても嫌だなこの人、と思ってしまいました。
     それにしても相変わらすこの作品の登場人物は魅力的な人ばかりです。十人十色という言葉のとおり、人の考え方はさまざまで、自分にとってなんでもないことが人にとっては違っていることがある。京極堂の話を聞くたびにそれを尊重することの大切さを認識します。

  • 姑獲鳥,魍魎,狂骨,鉄鼠,絡新婦,塗仏.いくつもの勢力,京極堂の過去をも飲み込んで,百鬼夜行をすすむ.

  • 妖怪話しんどい

  • 広げに広げた大風呂敷を一体どう回収するのか。〈本末転倒〉〈どんでん返し〉〈騙す側こそ騙されている〉……有象無象の思惑が交錯し権謀術数が飛び交う中、不意に姿を見せる謎めいた〈私〉やミステリコードギリギリの内的独白もここそこに差し挟まれ、眩惑感は間違いなくシリーズ随一。行列しない妖怪たちは〈主催者〉に導かれ、百鬼夜行の乱痴気騒ぎ〈宴(=ゲーム)〉に明け暮れるが……。催眠術の導入はアンフェアとの謗りもあろうが、殺人を回避せんがためという理由づけがなされているし、実はこれ壮大なアンチ・ミステリなのかもしれない。
    あと、有馬汎の元ネタって墓場鬼太郎の夜叉の回だよね。キャラ的には共通点なさそうだけど、何故名前そのまま借用したんだろう。

  • なんと!もやもやの残る終わりか。
    京極堂の不思議の開示で、いつもすっきりしてきたので「よし来い!」と心してページを繰ったら、ふんわりとしたラスト。
    先に読んだ上巻読了から大分時間が経ってしまったために誰が何で、どういう集団だったか記憶が曖昧に…。
    ただいつもとは様子の違った京極堂と榎木津、木場、キャラクターのやり取りは良かった。ぐっときた。
    密かに押している朱美やお潤が活躍してたのは嬉しかった。兎にも角にも、声を大にして言いたいことは、壊れてしまっているであろう関口氏が心配でならない!

  •  動きたくても動けない京極堂とか、それを唆す榎木津とか、独自の方法で進んでいく木場さんとか、何も言わないでも枝分かれして一本の毛先に向かっているのが大変ぐっときた。
     関口君が壊れないことを祈るしかないって言う京極堂がいじらしい。あと京極堂がよく怒っていたのでそれもなんだか思い浮かべる度に胸がいっぱいになる。
     覚悟を決めて啖呵を切る様子はとても格好良かったし、ただ突き出すのでなく本人に納得させたのは彼らしく上手いやり方だなあと思った。
     京極堂にだって嫌なことはあるし嫌いな奴はいるんだ。始末が済んでとりあえずよかった。
     関口君と京極堂がじゃれあってる様子をまた見たい。

  • 「支度篇」は京極一家揃い踏みで、それぞれが私的に、別個と思える事件に誘引されていく。そんな支度が整ったところで、この度も京極堂による始末が施される。村民鏖殺事件と不老不死薬の存在はどう明かされるのか。支度において夥しい怪人物が登場してきて、およそ整理しきれない。割りに淡白に終わりを迎えてしまった。これまでのシリーズに増して荒唐無稽度数が高いのと、榎木津をあそこまでスーパーマンにしちゃっていいのかな。でもって、関口君は人格が取り戻せたのだろうか。読後の鬱憤満載なのに妙な満足感。京極堂の呪術に陥っている。

  • 2015.2.5-9
    間違って「支度」を読んでしまったので読まざるを得なかった。家族とは⁈と言う意味では頷ける部分もあったものの、個人的に好きなジャンルではないだけに、文体も登場人物の多さも落ちも鬱陶しい・・。

  • 再読。シリーズで一番エンタメ性が高い。京極堂萌えの巻だと個人的には思う。
    上巻から筋は一本、ずーっと通ってる。本末転倒とか。

    京極堂の事件になるためには、相応の厚みがいるのでしょうね。本の厚みも凄まじいけど、それ以上に事件の厚みが。数が多いだけかもしれないけど(笑)

    えのさんかっこいいなぁ。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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