国境 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.14
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本棚登録 : 558
感想 : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (848ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738606

感想・レビュー・書評

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  • イケイケやくざ桑原さんの男気を
    どーーしても、息子に知って欲しい私は、
    「なぁ~~、読んでみぃって!←(読後はしばらく関西弁が抜けない…。)
    絶対、惚れてまうええ男がおるんやて!」
    と、
    しつこく薦めたのだが
    普段、本なぞ読まぬ彼には、
    「誰がっ、そんな辞書みたいに分厚い本読むかっ!」
    と、見向きもされなかった。

    くぅ~~っ!!
    なんてもったいない。
    こんなにええ男、滅多におらへんのにぃ~っ。

    と、嘆きつつ、ふと気がついた。
    私は図書館でこの本を目にした時、
    (わぁっ♪こんな長い間、桑原さんと一緒におれるんか。
    こら、読書中は世界一の幸せもんやな。)
    と、夢見心地であった。
    ちっさい地球儀の様な本の中心で暴れまくる桑原さんさえいれば、
    どんな世界も面白いだろう、という確信があったからだ。

    …がっ。
    今回彼らが赴いた地は、本当に恐ろしい国であった。
    二蝶会(桑原所属の組)の若頭をハメた詐欺師を追って
    (今回も偶々、共通の敵を追う羽目になった主人公二宮と共に)北朝鮮へと渡った二人。

    あのイケイケ桑原さんの道理なぞ、全く通らぬ不自由の国、北朝鮮の現状は想像を絶するほど恐ろしく、
    だが、
    それでも
    「きっちり役目を果たすまで帰れるかいっ!!」
    と、
    まるで生死の境目であるような国境を越え、
    死の国へと突入しながらも
    男気、という長刀を眩いばかりに発光させて、
    「生」への道を迷わず爆走!

    ほんとに、ほんとに、リアルに惚れ惚れしてしまう男の姿は、
    胸を打つラストを読み終えた後も、しばらく目に焼きついて離れない。

    映像、として記憶にきっちり残ってしまう稀な小説であった。

    • takanatsuさん
      MOTOさん、こんにちは。
      レビュからMOTOさんの桑原さんへの並々ならぬ愛が伝わってきました!
      ここまで愛される桑原さんとはいったいど...
      MOTOさん、こんにちは。
      レビュからMOTOさんの桑原さんへの並々ならぬ愛が伝わってきました!
      ここまで愛される桑原さんとはいったいどんな男性なのか…き、気になります。
      息子さんの「誰がっ、そんな辞書みたいに分厚い本読むかっ!」のツッコミもツボでしたが(笑)
      厚さに負けずにMOTOさんの惚れた男気に私も惚れ惚れしてみたいです!
      2014/08/13
    • MOTOさん
      takanatsuさんへ

      いやぁ~♪
      逢うていない時も、(本を読んでいない時も)ぽわぁ~ん…と、いまだに夢心地ですねんっ♪(関西弁も...
      takanatsuさんへ

      いやぁ~♪
      逢うていない時も、(本を読んでいない時も)ぽわぁ~ん…と、いまだに夢心地ですねんっ♪(関西弁も消えない…^^;)

      やくざ、なだけに普段は口も素行も悪いけど、いざという時は男を見せますっ!
      死んでも仲間を見捨てない、
      大事なもんを守り抜く姿が、もう~♪目に焼きついてしまって…(^^#

      『国境』
      確かに頁数はあったけど、大好きな人と逢うてる時間…と、思えばあっという間だったのぉ~♪
      なんて、コメントがすっかり恋バナと化しちゃいましたね。ごめん、ごめん。
      takanatsuさんなら、桑原さんをどう思うかなぁ?
      映像化されるとしたら誰が適役か?なんて話しもしてみたいな~(^^♪
      2014/08/14
  • 疫病神シリーズの第二弾という事で買った一冊。

    分厚いく読むのが一瞬戸惑う外見だが、読み始めたら分厚さをあまり感じずスラスラ読めてしまった。

    20年くらい前の内容だから今の北朝鮮とは国内の事情は違うかもしれないが、酷い国だと改めて知ることができた。

    疫病神コンビはやっぱり面白い。
    やりとりが最高だ!

    中国や北朝鮮の地名や人の名前がいまちい頭に入ってこないのと、読み難かった。

    疫病神シリーズが楽しみになった小説であり、
    北朝鮮は本当に酷い国とよくわかった小説でもありました。

  • 読み出したら止まらない。
    これだけ長い小説を一気に読ませる筆力に感服。
    桑原と二宮の掛け合いが良い清涼剤になってる。

  • シリーズ疫病神。先に「螻蛄」を読んでしまったけどこれが2作目。
    桑原と二宮のコンビが詐欺師を追いかけて北朝鮮へ密入国。地の果てまで追いかけてどつきまわし、黒幕を突き止めるというストーリー。桑原が気持ちいいほどに大暴れしてくれるのが痛快でした。830ページの大ボリュームですが、途中でだれることもなく、スピーディーな展開に夢中で読んでしまった。

    日本の常識が全く通用しない北朝鮮。この本が書かれた当時から北朝鮮の状況は変わっているのだろうか?国境を挟んで中国側と北朝鮮側でそんなに生活が変わってしまうものなのか…なんとなく理解はしていたけど、とてつもなく悲惨な話だと改めて思う。金正日を「パーマデブ」と言ってのける桑原が好きだ(笑)
    意外に義理堅かった現地のごろつきの黄や、ガイドの李じいさんも、いいキャラだったなぁ。北朝鮮から脱出する際に離れ離れになった桑原が二宮のピンチに颯爽と現れたときは、キャー喧嘩の国の王子様!待ってました!!とテンションが上がりました。
    大冒険の末、最後はとんびに油揚げ状態でちょっとあっけなかったけど、あれだけ広がった事態をあっさり終息させてしまうやくざの親玉の権力って一体…と恐ろしかった。

  • 近年、大きな受賞があるなど注目の作者だが大ベテランだ。
    他の作品もたくさん読んでいるが大概面白い。
    サスペンスの流れで凸凹の主人公たちが見せるコメディーが
    良い雰囲気を出している。

  • この前に読んだ本と内容も雰囲気もあまりに違って・・しかもあちらは自分の力不足故に評価が3になってしまい、こちらは娯楽性強くて5って笑。

    まあ、それでも面白いものは面白い。とても楽しめて大満足だったのでやはり☆は5です。

    「疫病神」ですっかり桑原と二宮のファンになり、シリーズの次のこの本を見つけた時、「えー、外国を舞台に?しかも北朝鮮?大阪でいいじゃなーい」といまいち乗り気になれなかったが・・ごめんなさい。撤回します。めちゃめちゃ面白かった!

    しかも、北朝鮮についてしっかり調査され非常にリアル(と思える)に現地の様子や国の様子がしっかり描かれており、この点も読み応え十分。

    そして、全く期待を裏切らない台詞の応酬。しびれました、今回も。ハラハラドキドキもした。ただ桑原が死んだとは一瞬も思いませんでしたけどね笑。相変わらず周囲のキャラクターも良い。ときどき噴き出したり、最後のシーンは思わずこちらもジーンとしたり。

    間違いなく娯楽本としては最高。シリーズものじゃなかったら「あー、読み終わっちゃった・・・」と読後とても悲しくなるけど、シリーズの次を読む期待を持たせてくれるのが嬉しい。

  • いやあ、話はむっちゃおもろいんやけど、文庫本で830ページを超えるのは勘弁して欲しい。上下どころか3券でもいいんじゃねえ???
    しかし、北朝鮮、ひどすぎるぜ、独裁国家・・・

  • 2017年3月20日
    831ページの長編。

    「疫病神」に続く2作目。
    桑原と二宮が北朝鮮に飛ぶところから物語は始まる。

    趙と名乗る詐欺師が関西の組筋から金を騙し取り、二宮も紹介した建設会社の重機の代金を持ち逃げされ、建設会社からこれまた組筋に話がいき、二宮が趙を探すことになり利害が一致した二人が視察団に紛れて平壌に飛ぶ。

    平壌ではすんでのところで趙に逃げられ、一度帰国、羅津に逃げた趙を追い、中国から中朝国境をめざし、北朝鮮に入る。

    北朝鮮では目を疑う惨状に日本の論理をぶつける桑原だが、通用するわけでもなく、平壌でゴロを巻いた黄の活躍と、ガイドの李の機転を効かせた働きもあって、趙を捉える。

    が、取られた金は戻らず、桑原、二宮、李とも命からがら脱北に成功する。

    趙は単なる駒であり、黒幕は日本にいることがわかったため、桑原と二宮は黒幕をつかむべく、大阪、奈良、神戸を走りまくる。

    疫病神では産廃業を舞台に、ヤクザのシノギを掠め取る話だったが、本作は北朝鮮に舞台を移し、日本の常識が通じないところで桑原のヤクザ風がところどころ発揮されるところに溜飲が下がる。

    日本に帰国後も詐欺師の黒幕をつかむべく、走り回る二人だが、黒幕が朧げにわかってくるに従って、群がる奴らも増え、二人の行く手を阻む。

    一体、誰が黒幕なのか?二人が手にできる金はどうなるのか?二宮は何度ピンチに陥るのか?と長編にもかかわらず、ページがどんどん進んでいく。

    一匹狼とはいえ、どこか人間味があり優しい桑原と、頼りなげだが機転がきくが、うまくいかない二宮のコンビが面白い。

    本作では北朝鮮の生活事情優しい地理事情の詳細に記述されていたが、参考文献の多さに驚き、また著者のこだわりに脱帽、感心するものである。

  • 講談社は京極夏彦で慣れているのだろうとはいえ、文庫本で 800ページ、3.5cm ほどの厚さはビビる。しかも、これだけのページ数でありながら、大半は北朝鮮に逃げた詐欺師をヤクザが追い詰めるというだけの話で、まったく飽きさせないのだから、ますますビビる。物語半ばからはほとんど一気読みで午前3時までかかって読了。

    活動が極めて限定される北朝鮮を舞台にした、細い糸をたぐるような追跡劇は、単なるエンターテイメント小説の枠に収まらず、北朝鮮平壌や経済特区の内情を克明に描いてルポタージュ的な面白さも併せ持つ。

  • 疫病神の続編。結構長かった。北朝鮮の描写は本当は過酷なんだろうけど、それをガイドのお爺さんの魅力で、悲惨すぎるものになって居ないのが良かった。バランスのとれた作品。

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著者プロフィール

1949年3月4日愛媛県生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。大阪府立高校の美術教師を経て、83年、『二度のお別れ』が第1回サントリーミステリー大賞佳作。86年、『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞を受賞。96年、「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2014年、『破門』で第151回直木三十五賞を受賞。他の著作に、『悪果』『繚乱』『離れ折紙』『後妻業』『勁草』『喧嘩』『果鋭』『雨に殺せば』『切断』など。

「2021年 『絵が殺した』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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