日本国債(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 550
感想 : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738866

作品紹介・あらすじ

日本国債のディーラーが遭った不審な交通事故。直属の部下・朝倉多希が任された翌週の入札で異常事態が発生した。未達-国の募集総額に対し応札額が大幅に不足。「この国が破産する」未曽有の危機の背後には壮大な罠が。膨大な取材と卓越した視点が冴える迫真の経済小説。最新データによる待望の改訂版。

感想・レビュー・書評

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  • 久々の経済小説。
    最近あんまりお目にかかれませんが、TBS「サンデーモーニング」でよくお見かけした幸田真音氏。
    そのベストセラー小説ということで以前から気になっていた本作。
    また、ワタクシのお仕事柄、国債がそれほど遠い存在ではないので、興味もあった本作です。

    とある事件を追いかける特捜刑事。
    重要人物と目される債券ディーラーの不審な交通事故。
    そして、日本国債入札における「未達」の発生。
    本作は、これらを取り巻く、証券会社、財務省・金融庁、警察、マスコミ等、様々な人々を巻き込む経済ミステリー小説。

    幸田氏のご経歴や様々な取材のおかげでしょうか、たいへん勉強になる本作。
    市場取引に関わる証券会社等における具体的な業務内容、国債そのものの性質や特徴、国債入札の仕組みとその中での当局と金融業者の具体的役割(現在は多少制度が変わっているそうですが...)などなど。
    普段目にすることのない、また、目にしても経済紙の一記事で表面的にしか見えない、国債に関する事項について、(どこまで正確かは、素人のワタクシには判別不能ながら)臨場感を持って触れることができます。
    この点、以前『世紀の空売り』(マイケル・ルイス、文春文庫)を拝読した際に、証券化商品やリーマン・ショックの構造について、臨場感とともに理解が深まった記憶があります。
    経済小説の素晴らしい点ですね。

    「視点」も興味深い。
    「未達」時の、当局の視点、証券会社の視点、刑事の口から語られる「一般人」の視点。
    同じ事象でも視点によって様々な捉え方を描写しているのが面白いですね。

    振り返ってみると、この上巻は、その半分以上が国債や国債入札の仕組み、市場取引に関わる業務内容等に関する情報提供に費やされている印象(おかげで勉強になります!)。
    物語(ミステリー)の進行としては、ふと自分が今どの時点にいるのかわからなくなりがちな回想シーンに振り回されないように気を付けながら(汗)、ひととおりの場面設定が完了した段階でしょうか。

    ということで、今後の展開につき、下巻に期待です。

  • 債券バブルと言われた時代の日本を題材にしたフィクション。
    日本国債の仕組みを浚うのには便利な一冊。
    国債=次の世代への借金の持ち越し、という論点はMMTの跋扈する現在では少し古い考え方かもしれない

  • 国債をテーマにした金融ミステリー。
    専門用語も無くストレス無しで読めた。

  • 好きな作家さんの本がブクオフにあったので上下巻共購入。面白かったし、ちょっと日本国債の仕組みについて知ることが出来て面白かった。あと、彼女が描く人物は好感が持てることが多く、読後感が良いのがいい。

  • 小説。日本国債についての解説本ではない。

  • 2016.7.6
    いまいち。国債が国民で支えられてるね。下巻は途中でやめました。

  • 国債に頼る日本の財政に疑問を投げかけた2000年の作品。ややストーリーは粗い気もするが、経済の入門書のつもりで読めば楽しめる。それにしてもそれから16年。日本の赤字は増大する一方。。

  • 「無能な政府の財政ビジョンが、国債乱発という安易な手段に頼りすぎ、しかもその国債の発行がいかに不安定な現状に依存しているか。そして、それをじっと我慢して支えてきたわれわれを、いかにないがしろにしてきたか。ここらで一発思い知らせてやるんです」。国債の取り引きを担当するトレーダーたちがこぞって入札をボイコット。この「未達」によって国債市場が暴落し、金利は高騰。株式市場はかつてない値崩れを起こし、日本発の金融恐慌として世界を震撼させる。未達によって命を狙われるトレーダー。未達を起こすことで得をするのはいったい誰か――。

    外資系金融企業で日本国債のトレーダーも経験した著者による経済小説が本書。分刻みで億単位の取り引きを行うディーリングルームの描写が克明で、市場の激しい動きに対応するトレーダーたちの緊迫感がリアルに伝わる。小説はサスペンスの味つけが施されているので謎解きに引き込まれながら読み進むうちに、素人にもおぼろげながら公債発行のメカニズムや売買形態、そして魔物のような金融マーケットの輪郭が見えてくるしくみだ。

    国債という名の借金の先送り。金利の支払いがますます財政悪化を招き、個人や一般企業ならとっくに破綻に追い詰められる状況にもかかわらず、毎年打ち出の小槌が振られ続ける。このツケを払うのはいったい誰なのか。国債売買当事者であるトレーダーたちの強い懸念は、そのまま読者と日本社会への問題提起になっている。(松浦恭子) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

    「破局のシナリオ!」
    前代未聞の入札失敗。現実をはるかに先取りした迫真の経済ドラマ!

    日本国債の未達に始まる大混乱は世界に拡大した。入札価格の不審な書き換え、事故に遭った上司が出入りしていた謎の団体。疑問を抱いた朝倉多希は、日本経済全体を揺るがす計画の存在を知る。官邸をも巻き込んだ破局のシナリオの行方は。その後、現実に起きた危機を予見し、大きな反響を呼んだ経済ドラマ。

  • 国債について全く事前知識がなかったが、初心者でも楽しめる小説。
    ただ、10年アシスタントを務めたからといって、トレーダーに抜擢されるなんてことはほぼないと思われるので、もっと現実的な設定だったらと思う。

  • 2015/07/22ブックオフオンラインにて購入
    2015/08/29読み始め
    2015/09/02読了

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著者プロフィール

1951年生まれ。米国系銀行や証券会社で、債券ディーラーなどを経て、95年『小説 ヘッジファンド』で作家デビュー。2000年に発表した『日本国債』はベストセラーになる。作品はほかに『凛冽の宙』『財務省の階段』『ランウェイ』『スケープゴート』『ナナフシ』『この日のために』など多数。『天佑なり 高橋是清・百年前の日本国債』で新田次郎文学賞受賞。テレビやラジオでも活躍。政府税制調査会、財務省・財政制度等審議会、国土交通省・交通政策審議会、NHK経営委員会の各委員など公職も歴任。

「2020年 『天稟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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