ミスキャスト (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738927

作品紹介・あらすじ

あなたの家庭……本当に大丈夫ですか?

「今日も奥さん、仕事っていって出かけたでしょう。でも違いますよ。男の方がどうしても会いたいって言ってきたからですよ」突然かかってきた電話から、妻・典子に不倫の疑いを抱く原岡。が、そんな彼は会社の同僚、元妻の姪という2人の女性と逢瀬を重ねていた。深みにはまってゆく男と女たちの行方は――。

感想・レビュー・書評

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  • 商社マンの原岡は3年前に妻子を捨て、若く美しい典子と再婚した。取り立てて目立つ外見ではないが、マメで女に甘い性格から女には不自由しない38歳。

    しかし彼のもとに、典子の不貞を密告する電話があり…

    自身は派遣社員の祐希と何度も関係を持ちながら、割り切った仲だからと開き直り

    別れた妻(大病院の院長の娘、控えめな美人で家庭的)の姪にやすやすと惚れて将来を誓いながら、妻の浮気は許せぬと憤慨する。

    ご都合主義も甚だしいが、女たちも既婚者に近づく以上共犯かもしれぬ。

    ラストは因果応報な部分もあり、タイトルが効いてくる。

  • 因果応報ですね。最後の最後まで被害者面する原岡。もう病気です、この人一生治りません。
    でも典子じゃないけど、なんで結婚するんでしょうね。こんなに結婚に向かない人が。失敗から学ばないというか、本人は相手が悪いから自分の失敗とも思ってないんでしょうね。
    いくら娘が惚れ込んでるからってこんな男と結婚させようとする親も信じれません。だから美佳子みたいな娘が育つわけです。
    これから原岡のお先真っ暗な人生が始まるかと思うと人事なので面白そう。でもきっと何だかんだ言い訳を繰り返してしぶとく生きていくんだろうなぁと思います。

  • おもしろくなかった

  • 不倫の末に妻子を捨てて離婚、再婚したもののまた不倫をして修羅場になる話。こう書くと身もふたもないストーリーのようだが非常に面白かった。主人公の原岡が身勝手な男の論理を振りかざして自分を正当化し、大恋愛の末に結ばれたはずの妻を悪者扱いするのが、非常に不愉快であまりにもリアル。ここまで女に見境のない男はそうそういないかもしれないが、こんな考え方をしている男なら、ある年齢以上にはわんさかいそう。原岡が美佳子に送るメールの数々も、昨今話題の「おじさんLINE」を彷彿とさせる気持ち悪さ。著者は女性なのに、よくこんなにも鋭く男の感情描写ができるものだ。林真理子の筆力にまたもや脱帽。

  • 帯に誘われて購入
    『この結末はハッピーエンドかそれともホラーなのか?』

    もっとゾッとするものかと思ったが想定範囲内

    主人公 原岡が自問自答するセリフ
    『果たして自分は好色な男だろうか?』
    これが印象的

    罪の意識のない原岡に不倫だと知っていても付き合う若い女性たち

    割りきっていると思われた祐希は彼が仕掛けてきたし、美佳子は従順だったが秘密は抱えきれなかった
    後妻の典子が常識的な範疇かな

    相手を変えても変わらない自分自身 ミスキャスト

  • 不倫で手に入れたものを不倫で失う運命...

    「○○なのは、お前が“初めて”だよ」と言われて喜ばない女性はいないと思う。
    でもその“初めて”という言葉は、案外使い古された言葉のような気がする。
    というのも、以前付き合っていた人が、次の彼女さんに
    「○○なのは、お前が初めてだ」と言っているのを知ったときに、
    「あれ、それって全く同じことを私も言われたけどな…」と、
    思わず吹き出してしまった経験が何度かあって。

    男性ってこんなにも同じことを違う相手に言うものなのだろうか?
    もしかしたら、その人(男性)自身は、
    前の彼女に同じことを言っていたことを忘れているのかもしれないけれど。
    記憶なんて、自分たちに都合の良いように組みかえられてしまうものだと知ったからこそ
    そう思ってしまうのかな。

    男性の甘い約束を真に受けると、馬鹿を見る――。
    これは、痛いほど教訓になっているのかもしれない。

    人生の途中で、ミスキャストに気づいたらキャストを変えるのか。
    それとも目を瞑って、もしくは努力をしてそのままの関係でいるのか。

    どちらがスタンダード?

    もちろん私は不倫なんてしたことはないし、する気も毛頭ないけれど。

  • ダメダメ男の不倫物語

    つーか、いい加減すぎじゃないすかね

    こーゆー男ってのは、ほんっと自分を正当化しつつ生きていくんだろうな〜

    ラストは自業自得だねぇ

    逆に相手の女の子がお気の毒だよ

    あと、前妻たちも・・・

    簡単本だったのでイッキ読みできた

  • 男が主人公の不倫もの。こんな男いっぱいいるんだろうな、とちょっと腹立たしくなる。

  • ザ•不倫もの
    好色な男が色んな女に手を出して自分の首を締めていく
    読んでていらいら
    なんて身勝手なエゴイスト

    読後感はどーろどろ

  • ある男の結婚、不倫、離婚、再婚、不倫…と続く話。男の論理にイラっとくることもあるが、ここまでくると愉快。最後、不倫相手の言動に思い通りにならないところがまた痛快。奥さんも結局不倫しておらず、おくさんがかわいそう。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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