新装版 播磨灘物語(1) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739320

感想・レビュー・書評

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  • 秀吉の軍師、黒田官兵衛の話。4分冊になっている1巻目。まだ話の序といった感じで、世に出る前の官兵衛について描かれています。前半は播州(今の兵庫県南西部らしい)の政情や黒田家の流浪ぶりがつらつら描かれるばかりで、司馬遼太郎の作品にしては退屈。信長が京に出て時勢が変化するあたりから物語がようやく動き出します。すでに歴史の結果を知ってる我々からすれば信長が大事を成すのは分かっていることだけど、同時代人にとってそれを予測するのは不可能に等しい。門地門閥にこだわらず優秀な人材を登用し、旧来の慣習を破壊する信長の出現をみて、時代の変化を感じ取り、当初から「頼るなら織田」と信長に目をつけていた官兵衛を見るにつけ、先々を見通し来るべき未来に備えて準備しておくことの大切さを痛感します。

  • 04.6.26

  • 黒田官兵衛が主人公。
    きらきらした播磨灘と官兵衛の物語。
    この本で描かれる官兵衛や半兵衛、二人の関係が、私の中のプロトタイプです。
    一巻の前半、黒田の歴史みたいなものは面白くないものの、官兵衛という人間がどういう風に出来上がったのか知るには面白いエピソードが多かったです。
    歴史的には違っている部分もあるものの、物語として見たときに魅力的です。官兵衛の描かれ方も魅力的で、司馬さんは官兵衛のこと好きなんだなあと感じられる内容。
    最後は突然終わってしまいますが、あの終わり方が逆に司馬さんらしくて好き。

  • 官兵衛のお話。相変わらず司馬遼太郎の書く人間はカッコイイ。

  • 1巻は荒木村重と出会うまで。
    官兵衛の話に至るまでの家系の話が長かったけど、久々に読む司馬遼節!が懐かしかったです。

  • 黒田如水(官兵衛)の前半生を描いた作品。第1巻の前半は、官兵衛の祖父が近江から備前に流れ着き、官兵衛の父が播磨に移り、小寺家に仕えるまでを描いていて、歴史文献的な記述のために読むのを止めてしまう人がいるかもしれない。しかし官兵衛の世代の話に移れば期待は裏切らない。ただし本書では官兵衛は主役ということもあり、あくがない誠実な性格の官兵衛は、他の人物を描いた小説に出てくる官兵衛と大きく異なり違和感を感じる人もいるかもしれない。しかし、だれしも人は自分で正しいことをしていると思って行動しているわけで、主体が変われば見方が大きく変わるのは当然かもしれない。
    ちょっと残念だったのは賤ヶ岳の合戦以降は軽く流して書いてあるところである。賤ヶ岳以降は秀吉からあまり重く用いられなかったこともあるのだろうが、関ヶ原の時の行動をもっと詳細に描いてほしかった。

  • 播州の小藩の家老の息子が自分の才覚だけでのし上がる物語
    秀吉が一気に自分のステータスを上げた中国攻めの時の参謀
    クライマックスの高松城の水攻めまでで、そこからはトーンダウン
    この時代(戦国期)では才覚だけでは容易に成り上がれなかった時代なのかと逆に考えてしまい、スッキリしない後味の小説ではある

  • 黒田官兵衛の物語。この御仁は奥が深い。彼の眼から通してみた秀吉、という男の像も、なかなかに興味深いです。

  • 090509(m 090719)

  • 1〜4巻。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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