黒い仏 (講談社文庫 し 68-3)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 865
感想 : 118
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739368

感想・レビュー・書評

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  • 「なんか色々な前評判は聞くけれど、講談社から出ている探偵ものなのだから多少設定が特殊でもジャンルはミステリなのだろう」
    そう思っていました、実際に読むまでは……。

    衝撃は受けたけど、ふざけんなって思ったけど、面白かったです。
    石動さんから見える手がかりだけを総合するとちゃんと石動さんと同じ推理にしかなりようがないように作られてるのが何気にすごいなと思う。

  • 壁本呼ばわりされているのは納得がいかない。もっと壁本と呼ぶのに相応しい作品はいくらでもある。

    アンチ名探偵に足を踏み入れた本作はミステリとは何か。名探偵とは何か。を問いただす作品として相応しいと思うし、読んでいてとても満足できた。

    ただこの本を読むならこのシリーズを全て最後まで読むことをオススメします。

  • 美濃牛のように正統派ミステリかと思いきやまさかの…!という感じでした。
    アンチミステリになるのかなぁこれは…。
    人によっては、なんだこれー!って投げつけそうな感じ。
    私もまさかこんな感じとは思わなかったので二章の最後のあたりでかなり驚いたけど『あぁ、こういう世界観なんだ…』と思えばこれはこれで楽しめました。

    続きもこんな感じなのかは知らないけど読んでいきたいです。

  • 反則か?という感じの終わり方だった。でもまあ楽しめたからいいか、という感じ。

  • 変則ミステリかつバディもの?
    まっとうなミステリを期待して読むとひっくり返りそうだけど、個人的には満足でした。
    シリーズが結構あるようなので、追いかけてみよう。

  • 前作『美濃牛』の展開は予想出来たとしても、この結末は誰にも予測出来ない。名探偵が超人的トリックに挑んだ作品。嫌いじゃないです。最後の一文も好きです。例えばこれが単発の作品として終わるのならそれまでのことだが、シリーズの一つとしてこの物語が存在することにも魅力を感じる。

  • まさかの非現実要素の介入!ホラーかと思いきやSFを仕掛けてくるとは。
    名探偵の推理がだまされたのはちょっと残念でしたが、終始楽しく読ませていただきました。
    もっと深く知りたかったけど、あれ以上書くのは蛇足になるのかも。
    アントニオが暗躍していて、石動は何も知らないのがコメディでした。

  • 想像の斜め上を通り越して
    亜空間に飛んでいった感じで
    アンチミステリーだった。

    『美濃牛』を読み終わってすぐこの本を読み始めたから
    普通に読み進めていったらまさかの展開。。

    すごいねこれは。。

  • たしかに壁本と呼ばれるかもしれないが、これが「殊能将之」なのだと思うと途端に傑作となる。

    著者の物語そのものやその起承転結の編み方に慣れていない人が読むと「なんだこりゃ」となるだろうが…。

  • 色んな意味で今までと違う作品。

    でも他の作家さんでもそういったものも書いてる方もいるし、
    これはこれで楽しめた、嫌いではないです。

  • 壁本と噂の一冊。非常によくできた壁本(というかアンチミステリというか...)なので、殊能将之の蘊蓄が好きなら読んでも良いのでは。

  • 九世紀の天台僧・円載にまつわる唐の秘宝探しと,ひとつの指紋も残されていない部屋で発見された身元不明死体。この二つの接点をめぐる作品。名探偵・石動偽作は,ひとつの指紋も残されていない部屋で発見された身元不明死体の事件の犯人と目されるベンチャー企業の社長「大生部」のアリバイ作りに利用されていた。名探偵のメンツに掛けて,アリバイを崩す。深夜に石動偽作に会ってから福岡に向かって殺害したのではなく,殺害してから東京に行き,深夜に石動偽作と会ったのだと。ひとつの指紋も残されていない部屋を借りていたのは,大生部だと指摘した。
    普通の本格ミステリであれば,ここまで。しかし,この作品は普通の本格ミステリではない。天台宗がいまだに鎮護国家を目指し,妖魔と戦っている世界の話であり,指紋が一つも残っていない部屋で殺されていたのは慈念という僧侶だった。慈念を殺害したのは,大生部である。しかし,実際は,妖魔である大生部が,石動偽作に会ってから,妖魔の姿になり,福岡まで飛行し,慈念を殺害していたのである。星慧という妖魔側の僧侶は,大生部が殺したことに違いないので,大生部が逮捕されれば事件が上手くまとまる…として,過去にさかのぼり,石動偽作の推理に合った証拠を作ってしまうという話だ。
    本格ミステリそのもののパロディ的な作品である。本格ミステリとして読んでしまうと本を投げてしまいそうなオチだし,バカミスともちょっと違う。しかし,石動偽作とアントニオのキャラクターと読みやすい文体などとあいまって,とても好きな作品である。★4で。

  • なんでこんなにもミステリなのでしょうか…
    こんな離れ業(反則技)かましてるのになんで…
    びっくりするくらいロジカルなんですよ…

    殊能さんを読むのは『ハサミ男』以来2年ぶりくらいですが、こんなにも妖しい作家だと知っていたらもっと早く読んでたのに…
    下手物喰らいの僕にはぴったりです

    ただ、叱責、批判もっともで、評価するしないは完全に好みの問題。
    ミステリ歴とか全く関係ないでしょう。

    それと本書をより楽しむために、クトゥルフ神話を表層的にでも知っておくといいと思います。

  • 素晴らしい!
    途中まで普通の推理小説なのに、中盤あたりから、もうなんでもありな展開

    ここまで予測不可能なストーリー読んだことがない
    最後の一行につい苦笑してしまった。

    石動戯作シリーズの第一作の「美濃牛」をまだ読んでいないため、登場人物たちの設定がよくつかめなかったので、こちらも今後、目を通したい。

  • 再読。多くの本格ミステリファンが激怒したというのは十分想像できるのだけど、作中で名探偵石動戯作が「とんでもないカヴァー」の例としてあげていたサン・ラによるデューク・エリントンナンバーのように、わからなくても面白がることはできると思うんだ。太陽神サン・ラが邪悪なわけはないから、石動は(今回の事件の「真相」同様)まったくわかっちゃないのだけど。

  • 賛否両論の作品。間違いなく名探偵の推理は正しく、事件は解決しているのだが、ラスト一行の破壊力はお見事。面白いと感じるかどうかは読み手次第だろうが、こういうエンディングのような雰囲気の作品が流行ったこともあるなあと思い出した。トラベルミステリー的アリバイトリック物と陰陽師的憑き物落とし物のア
    ンチナーゼと理解できれば一定の評価はできるだろう。個人的にこの作家の作品はどれも意外な結末が用意されているのが好きなので、贔屓目は否定できないが。

  • あとにも先にも、これ以上のオチが出てくるとは思えません。

    とにかく、えっ!て言います。

  • 特大のアーチを描くファールボール。
    そんな印象。

    まったく期待してなかった方向だけど、ラスト一行が最高過ぎた。
    こういう阿呆なの大好き。

  • そんなんありーっ?!と読書中に一人叫ぶ。
    でも私は好きですよ。

  • なんじゃこりゃー!!
    そんな感想です。コレ読んでの反応は、「面白い!」か「こんなんナシやわー」のどっちかだと思います。
    ちなみに私は「面白い!」でした。個人的に助手が強すぎてとても好きです。

  • ニヤニヤから爆笑まで読者を見つめる無貌の提供でお送り致しました

  • 石動戯作シリーズ。
    本格ミステリファンが読んだら、間違いなく壁に叩きつけるであろう作品。
    先入観無しに読めば楽しめると思うのだけれど。
    探偵が一番真相から離れているってのも珍しいかと。


    ネタバレ気味だが、「ニャルラトテップ」と聞いてニヤッと出来る人には特におすすめ。

  • 石動戯作の名刺がほしいと思ってしまった自分。。いや、別にどうするということもないのですが。

著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2022年 『殊能将之 未発表短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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