砦なき者 (講談社文庫)

著者 : 野沢尚

• 講談社 (2004年2月13日発売)

感想・レビュー・書評

[kenさんの感想 · 2006年1月26日]

「メディア」というものについて考えさせられる小説。描写の巧妙さ、あまりのリアルさで少し怖くなります。
すごく面白いのでオススメです。

[ちはるさんの感想 · 2005年12月15日]

ドラマ化されていて妻夫木聡が演じた八尋。ドラマをビデオに撮ってそれがどのテープかさっぱりわからなくなり気になって読みました。カリスマ性があるとここまで？？って感じです。

[ちゃめさんの感想 · 2005年12月1日]

注目される・・勘違い。マスコミ・・勘違い。
マスコミが作り上げてしまった怪物カリスマ。その犠牲とも張本人とも言えるマスコミ側の人間が最後に陥る結果は・・。ゾクゾクっとする恐しさ。とてもテンポがよく少し間違ったら現実にも起こるかもしれないと思わせるマスコミと視聴者との関係だ。「破線のマリス」と共に作者が訴えたい事があったのだな。。と心底思う。だから書きっぱなしで死なないで！野沢さん！大ファンなのに！もう！

[kajikaさんの感想 · 2005年10月18日]

近い将来、本当にあるんじゃないかと思える怖さがあります。テレビのあり方を考えさせられるお話でした。

[かりんさんの感想 · 2005年7月1日]

ドラマを見てから読みました。メディアの生んだカリスマ青年のメールの指令一つで扇動される青少年たちが一種の洗脳のようで、メディアの怖さを垣間見ました。

[とんすけさんの感想 · 2005年5月10日]

メールの指令一つで扇動される青少年たち。中国の反日デモを彷彿とさせて、ぞっとする。

[めありさんの感想 · 2005年5月8日]

報道する側とその対象となった人間の文字通り生死をかけた戦い。
メディアが生んだカリスマが本当に怖い。意図的、策略的な行動が特に恐怖をそそった。

[みきんちょさんの感想 · 2004年12月20日]

妻夫木・役所公司・鈴木京香という豪華キャストでドラマ化された、「破線のマリス」の続編。出ているメンバーは基本的に変わらない。今回は前作でADだった赤松と長坂キャスターが主人公。恋人をテレビに殺されたと訴える八尋（妻夫木）の企みとは？長坂キャスターは本を読んだ時に鳥越俊太郎のイメージだったけど、役所公司も合っていた。八尋という言わばフリーターの若者が、あそこまでカリスマ性を発揮できたことに無理があったと思うが、それでも十分面白かった。

[明夜さんの感想 · 2004年11月26日]

報道番組『ナイン・トゥ・テン』に売春の元締めとして登場した女子高生が全裸で首を吊った。恋人をマスコミに殺されると訴える青年の姿は、人の心に揺さぶりを与えた。やがて、異様なカリスマ性を発揮していく青年。追い詰められたテレビスタッフが知った真実とは。
心理戦が凄い。見えないものを信じ込んでしまう恐ろしさ。メディアの力の凄さを知った作品。ありえないと頭の中で思いながらも、ありえるかも・・と
感じてしまう。

[さくらさんの感想 · 2004年8月29日]

首都テレビの報道番組「ナイン・トゥ・テン」で売春元締めとして取り上げた少女が自殺した。その恋人である八尋樹一郎は独占インタビューを行い、ライバル局である東洋テレビの視聴率を跳ね上げる。やがて八尋はオピニオン・リーダー的存在になってゆく。八尋に釈然としない何かを感じる赤松。２週間の休暇を取った赤松は独自で八尋の過去を探り始めた。



「破線のマリス」の事件は過去にあったという感じでさらりとリンクしてあり、赤松の成長も楽しめますし、キャスターの長坂も登場してるので続けて読むと楽しいかも。続編的な感じですが、物語自体や風味は全く違います。
八尋を追って行く後半はスリルがあって面白いが、その前までが単発的に感じるので小説全体の流れとしてはスムーズ感が無いような。個人的に３章から始めても別に問題は無いんじゃあ・・・と思ったり。
１〜２章を書くのなら、もう少し３章からの厚みを増やして欲しかった気がします。ちょっとあっけない感じ。
別に面白くないわけじゃあ無いが「破線〜」の方が好きだなぁ。