- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062739689
作品紹介・あらすじ
もうどこにも、逃れる場所はない。2002年版「このミステリーがすごい!」第2位、第4回大藪春彦賞受賞。九野薫、36歳。本庁勤務を経て、現在警部補として所轄勤務。7年前に最愛の妻を事故でなくして以来、義母を心の支えとしている。不眠。同僚花村の素行調査を担当し、逆恨みされる。放火事件では、経理課長及川に疑念を抱く。わずかな契機で変貌していく人間たちを絶妙の筆致で描きあげる犯罪小説の白眉。(講談社文庫)
感想・レビュー・書評
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恭子の豹変ぶりに驚きます。久野も恭子にもハッピーエンドを期待してしまいましたので結末はこれで終わり?と思いました。
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人生の歯車が狂ってだんだんおかしくなっていく様がリアルで、下手なホラーより怖かった。
長編ながら、テンポよく進んでいくのでそんなに長く感じなかったかな。
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リアリティがありすぎて、ついつい妻の恭子の気持ちになってしまっている自分にビックリした。朝から読んでたら通勤途中にはどんよりとパートに出かける恭子になっていた
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奥田英朗のサスペンスはやっぱりオチが弱い。途中でえ!?っとなるような展開があったのに、そこは深掘りせず進んでしまい不完全燃焼だった。むしろ、そこは本作品において"邪魔"だったのでは?
お後がよろしいようで -
素晴らしい。エンタメ群像劇でありながら、人生の絶望や皮肉や希望を謳いあげている。主人公の九野刑事の屈折したキャラが魅力的で共感できる。ちんけな狂言放火に端を発するこの物語は、7年前に愛する妻を失った九野刑事と、スーパーでのパート勤務の及川恭子を軸に、緊張感とスピード感を加速させながら進んでいく。その見事な術中にはまった読者は、いつの間にか一筋縄ではいかない人生の悲哀と希望をそこに見つけ出し、決してハッピーエンドではないけれど、「強く生きればなんとかなるさ」と心が浄化されるのであった。
影の薄いお義母さんの描写が秀逸。
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上巻の後半からは、先が気になり一気読みだった。奥田さんの作品は、何だかいつもそうなってしまう気がする。安易なハッピーエンドや最悪な結果の回避は、奥田さんの小説にはないのだろうと思いつつ(と偉そうに書くほど奥田さんフリークでもないのだが、何作か読んだ印象として)
それでも読み進めるのを辞められない。
この作品は【邪魔】なので、おそらく物語を通して、誰かが誰かにとって、ある組織にとってある組織が【邪魔】だと言うことがテーマになっているのだとは思うのだが、
私は、途中からずっと”正義””正しいこと”とは何だろう、と思いながら読んでいた。
もちろん、及川(夫・茂則)がしたことには、同情の余地もないのだが、それなら、警察は正義なのだろうか。捜査本部内でのメンツや権力争いは、正しさを求めるが故ではないだろう。会社も正しさを求めるのなら、隠蔽することではなく、及川のことも、これまでしてきた社内の不正についても罪を追求するべきなのに。桜桃会の活動もそうだ。一見、正義を追求し社会の弱者を救済する活動のように見えて、もはや何を目指しているのか。スーパーの社長の言う、スーパーを続けることでの地域への貢献とか、従業員の生活についても、一理あると思ってしまうし(企業が本当は従業員の権利や生活なんて重視していないと言うことは分かった上でも)。
企業にしても警察にしても、社会や地域への貢献を目指しているはずで、それは社会を構成する我々市民への貢献になるはずなのに、必ずしもそうではないと思うと脱力してしまう。
恭子も本当に子供を思うなら罪に気付かぬふりをしたり、ましてや自分の罪で隠すべきではなかったはずなのに。正義はどこにあるのだろう、、、正しいってなんなのだろう、、、
恭子はどうしているのだろう。北陸にでも逃げたのだろうか。
子供たちはどうなるのだろう。本城を離れてほとぼりが冷めたら、何とか平穏に生きていけるだろうか。
頭を抱えたくなる気持ちのまま、エンディングを迎えてしまったな。 -
ふうむ。
実はよくおぼえていない。
う~~~~~ん。 -
あらすじ
もうどこにも、逃れる場所はない。2002年版「このミステリーがすごい!」第2位、第4回大藪春彦賞受賞。九野薫、36歳。本庁勤務を経て、現在警部補として所轄勤務。7年前に最愛の妻を事故でなくして以来、義母を心の支えとしている。不眠。同僚花村の素行調査を担当し、逆恨みされる。放火事件では、経理課長及川に疑念を抱く。わずかな契機で変貌していく人間たちを絶妙の筆致で描きあげる犯罪小説の白眉。
著者プロフィール
奥田英朗の作品





