QED 東照宮の怨 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739757

作品紹介・あらすじ

巨大な謎の複合体(コンプレックス) 東照宮に挑む、桑原崇

「三十六歌仙絵」を狙った連続強盗殺人事件が発生。不可解な事件の手がかりは意外にも日光東照宮にあった。「陽明門」「山王権現」「三猿」「北極星」「薬師如来」「摩多羅神(またらじん)」「北斗七星」。桑原崇が東照宮に鏤められた謎を解き明かした時、天海僧正が仕掛けた巨大な「深秘(じんぴ)」が時空を超えて浮かび上がる。好調シリーズ第4弾!

感想・レビュー・書評

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  • 東照宮の秘密がおもしろい。一度は行ってみたいな。
    殺人の動機がそれとはね。
    まあ人それぞれ。動機もそれぞれ。そんな殺人も歴史の中にはあるのかもしれない。

  • 読書録「QED東照宮の怨」3

    著者 高田崇史
    出版 講談社文庫

    p246より引用
    “ 色々な知識は、持っているに越したこと
    はないが、持っているからといって、それ以
    上先に進まなければ、何の意味もない。自分
    が、辞典やCD-ROMになるのではなく、それを
    活用してこそ、その人間にも資料にも、初め
    て価値が出てくるのだから。”

    目次より抜粋引用
    “阿形
     其の市
     其の爾
     其の惨
     其の死”

     博学な変人薬剤師とその後輩を主人公とし
    た、長編ミステリ小説。同社刊行作文庫版。
    シリーズ第四弾。
     忙しい夏場を乗り切り、少し落ち着いて薬
    局の仕事に励む主人公・棚旗奈々。次に来る
    風邪のシーズンに備え、気持ちを整えている
    時期のはずが、人の入れ換わりが起こり…。

     上記の引用は、日光東照宮についての主人
    公・桑原の説明を受けた、棚橋奈々の胸の内。
    活用できる知識を持って何かを成すのは、大
    事な事なのでしょう。しかし、何の役にも立
    たない知識が増えることに喜びを覚えるのも
    人の営みらしいですから、隣に居たら便利な
    辞書のような人になるのも、面白いかもしれ
    ません。ネットで検索する時代になって、も
    う必要ともされないのかもしれませんが。
     歴史上の出来事とそこに隠された人の思惑、
    それが回り巡って現代で事件となる。ミステ
    リ好きでなくても面白いシリーズではないで
    しょうか。

    ーーーーー

  • 日光東照宮の存在意義に迫るという、今回も壮大なスケールの謎解きでした。
    半分はこじつけかもしれないけれど、よくもここまで関連付けて理論を展開できるものだと関心するし、ある程度は真実かもと思ってしまいます。
    その高田理論の真実味の加減が絶妙なんですよね。
    ただ、かごめかごめは流石に飛躍しすぎかな。遊女説に軍配を上げたいです。

  • 久し振りのQED。きたぜ南光坊天海。行きたいぜ日光東照宮。胡散臭さも含めて納得したような気になる安定のお楽しみ蘊蓄。主人公たちの人間関係も健全な学生集団のように安定してる。作者はいじる気ないのかな。いつもはおまけでしかない事件も今回は唖然。これはバカミスの括りでいい気がする。ちょい役にはもったいない外嶋の出番増を期待したい。数年前、京博で「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」をやってたな。和歌自体はようわからんけど観たかった。

  • 最高傑作との呼び声も高い第4弾。 
今回のテーマは「三十六歌仙絵」と「東照宮」。そして、とある有名な童謡・・・今回の事件はおこるべくして起こった、と言ってもいい(くらいに歴史薀蓄とマッチしている)と思います。 
 このシリーズの犯人や重要な人物って、自分だけの世界、と言うか使命を持っている人が多いようです。なんにせよ、今回も歴史薀蓄の雨霰。覚悟してお読みください(笑)

  • 徳川幕府嫌いの後水尾天皇の書のおかげで、倒幕の官軍から東照宮が守られた事。
    動物、奇獣盛りだくさんの東照宮にいない、馬の秘密。今回も、盛りだくさんで楽しかったです。


  • 東照宮に行く前にこの物語に出会っていたらもっと違う視点で見ることが出来ただろう。
    何気なく観光していたけれど、東照宮には観光案内に載っていない見所がこんなにもあったとは!!
    東照宮にまつわるタタルの話は本当に面白かった。
    たとえそれが、学問的には「そういう見方も出来ないことはないよね」などと言われるようなものであったとしても、東照宮に対する認識を変えるだけの内容だった。
    QEDシリーズはミステリーとしての謎解きよりも、タタルの語る「うんちく」目当てに読んでいるようなところがある。

  • QED-4。日光東照宮と三十六歌仙絵。
    三十六歌仙絵の押入強盗殺人。いりくんだ人間関係。


    C0193

  • 「三十六歌仙絵」を狙った連続強盗殺人事件が発生。不可解な事件の手がかりは意外にも日光東照宮にあった。「陽明門」「山王権現」「三猿」「北極星」「薬師如来」「摩多羅神」「北斗七星」。桑原崇が東照宮に鏤められた謎を解き明かした時、天海僧正が仕掛けた巨大な「深秘」が時空を超えて浮かび上がる。好調シリーズ第4弾。

  • 東照宮に展示されている三十六歌仙絵の歌が通常の物と異なるというタタルの発見から物語が始まるので、今回も和歌にまつわる話になるのかと思いましたが、メインの謎はタイトルどおり日光東照宮についてでした。
    天海僧正が京都を模したり風水や陰陽道に基づき寺社を配置して徳川の時代が長く繁栄する様に江戸の町を設計したという話は聞いたことがありましたが、その要となる東照宮を脇役に据える様な仕掛けとしていたなんて、その発想のスケールの大きさに圧倒されました。
    こんな謎の前には殺人事件さえ瑣末に思えます。

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著者プロフィール




「2023年 『江ノ島奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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