悪魔のラビリンス (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739979

感想・レビュー・書評

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  • 名探偵と怪人、ミステリー好きにはたまりません。

  • 悪魔のラビリンス
     プロローグ

     第一部 寝台特急《あさかぜ》の神秘
     メフィスト 2000年5月

     第二部 ガラスの家の秘密
     メフィスト 2001年1月

     第三部 解けゆく謎、深まる謎
     メフィスト 2001年1月

    文庫版のあとがき

  • ー この日を境に、私たちのまわりでは、世界はすっかり様を変えてしまった。それまでの長い間、私の周囲は明るい太陽に照らされた楽園だった。それが突然、真っ暗な地獄風景へと変貌したのである。暗闇の世界に隠れ潜んでいた巨大な魔物が飢えた野獣のように獲物を求め、我々の世界を我が物顔で闊歩し始めたのだった。

    あれから長い年月を経て一つ二つの事情が変わり、一部の条件も揃って、今ようやく、私はこの事件について発表することを許された。本当のことを言うと、私はこの陰惨な事件を積極的に語りたいとは思わない。しかし、真実はいつも一つである。それを糊塗することはできないし、私にはその権利もない。世の中の人間は、事実を知る必要がある。あの頃、日本人の一人一人が、《魔王ラビリンス》の餌食になる可能性があったというそれだけの事実からしてもだ。 ー

    大時代的な言い回しやセリフ、思わせぶりな表現、二階堂蘭子のいかにもな振る舞い、探偵小説のガジェットてんこ盛りの名作。

    《魔王ラビリンス》との死闘を描く冒険活劇の第一作目。
    続きが気になる。

    江戸川乱歩リスペクトの作風でこれはこれで面白い。

  • 再読。蘭子シリーズ11作目。

    魔王ラビリンスがとうとう登場。
    作中での時間軸は4部作よりも前にあたる。
    探偵VS怪人の構図は、乱歩を読みあさって育った私には懐かしさを覚える嬉しいもの。
    物語的には蘭子VSラビリンスの、プロローグ的位置付けでしょうね。
    謎を残して終わるので続きもこのまま読み進めたいところですが、『双面獣~』が相当グロかった記憶があるので、ちょっと小休止。

  • 二階堂は完成度が高く読みやすい。
    「殺人の美学」魔王ラビリンスの登場。
    彼と蘭子との対決はまだまだ続く。完。

  •  名探偵二階堂蘭子と魔王ラビリンスの死闘を描く連作短編。といっても、事実上2編だし、かなり強いつながりがある。ただし、それぞれの短編で示される謎は解決するが、全体を貫くいくつかの謎はまったく解決していないし、これからも続いていくことが予想される。というか、そうでなければ怒る。
     トリックは鮮やか。でも、やや小粒な印象。話の内容も、なんか能書きだけが派手で、あんがいちまちましているような感じがする。それもこれも、前に読んだ「人狼城」があらゆる意味で派手だったからだろう。ちょっと物足りない気分のまま読み終えた。
    2004/8/14

  • 『寝台特急〈あさかぜ〉の神秘』
    二階堂蘭子の元に届けられたラビリンスからの挑戦。寝台特急〈あさかぜ〉で殺害された上野リリカ。ラビリンスから命を狙われていた〈悪魔サタン〉。寝台特急の密室の謎。

    『ガラスの家の秘密』
    死体の見つかった四方城家の屋敷。ミイラ化した4つの遺体も謎。ラビリンスに囚われ脱出した柴田有作。四方城春近、晋太郎親子の殺害遺体。男色の気のあった晋太郎。密室のガラスの家の殺人。

     2010年8月8日再読

  • シャーロック・ホームズに憧れた著者が書いた作品。
    その想いの強さに打ちひしがれ、私は半分までしか読めなかった。
    というのも、
    ・ワトソン役が、しょうもないことを数十行に渡って大袈裟に述べ、ページ数を稼ぐという大役を果たしている。
    ・ホームズ役は、ツンデレ嬢。
    ・どうやらサーカス団の人間は何でもできるらしい。

    余りにシャーロック・ホームズへの憧れが強過ぎて
    却って侮辱的な作品になってしまったようだ。
    決して著者は悪気があったわけではないことを信じたい。

  • 二階堂蘭子シリーズ。

    魔王ラビリンスVS二階堂蘭子シリーズの一作目。

    名探偵にライバルは付き物ですが、
    かなり残忍非道なライバルのようです。
    これからの展開がまた楽しみ??

  • なんかおしまいまでグッと来ないなあ・・・と思っていたら、
    魔術王事件への布石だったのね・・・どうりで・・・。

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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