都市国家から中華へ (全集 中国の歴史)

  • 講談社 (2005年4月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (456ページ) / ISBN・EAN: 9784062740524

作品紹介・あらすじ

興亡果てなき動乱時代初めて書かれた殷周 春秋戦国の虚実
文王・武王・周公の理想?孟嘗君・蘇秦・蘇代の合従連衡?

漢代以後の史書や注釈によって語られてきた夏殷周三代と春秋戦国。しかし、それらは後代の建て前や常識に規制され、そもそもはなかった内容までが付け加えられている。何が付加されたのか。どこに事実が隠されているのか……。戦国時代の史書をもとに「わかる事実」を探り、事実探求の道筋をたどる。

みんなの感想まとめ

歴史の真実とその解釈の変遷に迫る本書は、春秋戦国時代の複雑な歴史を解き明かします。著者は、主要な歴史書『春秋』に対する異なる地域の注釈が、国家の利害に応じて矛盾を生んでいることを指摘し、読者に新たな視...

感想・レビュー・書評

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  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    本書を読んでいて気がついたことだが歴史書『春秋』の主要な注釈書である3つの伝はそれぞれ成立した場所が異なり、その地域の国家に有利になるような解釈が行われているため記述内容に矛盾が生じているというのはあたり前のことなのに気がつくことができなかったと感心した。
    また、春秋戦国時代は都市国家が地域国家となり、最終的には中華全域を支配する覇権国家が誕生する過程でも会ったので各資料に登場する『天下』という言葉も時代と地域によって範囲が異なるというのも納得した。

  • この二巻目では、中国古代史のうち今のところ実在したかわからないが候補地のある「夏王朝」「殷・周王朝」から「春秋戦国時代」まで書かれています。

  • 昔から思っていた。春秋・戦国時代の歴史は物語みたいだ。作り話っぽいと。

    この本は なぜ史実がそのような物語になったのかをある程度教えてくれている。

  • 殷周戦国時代について書かれています
    個人的に思ったのは、著者の感情が非常に強く滲み出ていて、どうやら特定の層の読者のこの時期の歴史観を何やら正そうと戦っておられるようで、中身がアカデミックな正当性を持ちうる仕事なのかはやや疑問を持ちました
    素人目の間違いなのでしょうが、よくできたこのシリーズのレベルからはやや少しクオリティが落ちると思われました

  • 春秋戦国時代の歴史を、「天下」の歴史ではなく、新石器時代の文化領域を基礎とする国家群の歴史ととらえ、様々な文献の成立背景をあきらかにしている。左伝や公羊伝、春秋や尚書などの成立年代および成立地域をあきらかにしている点には、説得力があり、春秋学や諸子百家研究にも資する所が多い。一部漢文の読み誤りがあると指摘されているようだが、本書の価値は損なわれないと思う。

  •  著者が平勢隆郎というだけでおもしろいことがわかる。
     かれの『よみがえる文字と呪術の帝国:古代殷周王朝の素顔』(中公新書2001年6月)で、中国での国家規模の年代設定すら覆しなにかと曖昧であった殷周時期についての詳細な研究結果を目の当たりにし強い衝撃をうけた。
     読む前からわくわくする書は久しぶり。

     本書は、前掲の新書での内容をふまえ、さらに中国研究に欠かせない春秋三伝の解釈とその成立について、伝統に偏りがちな通時的とらえ方に否をとなえ、共時的ともいうべき殷周時期の実態を説いている。
     この春秋三伝にこれまでにない新しい姿をみるということは、中国研究の根幹をなす経学(その中での春秋の重要度はきわめて高い)の革新すらうながしかねない大きなもの(その革新さといったら、世が世なら思想犯としてぶち込まれてもおかしくないほど)。
     これまで言外の意ともいうべき意味をさまざまに探求する、いわば解釈論的立場が強かった経学(極言すればこれこそ中国における伝統的な学問の姿)について、解釈ではなく、そもそも春秋とその伝は「なにか?」という出発を実証的研究でもって具体的に提示しているのだ。
     中国でながらく行われてきた経学と同じ方法をとろうにも、現代日本人はもちろん中国人にもあまりに伝統の荷が重すぎ(現代人には日中関係なく戦前文人の基礎教養が決定的に欠けてますから)、先行研究の読解だけで人生を費やすこと必定。ならば、本書でしめされたようなこれまでは異なるアプローチによる研究の重要さと発展性につよい期待を抱かずにはいられません。

     わたしが平勢の学術論文には目を通していないためもあるかもしれないが、あまりに斬新な春秋の解釈に(平勢自身本書で読者のとまどいを予期しているが)、にわかに首肯しがたい気持ちも生じるが、なるほどまとまりのよさではこれまで読んできた当該時期の説明よりもよほどしっかりと構築されているようにおもう。
     そのまとまりのよさ、あまりに理論整然としすぎている点こそが、きっと違和感の抱く最大の要因だろう。
     しかし、いくらそのような気持ち悪さがあっても本書が説く内容に惹かれてしまう。おもうに、中国、歴史などいった分野をはなれた「学問」のおもしろさを存分に堪能できるのが本書であろう。

     いやはや、この講談社の「中国の歴史」シリーズはすばらしい。中国に少しでも関わる人間はすべからくこれらを読み、己の中国観構築の材料としなければならないのではないでしょうか。
     中国人も近現代史の戦争問題について教科書問題として騒ぎ立てる前に、日中共々、これまでの中国史の定説の検証からはじめないといけないのでは、とおもってしまいます。

    Amazon(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062740524/qid%3D1125052928/249-0654030-3489111)で、ryo_i_ 「漢文を知らずに中国は語れない」というレビューでは本書での引用文献のあつかいについての誤りが指摘されていた。あたってみるとたしかに…。これは至急に訂正すべきであろう。(本書は、一般向けということで仕方ないのかもしれないが、引用文献はすべて原文の方が読みやすい。書き下し文自体がひとつの解釈の提示であるから、原文と書き下し文の併記が日本においてはもっとも資料としては効果的だろう。)

  • 展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号 222.01//C62//2

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