ぼんくら(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 5225
レビュー : 425
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062747516

作品紹介・あらすじ

「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」-江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 宮部みゆきさんは一番好きな作家なのだが、ファンタジーと時代物にはなんとなく踏み込めずにいた。
    だが、現実から少し離れる時間を作りたい気分の今ならと思い、いつか読もうと購入していた積読の山の中から取り出した。
    20年以上前に書かれた、宮部みゆきさんが生まれ育った深川を舞台とした江戸物の作品です。

    登場人物の数が多くて覚えきれず、途中で人物相関図が欲しくなったが、多少あいまいなままでもいいかと読み進めた。
    「小さな出来事は自分がいなくても何とかなる。大きな事件なら自分がいてもどうにもならない。」という考えの外見「ぼんくら」の同心・平四郎が長屋で起きている不穏な出来事の裏をさぐる。

    上巻では、まず長屋で起きた出来事5件が短編で語られた後、謎解きの章に突入する。
    平四郎の人物像もはっきりしてきて、美形で才覚のある少年弓之助がようやく登場してくる。
    長屋の主であり店子の人達の心の支えになっているお徳さんや、長屋の差配人の佐吉など脇役の人柄もわかってきた。
    さて、このあと何を手掛かりに謎をといていくのか?といったところで下巻に続く。

  • 南町奉行所の定町廻り(厳密には、本所深川方の臨時廻り)同心の井筒平四郎は、世情に通じた、適度にいい加減な(ざっかけない)半端役人。面倒くさい事を嫌い、忠勤に励むでもなく、手柄を狙うでもなく、日々本所深川界隈をのんびり流しているが、それでいて道理や義理人情を弁えた真っ当な役人でもある。

    平四郎は、煮売屋のお徳をはじめ鉄瓶長屋の面々と懇意にしているが、その鉄瓶長屋で、差配人の久兵衛が逃散したのを皮切りに、櫛の歯が欠けるように次々と店子が家移りしていってしまう事態が。地主、湊屋総右衛門によって新たに送り込まれた異例に若い差配人、佐吉は店子の減少に思い悩むが…。どうやら店子の出奔は総右衛門が裏で手を引いているらしく、その総右衛門には陰険な岡っ引き仁平との古い因縁がある。仁平はかつての恨みから総右衛門を執拗につけ狙っているのだ。

    何か良からぬ裏があると感じた平四郎が、鉄瓶長屋の店子転出の謎に挑む。

    もしかして、総右衛門は仁平に何か手の込んだ罠を仕掛けようとしてるんじゃないかな(これは考えすぎかな)。それとも、姪の葵(佐吉の母)を巡る総右衛門夫婦の確執に絡んだ企てなのかな。下巻での展開が楽しみ。

  • 他の読書家の皆さんと同じように、時折無性に読みたくなる宮部さんの歴史小説。宮部さんの筆致は過不足なく、時代背景や風景、人物描写等々とても分かり易い。深川のとある長屋で起こった殺人事件をきっかけに、住人それぞれの物語を短編で紡ぎ、後半は全部を包むミステリーへと繋がる。上手いなあ。主人公は我欲の少ない、でも自分をしっかり持つ同心平四郎。実に魅了的。「俺はおまえさんの信心を邪魔するようなことはしないから、お前も俺の面倒くさがりのところは放っておいてくれ」。柔らかい装幀、挿画も好みの雰囲気。

  • 歴史物は苦手だったが、これはおもしろい

  • なんだろう?スルスル読める。
    それもそのはず、「ぼんくら」を読んで「日暮らし」なんだけど
    先に「日暮らし」を読んでるので、
    相関図がよく分かる。

    井筒平四郎、南町奉行の同心
    町方役人、彼がものすごくいい。
    心が楽になるというか、気が休まる
    江戸市中の
    何も知らなかった町割りとかいろんなことがわかる。深川の治安
    ふむふむ、

    前から江戸は日本の理想で江戸に学べという言葉もあると聞いてる

    生まれ変わるなら、江戸時代に生まれ
    それもおおだなのごりょんさんか、とうさんで

    毎日綺麗なおべべを着て
    歌舞伎やら、お芝居見物にあけくれたい、
    踊りやらお琴やらお稽古をして〜なあんてね。

    とにかく、宮部みゆきと言う人は
    本の中で
    ここはもう江戸、深川の鉄瓶長屋。
    当分はここから抜け出せないわ。




  • 鉄瓶長屋で事件が起こる。
    店子の娘が兄を手にかけてしまったという。
    そこからはじまる差配人の出奔、らしからぬ差配人の出現、相次ぐ店子の家移り。
    日常ののんびりした風景にさしはさむ影・・・。

    ぐうたらした町役人平四郎のキャラクターのおかげか、町人と役人の間はぎすぎすしておらず、そこに忍び寄るぼんやりと暗い影を追うミステリーとして仕上がっています。
    定町廻り平四郎、中間の小平次、長屋の良心ともいえる世話好きのお徳、若き差配人佐吉、佐吉が引き受けた迷子長助、元売春婦のおくめ、平四郎の甥っこ弓之介、隠密廻り黒豆とたくさんの愛すべきキャラクターが出てきます。
    ついつい先へ先へとページを繰ってしまう。
    謎を共に追ってゆくのも面白く、日常の風情もよく、とてもよいお話。
    まだ続くようなのでうれしい!

  • 井筒平四郎のぼんやりとした雰囲気がなんともいえず、いい雰囲気をだしている。弓之助はとてもいい子だし、奥さんとのかけあいも面白い。
    平四郎と同じように「なんだかなぁ」と思ってしまう所もあるけれど、嫌な気持ちだけでは終わらない。
    時間が経つとなんとなく読み返したくなる本。

  • 主人公の平四郎はタイトル通り、ぼんくらで頼りない。
    でも、鉄瓶長屋の住人とは顔なじみで距離も近く、信頼もされている。

    本来なら役人と一般人なんて距離がありそうだけれど(というか、ある。今、現在も)この平四郎のキャラクターが変に役人面したり、威張り散らしたりしないから慕われるんだと読んでいて感じた。

    物語自体は短編で幾つか収録されているけれど、少しずつ繋がっていて読めば読む程、その先が気になって気になって仕方なくなる。面白い、本当に面白い。

    普段は1つの物語の世界に浸りたいので、長編ばかり読んでいる。だから読み始める時、最後まで無事に読了できるか心配だったけれど徒労に終わった。

    果てさて、この長屋で起こった事件の数々の背景と地主の湊屋の真の目的は。。。

    下巻に続く。

  • まーまー

  • 感想は下巻で

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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