すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫)

著者 :
制作 : 北上 次郎  長崎 訓子 
  • 講談社
3.51
  • (97)
  • (179)
  • (380)
  • (24)
  • (1)
本棚登録 : 1383
レビュー : 116
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062747547

作品紹介・あらすじ

あなた、この世でいちばん重たい荷物って何だと思う?
傷ついたすべての心にやさしく降り積もる物語。

宿を整え、厨房を手伝い、動物の世話をする。訪れるのは不登校の少女や寂しい老人、夢を追う花屋の娘たち……。人々との出会い、自然と格闘する日々が、少しずつ祐介を変えていく。一方、瞳子は夫の消息を追ってエジプトへ。もう一度誰かを愛せる日は来るのだろうか――。壊れかけた心にやさしく降りつもる物語。

本書は失恋の痛手をかかえた大学三年生の祐介が、信州の宿にアルバイトでやってきて、そこで再生していく物語である。そう言ってしまうと、いや、それだけではこの小説の魅力のほとんどがこぼれ落ちる。(中略)村山由佳はのちに『星々の舟』で直木賞を受賞するが、それもこの作品のときから約束されていたといっていい。実に鮮やかな青春小説である。――<北上次郎解説より>

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 村山由佳の心情の描写に何度もすごいと思わされる一冊。

    人生のどん底みたいな気分を味わっても、それが永遠に続く訳じゃない。
    そして立ち直るきっかけを与えてくれるのは、たいていの場合、周りにいる人なんだな~、と。

  • BANANAFISHのあとがきで、自分自身も「再生」をテーマにしてるという話を読んだことがあります。なるほどな、確かに村山さんの書く作品はそういう面が強いかもしれないと思った。

    実は上巻の時から主人公が好きじゃなくてね!
    こいつうっとおしいわ~と思いながら読んでたんだけど、最終的にそんなに嫌いではなくなった。
    私は基本的に主人公にカッコよさを求めてしまうので、その辺を諦めてしまえばなんてことはないのかも。
    話のテーマ自体はすごく好きな種類ですし、素敵な考え方、言葉が沢山詰まっているように思えました。

    題名は「Every cloud has a silver lining」「どんな不幸にもいい面はある」と言う意味らしいです。能天気な格言、私も好きです。

  • ちょっと刺激的なところもあるけど、まぁ、良かったな。5年後の話とか期待しちゃう

  • ずっとうじうじしていた主人公が最後にやっとスタートラインに立ち、続きは読者の想像にお任せという感じのラストでしたが、主人公が立ち直るまでが丁寧に描かれていたので読後感は爽やかでした。

  • 瞳子さんのさばさばした性格、いいな。

  • 下巻にて。

  • とにかく瞳子に尽きる話だと思った。こういう再生の物語は嫌いじゃない。村山由佳は失った想いについてをよくモチーフにするんだな。ラストで瞳子とセックスするのは、最初から予感があったけど、どうもノルウェイの森のレイコと重なった。

  • それぞれスタートラインについたところで、今後のことは読者の想像に任せるといった感じの終わり方でした。
    登場人物それぞれ、いいことを言っているのだけど、爽やかさを出したかったのか、全体的に浅い感じ。
    兄貴と由美子のカップルには最後まで「ふざけんな」と思い、もやっとしたままだった。
    祐介の口調が、園主と瞳子さんが注意したように「スカスカ」耳障り(目障り?)だったので、上巻と同じように☆3個で。

  • これは下巻。不登校の少女、淋しいおじいちゃん、花屋に夢をかける娘、そして夫をおってエジプトへいった瞳子。色んな人の悩み葛藤しながら前に進んでいく姿が見えます。
    兄貴が登場してきたのはなんだ納得がいきませんでした。勝手か!

  • それぞれの傷を負い、出口のない自分の居場所を失った人々が、信州菅平のペンション「かむなび」に引き寄せられ、徐々にそれぞれの出口を見つけ歩き始めるというストーリー。ハッピーエンドでもなく、その逆でもなく、人生はまだまだ続くし、その一歩一歩の途中であるという終わり方は嫌いじゃない。
    作中の、個性についての園主の言葉や、瞳子さんの逆の発想にはっとさせられたり。
    「個性」とは、「人と違うもの」ではなく、「どれだけ沢山の人に共感してもらえるか」なるほどその通りだと思った。

全116件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫)のその他の作品

村山由佳の作品

すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする