- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062747592
作品紹介・あらすじ
恥や減点の対象ではなく、肯定的に利用することが、失敗を生かすコツ。個人の成長も組織の発展も、失敗とのつきあい方で大きく違う。さらに新たな創造のヒントになり、大きな事故を未然に防ぐ方法も示される-。「失敗は成功の母」を科学的に実証した本書は、日本人の失敗に対する考えを大きく変えた。
感想・レビュー・書評
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●二万個の失敗情報を集めても意味はない。全体を理解する事の大切さ、必要な失敗情報は最大三百個に絞りこむ、リーダーによって失敗は三倍違うなど、失敗をプラスに考えるヒントを提起。
●以前に、畑村さんの講演を聞きました。大変分かりやすく話して頂きました。失敗は成功の母と言います。失敗は誰にもあります。この本をヒントに失敗の意義を考えましょう。
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大きな失敗が発生するときには、必ず予兆となる現象が現れます。ハインリッヒの法則に従えば、ひとつの大失敗の裏には現象として認識できる失敗が約30件はり、その裏には「まずい」と感じた程度の失敗とは呼べないものを含めて300件もの小失敗があるからです。
(略)しかし現実には、こうした失敗の予兆は放置されることがほとんどです。なぜなら失敗は「忌み嫌うもの」であり、できれば「見たくない」という意識が人々の中にあるからです。(p89)
この本には、いわゆる失敗の種類、原因、対策のほとんどが網羅されていると思ってよいだろう。
たとえば、第三章「失敗情報の伝わり方、伝え方」のところでは目次だけでも、我々には「そのとおりだ」ということ、管理者には「耳のいたいこと」が並んでいる。曰く、
失敗情報は伝わりにくく、時間が経つと減衰する。
失敗情報は隠れたがる。
失敗情報は単純化したがる。
失敗原因は変わりたがる。
失敗は神話化しやすい。
失敗情報はローカル化しやすい。
客観的失敗情報は役に立たない。
失敗は知識化しなければ伝わらない。
六項目による記述。
当事者が記述できないときはどうするか。
決して批判をするな。
問題はこれをどのように生かすかにかかっている。
私は著者が失敗を学門にまで高めた功績を認めつつも、もっと厳密にそれを実行することを求めるものである。それには理由がある。
そもそも、この本を買ったのは畑村氏が菅元首相が組織した第三者機関「事故・調査委員会」の委員長に就任したからである。今年中に中間報告を出す予定になっている。この委員長はどこまで「頼りになる」か見極めたかったのである。
この本を読む限りでは、未曾有の原発災害が二度と起きないための処方箋を畑村氏が強いリーダーシップで出し切ってくれるだろうと期待できる内容である。ところが、今はそれに私は懐疑的だ。
この感想を書くに当って、調査委員会の動きを調べたが、ほとんど聞こえてこない。それどころか、第一回の6月7日の会合のときに畑村氏はこう言っているのである。
「原因究明の動作ができなくなってしまう」として「責任追及は目的としない」としたのである!!!!
なるほど、責任追及を始めれば、歴史的には中曽根や正力、あるいは安保体制そのものにまでふみこむ必要があるだろう。それは確かに難しい作業になるかもしれない。しかし、第七章「致命的な失敗をなくす」の章で著者は「リーダーにより失敗は三倍違う」とかいているのだ。リーダーの失敗を問わないで、どうやって本当に建設的な提案ができるというのか。
私はせめて中間報告で、来春から始まるだろうストレステストに対して本格的な建設的提案をしてくれることを望む。 -
失敗について、反省しないことがよくないことであって、失敗自体はわるくはない。成功にしろ、失敗にしろ、あくまでも1つの結果であるのだから。
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失敗は「新たな創造の種となる、貴重な体験」 —— 。人が失敗してしまう原因から、そこから学び次へとつなげる方法まで、著者の実体験を交えながらわかりやすく説く。2000年の刊行以来、長く読み継がれる「失敗学」の名著。
プロローグ 失敗に学ぶ
第一章 失敗とは何か
第二章 失敗の種類と特徴
第三章 失敗情報の伝わり方・伝え方
第四章 全体を理解する
第五章 失敗こそが創造を生む
第六章 失敗を立体的にとらえる
第七章 致命的な失敗をなくす
第八章 失敗を生かすシステムづくり
エピローグ 失敗を肯定しよう -
2018/9/21読了。失敗学ってあるのかなーと思って検索してみたら発見。
なるほどなるほどイチイチもっともと思いながら読めたのは、自分の中で失敗というものが隠されるものという認識がまだあるせいかもしれない。
仕事に活かせるかと言われると工夫が必要だと思うが、とりあえずシミュレーションの企画には活用出来そう。 -
失敗をどのように活かしていくか、理論と実践の双方に切り込む良書。
著者は元々は機械工学の専門家ですが、本著の内容は文系・理系問わず仕事に活かせるものばかりです。特に第3章、4章は組織の中の個人がどのように立ち振る舞えば良いのかの示唆に富んでいます。
失敗が多く、未然防止を考えたい方にお勧めです。 -
失敗をレベル別にカテゴライズ。
データベース化。
等役立つ内容満載。 -
どの組織や個人は失敗するが、失敗の分析、改善、思考などを行い、肯定的に捉えることが重要。非常に読みやすく、実例が多く取り上げられていて、分かりやすい。