99%の誘拐 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4240
感想 : 555
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062747875

作品紹介・あらすじ

末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第十回吉川英治文学新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 内容は、面白く一気に読めた。
    しかし…古い作品なんで、コンピューターとかの機器がかなり前時代な感じ…
    内容とは別に、その辺りも懐かしく読めた。
    でも、今の人に分かるんかな?

  • 動機も方法もなかなか深い。
    ミステリーで良ろしくないのは、散々悩ませ、謎解きさせた挙句、後半にひょっこり出てくる付箋にもなんにもなり得てない人物が実はこーゆー動機があって犯人でした。後付けかよ!ってやつ笑
    幼少期に誘拐されたことのある慎吾は、その8年後に父の残した手記により真実を知る。
    さらにその12年後に起こる誘拐事件とは…。
    最初から動機ありきで犯人が綿密に仕掛けた犯罪がどう進み、周りがどう反応してゆくのかを傍観していられるのは面白い。
    復讐劇…敵討ち…誰にだってご都合主義の自分の正義がある。事情がある。
    だからと言って、大人の事情に子どもを巻き込んじゃいけない。
    誘拐されたものだけが知る孤独や不安や恐怖…それは皮肉にも誘拐した少年への配慮となる。
    面白いけど、仕掛けがハイテク過ぎて(昭和63年ですけど笑)ついて行くのが大変でした汗
    今年の14冊目
    2020.5.5

  • 約30年前の作品なのに使われてる機器がハイテクすぎる! 現代人の自分でもそんなの知りません(笑)

    緊迫感もさることながら、やはり身代金の受け渡し
    方法も秀逸。
    ただ、なんかイマイチ盛り上がりきらないような感じがあったかな...
    まぁ悪くはなかったです。

  • +++
    末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第十回吉川英治文学新人賞受賞作。
    +++

    時を隔てて起こった二件の誘拐事件。どちらも、犯人からの細かい指示によって、捜査が撹乱され、まんまと身代金を奪われてしまい、犯人逮捕にも至らないという共通点がある。しかも、どちらにもかかわりのある人物が複数いるのである。一件目は、フェリーを使い、二件目はコンピュータのプログラムを駆使して、捜査陣をけむに巻いている。初出はなんと1988年だという。当時の警察には、まだまだ不得意な領域だったのだろう。現代で起こったとしても、かなり厄介なことになりそうな印象である。次にどう出るか、という興味は尽きず、ハラハラドキドキしながら読み進むことができるのだが、誘拐事件という負の連鎖故か、読後にもやもやしたものが残るのは否めないのが残念ではある。それを置けば、愉しめる一冊だった。

  • 講談社フェアの対象だったので、数十年ぶりに読み直しました。
    当時もそうだったのですが、続きが気になって一気に読了してしまう一冊です。
    解説の着目点も面白く、時代がたっても色褪せない本だと思います。

  • 本書は、30年以上前に執筆されたものなので、少し時代を感じる部分はありましたが、父親の仇(と私は解釈しました)のため、主人公・慎吾が一人で完全犯罪を成し遂げようとするまでのスリル溢れる描写には、読む手が止まりませんでした。
    さらに、最後の解説を読んだときは、そういう視点もあるのか、深い!と思いました。
    講談社文庫・50thミステリーフェアのポーチもゲットでき、良かったです(笑)

  • 病で亡くなった生駒洋一郎の手記に綴られた8年前の誘拐。息子・慎吾は戻ったものの人生を狂わされた事件は未解決に終わる。それから12年後、その事件に繋がる新たな誘拐事件が発生する。誘拐を被害者と犯人の視点から世代を超えて描き出す作品。

    手記と新しい誘拐事件の二部構成にしているのがとにかく上手いと思う。まず提示される誘拐被害者の視点から綴られた手記。事件自体の謎はもちろん、そこに滲む洋一郎の様々な感情が心を震わせる。息子に対してのあたたかな思いと、やり切れない気持ち。これがベースにあるからこそ、続いての誘拐事件が切実なものへと変わる。

    慎吾がすべてを独りで成し遂げようとしたのは、その父親の思いを形に変えるためだったのかなと。手記にあったように「最後までやり遂げることができない人間だった」という無念を晴らすこと。奪われた父の技術や人生は決して弱いものではなかったんだと証明するために必要だったんだよね。自分が被害者であったからこそ生まれるやり取りも味わい深い。

    コンピュータを使った誘拐はアイテムこそは古さを感じるものの、発想は今の時代に読んでも新鮮に読むことができた。犯人の意図に振り回され、謎の山をノンストップで駆け下りていくスピード感そのままに読み終えてしまった。ラストシーンも好き。誘拐の最後1%が闇に溶けて消えていくほろ苦さが心地いい。

  • 20年前、5000万円の相当の金を要求する誘拐事件が起きた。
    未解決のまま幕を閉じた、その事件をなぞるかのように再び起きた誘拐事件。
    要求額は10億円相当のダイヤ。
    IT技術を駆使して完全犯罪に挑む犯人と警察の攻防。
    読む手が止まらず楽しめました。

    30年前にここまでの技術があったのか、機械に疎い私には解りませんが、これだけのことを考えつく作者には脱帽です!

  • たまたまブックオフでタイトルを見つけて即購入。

    岡嶋二人! 中学校の時に作品を読みまくっていたミステリー作家さんでした。
    久しぶりに読み返してみて、あれ、ほとんど内容を覚えていない…ということに愕然。しかしスピード感に溢れ、最後までどうなるんだ!?とドキドキさせる物語の展開はさすが、やっぱり私が好きだった作家さんだ、と満足しました。

    フロッピーディスクとか、公衆電話からのパソコン通信とか、時代を感じさせるアイテムが出てきますが、あまり違和感は感じませんでした。

    第十回吉川英治文学新人賞を受賞している作品だったんですね。知らなかった。

  • 誘拐モノ史上最高傑作だと聞いて。

    面白かった!
    これまであまり岡嶋二人作品に感心しなかったんだけど(言うほど読んでないけど)、これは肌に合った。
    多分ヒトが死ななかったのと、犯人の非道さが強調されがちな誘拐モノとは違った視点の物語だったからだろう。

    未解決の誘拐事件から19年、その事件をなぞるような第二の誘拐事件が起こる。
    特に後半の誘拐事件は、読者に犯人が明かされている状態で展開するので、身代金の受け渡しが成功するかどうかと、犯人を暴く人が現れるかどうかが読者の注目点になる。
    生駒慎吾=犯人の動機が充分なだけに、気がつくと応援してる自分が居たり。

    まぁ、でも確かに復讐の方法としては間違ってるかもね。なんの罪もない(誘拐された)子供の心に大きな傷を負わせることになるもんね。
    そうは思うけど、目には目を、の精神で復讐劇を実行する慎吾に肩入れして読んじゃったよね。

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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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