ヴァンパイヤー戦争(ウォーズ) 1 吸血神ヴァーオゥの復活 (講談社文庫 か 54-7)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062747981

作品紹介・あらすじ

蝙蝠を思わせる黒マントの男とその配下が極秘計画を進めるNASAの通信基地を急襲、計画を頓挫させる。しかし、それは時空を超えた「光と闇の戦い」の序章にすぎなかった。戦いに巻き込まれた九鬼鴻三郎は攻防のカギを握る美少女・ラミアに近づく。兆す黒マントの影。壮大な伝奇世界の扉が、いま開かれる。

感想・レビュー・書評

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  • ミステリ作家や批評家としても活躍している著者による、長編伝奇小説です。

    KGBのスパイとしての活動歴をもつ九鬼鴻三郎は、パリの街でフランスの秘密情報機関に所属するジョルジュ・ラザールの依頼を引き受けることになります。それは、CIAのチャーリー・ミランの目的をさぐるというものでした。九鬼は、「キキ」ことラミア・ヴィンダウというファッション・モデルの少女をCIAが追っていることを知り、彼女の身柄を確保します。しかし、そんな彼の前に蝙蝠のような恰好をした不気味な怪人が現われ、その人間離れした力で九鬼を翻弄します。九鬼は、キキの身体を流れる血にかくされた秘密を知るために日本にわたり、世界の秘められた真理を求めている室田玄有という老人のもとへと向かいます。

    壮大なスケールの伝奇的想像力と、エロス、ヴァイオレンスが詰め込まれた作品で、エンターテインメントに振り切った内容です。あまりの荒唐無稽さについていけないという読者もいるかと思いますが、かつての伝奇小説ムーヴメントのひとつの到達点であり、奈須きのこなどのいわゆる「新伝綺」ムーヴメントからこの世界に入ったひとにとっては、その来歴を知ることができるという意味でも興味深く読めるのではないかと思います。

  • 再読。高校の時は、ウルフガイシリーズの西城恵を主役にしたような話だなと思った。当時、主人公の九鬼が職質で生意気な口をきいた若い警官を殺して、わざわざ便所に捨てるシーンにどん引きしたが、その印象は今回も変わらない。解説に筆者の前歴が左翼活動家とあり、ある意味納得した。権力側であることはそんなに罪深いことだろうか。

  • ちょっとゾットするシーンがおおめたなとおもった

  • 9784062747981

  • 表紙のTYPE-MOONにひかれて購入。
    笠井潔よミステリはいずこ。

  • 全11巻+番外編が3冊あり。

    じつはジャケ買い。絵はTYPE-MOONの武内先生。彼らの作品も素敵です。
    ペダントリーな笠井潔らしく、重火器類、諜報機関やらNASA的な用語が頻出します。
    物語の核はヒロインキキと、九鬼と出会っては死んでいく女たちの美しさですね。

  • 表紙買い(笑)

    戦争と銘あって銃撃アクションシーンが多いし、またセクシュアルでもある。
    また、吸血鬼関連の話もいろいろと出てきて勉強になる(かも?)

  • わたしが笠井潔という作家に手を出し始めたとき「バイバイ、エンジェル」からはじまる【矢吹駆シリーズ】に手を出したが、次に手を出したのがこの【ヴァンパイヤー戦争シリーズ】これは第一巻。思っていた以上に壮大な、それはもう宇宙規模の大伝奇ロマンアクションバイオレンスとちょこっとエロス(長い。それくらい壮大)<hr>主人公は九鬼鴻三郎という元KGBのスパイで元テロリストなど様々な肩書きをもつ男。この男が、まぁいろんなイザコザにまきこまれるわけです。と、そこにはジェームスボンドよろしく美女が寄り添うのですが、この娘がキキの芸名で活躍するラミア・ヴィンダウだったりするわけです。
    え〜、非常に内容が濃い作品なので語り尽くせませんが、それはまたそのうちに。<hr>ちなみに、キャラデザはFate/stay nightでおなじみのTYPE-MOON、武内崇。で装丁もTYPE-MOONが担当。その理由は奈須きのこが多いにかかわっているらしい。<hr>なんてカテゴリされればいいのかわかりませんが、このまま全巻読むつもりです。ちなみにあとがき解説を評論家の笹川吉晴 氏が書いてるのですがそれがどのレビューよりも詳しいと思う。

  •  今まで、名前だけは聞いていたのですが、なかなか読む機会がなかった笠井潔さん。この度、講談社文庫から装い新たに『ヴァンパイヤー戦争』が出版されたのをきっかけについに読み始めました。

     面白い。
     内容的には、オカルトチックなタイトルにも関わらず、どちらかというとハードボイルド風。しかし、それでありながら一昔前の伝奇のエッセンスがあますところなく使われているのには脱帽。
     全11巻もあるのに序章と終章以外は全て一人称。それも信じられない。

     特に興味深いのは背景にある思想です。
     やはり、ムラキに憧れてしまいます。

  •  けっこう昔に出版されたシリーズの新装版。昨今のセカイ系も良いですが、この圧倒的なスケールには圧倒されます。

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著者プロフィール

作家・評論家。1948年東京生まれ。
79年『バイバイ、エンジェル』でデビュー。98年編著『本格ミステリの現在』で第51回日本推理作家協会賞評論その他の部門を受賞。2003年『オイディプス症候群』と『探偵小説論序論』で第3回本格ミステリ大賞小説部門と評論・研究部門を受賞。主な著作に『哲学者の密室』『例外社会』『例外状態の道化師ジョーカー』他多数。

「2024年 『自伝的革命論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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