13階段 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 7899
レビュー : 1125
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748384

作品紹介・あらすじ

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 「一律の法制度で裁きを行なうには、
    人間の心は多様過ぎる」

    やっと読めた、めちゃくちゃ面白かった。
    判決って結論だけが述べられていて、実に単純明快。だからこそ難しい。そこに至るまで、その裏では、あらゆる人間のあらゆる葛藤が渦巻いている。確かに人間は死神にも天使にもなれるのかもしれない。

    これがデビュー長編...信じられない、これがデビュー?バケモンやん...デビューの文章ちゃうやん...そりゃぶっちぎりで乱歩賞獲るわあ。。。

  • ⚪︎重いテーマなのに読みやすい。罪とは、裁かれるとは、死刑とはなんなのか考えさせられる。もちろん、純粋にミステリー、推理小説としても楽しめる。

    ⚪︎死刑執行に至るまでの死刑囚と刑官の心理描写がリアル。また、法律関連の知識もぎっしりと組み込まれていて、なぜこんなにもリアルに書けるのだろうと思って読み終えたら、巻末の参考文献に死刑関連の書籍がびっしりと並んでいて納得。著者の圧倒的な調査量の賜物である。

    ⚪︎役割上の探偵役である三上と西郷の2人の視点で展開される。話が進むにつれ、二人は罪に向き合っていく。どちらの人物も過去に人を殺した経験により内面葛藤がよくみえる。
    人を殺した経験のある二人が死刑囚を救うために奮闘するという面白い構成。

    ⚪︎終盤の破滅葛藤が三上と西郷それぞれにあるのがいい。二人は同時に絶対絶命のピンチに陥るのだが、居る場所が違うため個人で危機を迎える。二人のピンチの場面を交互に見せる怒涛のこの展開は目が離せない。よくピンチの場面でありがちな誰かが助けに来るとことがなく、個人で危機を切り抜けるのもいい。破滅葛藤はこうでなければならないのだ。

  • 殺人や死刑などかなり重いテーマ。
    世の中にはどうしようもないクズがいる。そのクズのせいで命を奪われる人がいる。家族を奪われて苦しむ人がいる。正義の名のもととはいえ死刑という名の殺人を行わないといけない人がいる。
    犯した罪はたくさんの人の人生を捻じ曲げていく。そうやって人生をねじ曲げられた人が罪を犯すかもしれない。罪を犯さなくとも一生ぬぐいきれない重荷を背負って生きていくことになる。
    罪が罪を呼び、気がつけば多くの人が不幸になっている。
    死刑制度はこの負の連鎖を断ち切ることができているだろうか。

  • ムチャクチャ面白かったね。巻末の宮部みゆき先生のあとがきで、これがデビュー作と知って尚更驚いた。
    死刑囚ものの小説は今までいくらか読んだけど、刑務官側の記憶がリアル過ぎて4章過去読んでて吐き気を催したくらい。しかし、刑務官側だけではなく、多様な死刑囚、囚人、犯罪者側からのエピソード、心情が描かれていてとても立体的でした。考えが錯乱するくらい。正しさは誰にとっての正しさ?当事者?社会秩序?宗教的なもの?どれも正しいから答えがない。見方によって変わる。それを知っておかなくてはいけないんだろうね。

    しかし、あいつが真犯人だーと、気づかせておいての後半の怒涛の展開がスゴイ。読めない。
    中心である樹原が一番出番がないのも興味深い。

    これがあってのジェノサイドか。いやぁ、すごい。

  • 最近、クリミナルマインドにハマって、見てるけど、いつも思うのは、一人の犠牲と多くの犠牲なら、どっちをとる?っていう疑問だ。

    犯人は追い詰められて、凶器を離さない場合、大抵FBIに撃ち殺されるからだ。

    まぁ、それは、アメリカの話であって、「13階段」は、日本の話だ。

    斧でズタズタに二人の人間を殺し、死刑判決となった樹原亮は、事件に関する前後のことを、捕まる前のバイク事故で覚えていない。
    それでも、犯人とされ、死刑判決されたのは、殺された人の物を持っていたから。

    でも、もし冤罪で死刑なら。。。

    ミステリーというジャンルの中で
    この本は、自分たちが平和に暮らしている日本で

    死刑とはなにか。
    犯罪とはなにか。
    正義とはなにか。

    という問題たちに、どう向き合ってるのか、どう向き合うべきなのかを考えさせる。

    死刑を執行したことのある刑務所の南郷と、傷害致死で仮釈放中の三上が、死刑囚の冤罪を晴らすために奮闘する。

    人を殺したことのある人が、人を救う。

    以下ネタバレ。

    これは、決してハッピーエンドではない。
    息子を救うために支払っていたお金が、息子を殺す資金になっていたと誰が思うだろう。
    家族とやり直したくて、人を救うために奮闘した人が、人殺しをしてしまうと誰が思うだろう。

    悪いのはだれか?
    木下友理を犯した青年か?
    安藤を脅した保護看師か?

    切なくてやるせなくて、だけど、これから先に彼らの幸せが待っていると思いたい。

  • 電車通学中にのんびり読もうかなと思っていたのですが、ページをめくる手が止められませんでした。
    死刑制度という重いテーマも、死刑執行の場面も非常に細かく描写されており、とても興味深かったです。
    死刑を執行する刑務官の責任の重さや精神的負担の大きさ、前科者の社会復帰の難しさなど、高校生の私にはあまり触れることの無い題材で、考え方が広がるような気がしました。
    同年代の方にも読んで欲しいと思えるような、私の中でとても心に残る作品でした。

  • 死刑執行時の心情がとてもリアルで、想像を絶する仕事だと思い、その方の気持ちになると凄く辛いと思いました、、、。ミステリーとしても面白かったです。

  • すっごいミステリー。
    読み終わった後には、ぜんぶ納得した。推理力のない私には最後まで犯人は分からなかったけど、分かってみればこの結末しかないという鮮やかさ。
    しかも、ただのミステリー小説としてだけではなく、社会の不条理とか犯罪者の人間くささとか、そういうのも見事に描いている。
    自分自身が死刑制度に反対なのか賛成なのか、正直まだよく分かんないんだけど、なんかそれでいいんだと思った。
    2019/04

  • まさに傑作、作り込まれたストーリーに一貫している作品テーマ、また途中中だるみもなく、まさに先の読めないミステリー。
    特に複雑に絡み合った主人公の2つの事件とメインの事件をここまできれいな形で解決させるストーリーは圧巻。

  • 死刑囚の冤罪をはらすため、元刑務官と前科持ちの青年が協力して捜査に乗りだすという大好きなテイストに、死刑執行までのカウントダウンが始まっているハラハラ感が相まって、最後まで読むスピードが変えられない作品でした。

    なかなか身近には感じられない死刑執行と執行者の憤りがとても興味深かった。
    おもしろかった!というには重い作品だけど、先が気になる内容でした。

    羽田空港の煽り文章に惹かれて購入し、行き帰りの飛行機で読破。
    さすが書店員。おっしゃる通りでした。

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著者プロフィール

高野 和明(たかの かずあき)
1964年、東京都生まれの小説家・脚本家。日本推理作家協会会員。
幼少の頃から映画監督を志していた。ロサンゼルス・シティー・カレッジ映画科中退。 1991年Vシネマの監督を誘われたことがきっかけの中退で、帰国後は脚本家として活動した。
2000年に江戸川乱歩賞への応募を目的に書かれたミステリー『13階段』が、2001年第47回江戸川乱歩賞を満場一致で受賞。その後も脚本家として活動しつつ執筆活動を行っており、2011年の『ジェノサイド』が第2回山田風太郎賞と第65回日本推理作家協会賞(長編および連作短編編集部門賞)を受賞、「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」ともに1位に。本屋大賞ノミネートも果たしている。2013年に文庫化され、ベストセラーとなった。

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