百鬼夜行 陰 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (642ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748520

作品紹介・あらすじ

人みな心中に妖しきものを飼う 京極堂を待ちながら

「妖怪」はいずこより来るのか……。人の心は闇にあらねども、揺るぎないはずの世界が乱れたとき、その裂け目から恠(あや)しきものが湧き出し、取り憑く。他人の視線を畏れる者、煙に常軌を逸した執着をもつ火消し、「海」を忌む小説家……。日常に潜む恐怖を描く10の短篇から成る「京極堂サイドストーリーズ」。

感想・レビュー・書評

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  • 百鬼夜行シリーズの登場人物達による語られなかった物語……と言えばいいのでしょうか。

    この本で扱われているのは本編には登場しているものの彼ら、彼女ら目線で描かれることがなかった人達の物語。
    1人だけ「あれ?この人どこで登場してたっけ?」ってなった人がいたのですが調べてみたら京極堂シリーズ外の作品なんですね、その作品はまだ読んだことがないんだよなぁ、そりゃあ出会えていないわけだ。

    いや、実はこの話京極堂シリーズを読み始めてすぐにちらっと読んだことがあったんです。
    あったんですけど、その時は登場人物もよく分からないし何が書いてあるんだろう?と思ってすぐに読むのを中断しちゃったんですよね……それは分かるわけないや、本を読む順番って大事。

    最初の感想は「ふんふん、何だか世にも奇妙な物語みたいだなぁ」なんて感じだったんですけど……あの、あのね。
    この作品の中の「毛倡妓」って話が……これだけが何かちょっと毛色が違うと言うか……怖くて。
    夜中の2時に読みながらあのシーン想像しちゃったら怖いって。
    あの話だけはちょっと……あぁいうタイプの話の方がゾッとするんだよぉ。
    私だけなのかもしれないけど、読む時間は少しお気をつけて。

    それにしてもかの有名なホラー映画のキャラクターのプロトタイプみたいな姿があんな時代にもうあったとは驚きです。

  • 記録になかったので忘れていたが、読んでみたら内容に覚えが・・・。再読。

    やっぱり、いつもの面々が登場する「川赤子」が一番興味深く読み進められる。
    いわゆる、病んだような人たちの心の内が描かれているがそれは案外純粋さから生まれるものかもしれないと感じる。純粋な興味からの執着。人間は心の持ちようや話を聞いて理解してくれる人がいるかいないかで行く末は大きく変わってしまうのだろう。

  • 百鬼夜行シリーズのスピンオフ作品。短編集。

    シリーズに出てきたキャラの奇妙な体験、奇妙な出来事を語る。

    面白くてあっという間。「Aという事象が起きたからBと思った」という表現ではなく、そのBという思念が思念という形を取るまでの描写があって面白い。最初はぼやけていた感覚がだんだん形を取り始め、知覚されて初めてBと思う(感じる)。この表現の仕方で薄気味悪さが倍増しているように感じる。

    相性が良いのか京極さんの文章はするすると入ってくる。しかし、シリーズを通しての相関図が膨大な量となっているので「この人誰だっけ?」というところ多数。ネットには「京極夏彦作品人名辞典」なるものがまとめられており、読む際に非常に役に立った。

  • 百鬼夜行、各事件のサイドストーリー。黒衣の憑物落としは出てこない。だからだろうか、身に迫る怪異は解決されず、妖怪は妖怪のまま、じわりと昏い気持ちのまま小話が着地する。京極堂が出てこないだけで、こんなにも世界の見え方が変わるのか。
    ラストの川赤子は姑獲鳥の夏の前日譚に当たる、関口くんの話。彼の物語だけは、眩暈坂の手前で少し光がさす。この一冊のラストにようやく京極堂の存在が仄めかされるの、すごい憎い演出だなあ。

  • 私の記憶力のなさせいで全編「だれ?」となりました。親切にも解説してくれておるサイトがあったのでそれを見ながら読み進めました。
    妻を大切にできない夫か何人も登場します。自分は妻を家族を大切にできているか、考えてしまいますね。

  • 京極堂シリーズのスピンオフだかサイドストーリーだかで、『邪魅の雫』以外は読破したから読者資格を得ている。シリーズに登場する事件当事者や犯罪者たちの、救われぬ人格的障害を陰惨に描写する。依存性、回避性、強迫性、ストレス性、離人症性といった様々な障害により、思考に極度な異常をきたし、認知がゆがみきって崩れていく彼等が傷ましい。あのおぞましい事件群は、人心を失い鬼と化した者どもの所業なのだ。それにしても関口先生、あなたの自己嫌悪と厭世観ときたら、もはや芸術の域ですよ。凄まじいというより素晴らしい。あなたに添い続ける奥方こそ、ある意味狂人なのかもしれません。

  • 10編から成る百鬼夜行シリーズのサイドストーリーです。
    『姑獲鳥の夏』から『塗仏の宴』までに登場した人物のバックグラウンドが描かれているのですが、それぞれの作品ではそれほど詳しく描かれなかった者達の深層までも京極さんの筆致で表現されています。
    短編集の類に入る作品ですが、1つひとつの内容が濃く読むには時間がかかります。
    読後の疲労感も百鬼夜行シリーズならでは。
    背景を知った上で『姑獲鳥の夏』から再読したいのですが、骨の折れる作業になりそうです。笑
    また、最低でも『塗仏の宴』までは読破しておくのがおすすめです。

  • 「百鬼夜行シリーズ」のサイドストーリーズ。「絡新婦の理」の登場人物が多めだが、中にはまったく見当の付かないキャラもいる。調べてみると「ルー=ガルー」の登場人物も含まれているとのこと。そりゃわからんわな。基本的に本編のあのキャラにはこんなバックグラウンドがあったのか的に愉しむもので、これだけ読まされて面白いかと言われたら、少々心許ない。本編とは無関係にホラー短編として完結している作も含まれてはいるのだけれど、あくまでもシリーズの細かいエピソードまで頭に入っているような、熱心なファン向けだと思いますね。

  • ホラーかと思ったら、人の心の闇を中心にした、京極堂シリーズのサイドストーリーだった。
    京極堂サイドストーリーと紹介されてて、どういうことかよくわからなかったんどけど、あと登場人物の名前の出し方や結びの言葉でが、やたらここで種明かし!感があるなと最初は思ってて、バラバラ殺人のところで、あ、これ魍魎の匣の…!ってつながり、やっとサイドストーリーとはそういうことか!と思った。
    他のサイトで憑き物落としをされなかった話と書かれていて、さらになるほど!

  • 京極堂シリーズの脇役たちが決定的瞬間に至るまでのサイドストーリーズ10編。
    脇役と言いながら、いずれも魅力的というか濃厚な人生。焦点が絞られている短編の一貫性と、大長編メインストーリーとの絡みの両方を楽しめる。
    お気に入りは『煙々羅』『毛倡妓』

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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