- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748612
感想・レビュー・書評
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最初の向井洵子の日記から、先が気になってはいたものの、頭を整理しながら読むのが大変だった。
途中で、もしかしてと思い始め、でも、どこまで?ってなって、え?もしかして?ってなってからは一気に読み進められた。
自然に生まれたってのが不思議だな。
日本にはいないって、この小説の中では言ってたけど、実際にいるし、そういう本もたくさん出てるから読みたいなと思う。
結末は、結局は読み手が決めることだけど、受け入れられる器がその人にあるとは思えないけどな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『プラスティック』講談社文庫 井上夢人(著)読了!
一時期、江戸川乱歩賞を読み漁ってみる頃がありました。
その時に岡嶋二人さんの『焦茶色のパステル』を読んで少しハマりました。
いつ頃であろう、かなり前ですね。そうですね1980年代かなぁ。
それから、時は過ぎぃ。岡嶋二人さんが二人から一人ずつに…
で、そのうちの一人が井上夢人さんですね。(知ってるよね)
話は変わりますがぁ、最近、少しばかり調子に乗って本を買い過ぎで、金欠。
なので、蔵書(笑)から何か読もうかなと、これどんな話だったけ。
たくさん本は読むのですが、昔読んだ本の内容を忘れるのも…人間なんてラララァララララァ♪
じゃこれ久々に読むかと。(ほぼほぼ内容を忘却の彼方へ、新鮮に読めました。)
この話は映像化には向かない。不可能では無いがかなり困難だろうなぁ。
と、いうお話し。間接的ネタバレだな。
文書ファイルが収められたフロッピーディスク。(これがもうレトロ)
このディスクに収められた文書で構成されたストーリー。
最初にファイルの出張中の夫の帰りを待つ主婦・向井洵子が書きこんだ日記から始まる不思議なお話し。
ここからたくさんの人の行動や回顧録みたいなものがファイル単位で書かれているのです。が…
一回読んでいるんで、あれなんですが途中からなんとなくネタもわかる様な。
あの有名な外国の実話(?)とどっちが先なのかな、と思う今。 -
面白かった! 寝ようと思って読み始めたら、そのまま読み終わってしまいました。
話の筋は読める、というか読めるように書いてあるのですが、それでも展開が巧みで、惹きつける力のある文章でした。
最近の流行りなのか、近頃は暴力表現の過激な本が多いと感じますが、これは昔の本だからか、あるいは著者が優しいためか、バイオレンスな感じはなかったですね。 -
トリックは何となく気づいてしまうけれど、
それをも上回るオチはさすがの一言!! -
フロッピーディスクに記録された文章を読み進めていきながら、
発生した殺人事件の謎に迫っていくという物語です。
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54個の文書ファイルが収められたフロッピィディスク。
最初に記録されていた文章は、
ワープロの練習に勤しんでいる主婦が綴った文章。
出張中の夫の帰りを待つ向井洵子は、
始めて訪れた図書館で自分名義のカードが作られていたり、
夫の会社に連絡を入れても不可思議な対応をされるなど奇妙なことが続く。
一方で、同じマンションに住む作家のもとには、
向井洵子が書き綴った文書が保存された1枚のフロッピーディスクが届く。
次々と現れる不可思議な事件と殺人事件。
事件の鍵となる人物が現れては消えていくという不可思議な世界が、
日記という形で連綿と綴られていき次第に謎の真相に近づいていく。
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この作品の初版は1998年ですので、
ワープロとかフロッピーディスクといった現在ではあまり使われていないものが登場し、
読み始めは若干ながら違和感を覚えるかもしれません。
しかし、最初の日記を読み終えたときからこの作品の持つ不可思議さに引き込まれ、
読み進めていくうちに登場人物の性格や立場が徐々に読者の中に確立し、
後半に進むに連れて不可思議な世界が一気にひとつにまとまってくるという感覚を覚えます。
井上夢人さんの作品では「The team」で爽快感を覚え、
「魔法使いの弟子たち」では不思議な能力を持つ登場人物に惹き込まれました。
両方の作品に共通していたのは「不思議な能力」と「爽快感」だったのですが、
今回ご紹介した一冊とは物語の展開方法も内容もまったく異なり、
本格的なミステリーとして最後まで一気に読み通してしまいました。
考えてみれば今回読んだ物語の方が先に発行されていますので、
当時から読んでいる方からすれば、
最近の作品の方が作風が変わったということになるのかもしれませんね。
殺人事件がからむという、
私がいつもはあまり読まないジャンルの物語ながら、
ストーリー展開の面白さと結末の特異性にうなってしまった一冊です。 -
夫の祐介が出張に行っている間、機械オンチで飽きっぽい私が使いこなしていたらさぞ驚くだろうと、日記をワープロでつけることにした向井洵子。最初は楽しく文字を打つことに専念していたのだが、次第に日常でおこる不可解な出来事にそれどころではなくなってきた。どうして初めて行ったはずの図書館で、「あなた昨日も借りましたよね?」と言われるの?なぜ祐介さんの職場に電話したのは初めてなのに、「あなたは奥さんとは声が全然違いますね」と言われるの?
少しまどろっこしいような設定に最初は惑わされるが、次第にその必要性もわかってくる。ある程度の数ミステリーを読んだ者なら、このカラクリ自体はかなり早い時点で気づくし、どういうオチになるのかもわかるので、その点での驚きは無い。今となってはミステリー界では珍しくもない題材である。が、わかっていても惹きつけられるこのおもしろさ。私は○○と○○だけは”別”だと思っていたけど、これも”同じ”だったのね(^^;読みが甘かった。最後の数ページは種あかしというか、いわば解説のような感じなのだが、そういうことかと見事にはまっていく快感。こういうの好き。
ちなみにプラスティックとは、”可塑的”からきているよう。 -
序盤の少し不気味な出だしからすぐに引き込まれてしまった。
最初は何が何だかよく解らずに読み進みんでいって、終盤で納得。