ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

著者 :
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本棚登録 : 36579
レビュー : 2892
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748681

感想・レビュー・書評

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  •  椎名林檎と村上春樹のおかげで、セックスにありつけた男性は多い。男に対して、こういう理由でペニスを許しても良いというモデルを色々と提示してくれたからだ。
     にしても。
     読みにくい。めちゃくちゃ読みにくかった。読み始めた時、小林秀雄の本居宣長を読んでいる時と、全く同じ感覚だった。
     ある混乱があった。
     この、読んでいる本は、果たして純文学なのだろうか、それとも単なる大衆エロ文学なのか、だ。これは、小林秀雄を読んでいて、僕が読んでいるのはオカルト本だろうか、それとも一流の哲学書だろうか、どちらにしろ、宣長その人を読んでいる気分にはまるでなれない。あのリズム良い宣長の文章とはまるで違う、句読点の多い、葦の群生するぬかるんだ土のようなもの。
     それと同じく、このノルウェイの森も、「どういう風に読んだらいいのか」が迷ってしまう。これは安保闘争とかそういう政治運動の季節へのアンチなのか、オタクっぽい人をげらげら笑う高等遊民の差別小説なのか、出てくる女がみんなどいつもこいつも男が「こんな風にやれる都合のいい女がいたらええな」と思いそうな結構ベタな女が出てくる週刊誌のポルノ小説なのか。読んでいる方が激しく混乱して、実に読みにくいのである。
     ノルウェイの森に出てくる女は、みんな酒に強すぎるし、金の心配もない。後日、自殺したり勝手に去っていくし、主人公の思い出のなかで良い感じに生かされていく。
     もう村上春樹は東京で過ごしていた頃、女が本当に嫌いになって、女性嫌悪で皮肉で書いてるんじゃないかと思うほどだ。
     あと、ノルウェイの森という曲を聞いてみたが、ここではじめて、冬目景の「イエスタデイをうたって」が、もしかしてノルウェイの森へのアンサーではないかと思い始めた。自殺した男の影を背負う処女シナコ。処女ハル。写真を撮るリクオ。たまに出てくる美大生たち。どうしてもノルウェイの森っぽい感じがするのだ。ただし、セックスのないノルウェイの森。ネクストノルウェイの森のような気がしてならないが、いまはそれを詳しく語れる自信はない。
     ノルウェイの森から、憂鬱成分を除くと、セックスアンドザシティになる。そうなるかもしれないし、ならないかもしれない。やれやれ、僕にとってそれはどうでもいいことだった。

  • 解釈難しい。ただの感想になってしまう‥凡人にはピカソの絵画や岡本太郎の建築や村上隆のフィギュアの本当の良さは分からない。個人的に春樹ワールドもほぼ同じ系列。だから、作品を感性で、魂で感じればいいと思ってる。でも、一人のファンとして「良く分からないけど、なんか好きかも。」と声を大にして言っておきます。まー結局、村上春樹がどんなものを書いても名作になるんだからズルいといえばズルい。作品がブランド化、読者上級者の資格的存在になっているのは確かだと思う。

  • 村上春樹の心憎いところは、文章が上手すぎることだと思う。誰もが共感できるような、しかもここに共感できるのは私だけと思うようなところをちょくちょく埋め込んでくる。時々その思惑が透けてみえて嫌になるくらい。でも読めば読むほど、物語の人物を知れば知る程、自分が薄まっていく。自分中心の世の中からちょっと引いて見えるようになる気がする。第一章が一番好き。

  • クセがスゴイ!
    村上春樹を始めて読みました。
    綺麗な情景が浮かんでくるステキな文章、比喩表現、言葉のチョイス。
    それに慣れるまでに何度読み返したか。。
    後半へ続く

  • 村上春樹の作品で多いのが、主人公の思考は割と一般の感覚に近いところが多く自分も共感できる"凡庸"なのに、主人公以外の周りの登場人物がこれでもかってくらいぶっ飛んだ思考の持ち主ばかり。けど、村上春樹がその周りのぶっ飛んだ人のうちの1人が主人公の小説を書いたとしたら、また同じように感じてしまう物語になるんだろうなぁ。

    ひとつ大好きなフレーズをメモ。

    "「僕は今の方が好きだよ」と僕は言った。そしてそれは嘘ではなかった。髪の長かったときの彼女は、僕の覚えてる限りではまあごく普通の可愛い女の子だった。でも今僕の前に座っている彼女はまるで春を迎えて世界にとびだしたばかりの小動物のように瑞々しい生命感を体中からほとばしらせていた。その瞳はまるで独立した生命体のように楽し気に動き回り、笑ったりあきれたりあきらめたりしていた。僕はこんな生き生きとした表情を目にしたのは久しぶりだったので、しばらく感心して彼女の顔を眺めていた。"

  • 初めて読んだときはまだ20歳そこそこで、当時は、なんでこんなに都合よく女が寄って来るんだ!有り得ない!と思ったものでした。最近になってようやく楽しみ方を覚えた気がする。

  • 上巻しか読んでないからまだ何とも言えないけど、なんでこの作品が名作と呼ばれているのかイマイチわからない

    情景描写は細かく幻想的でとっても素敵なんだけど、性的描写があまりに事務的で淡々としていてなんとも趣が無い

  • 初・村上春樹作品。
    全体的に薄暗くもやーっとした印象。でもその世界観が心地良くてスイスイ読み進めてしまいました。

    直子の心の病気はいったいどんな病名がつくのか、専門家ではない私には当然解りませんが、人の死が大きく絡んで人は「おかしく」なってしまえるのだと実感。
    あんなに快活なレイコさんだって、ある少女との関わりから「ボンッ!」となってしまった。
    あの施設の住人になる可能性は誰にでもあると思います。

  • ワタナベの嫌なところばかり目につく。まず若い。その若さがむかつく。若いくせに、とむかむかが募る。そして「一人で生きていけそう」という格好が腹ただしい。いけそう、なのである。ならば一人で死ね、と言いたいが、どうしようもないくらい直子に執着している。授業で出席の返事をしないというどう好意的に考えても頭がおかしいとしか言えないワタナベに声を掛けてしまうミドリもどうしようもない。ミドリも若いから凡人ならぬ変人に惹かれてしまうのはわかる。やはり若さがむかつく。「先生!ワタナベならそこにいます!」と教室上段から隅の方ににいるワタナベを指差してやりたい。ワタナベの陶酔さを教室の皆にひけらかしたい。そして上巻で一番腹が立ったのはラブホテルで小説を読むワタナベ。格好つけ。

  • 村上春樹の世界にはいれ込めなかった
    でも最後までは読んだ
    そんなにいいかな⁈
    ☆彡

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月7日発売の『文学界』で短編小説を2作掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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