ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 36579
レビュー : 2892
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748681

作品紹介・あらすじ

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 気温が下がってくるとなんだか無性にこの本が読みたくなる。ということで3回目。今まで親の古い文庫本(装丁が文庫オリジナルのもの)を読んでいたので新しく購入。絶望的な未来しか見えないし、読んでいて決して楽しい訳じゃないのに何でこんなにも読ませるのだろう。死の影が色濃くたちこめるこの物語に於いて緑の溌剌とした生の匂いがワタナベくんを現世に引き止めてくれているように思えてならない。直子の昔の入院のエピソードって『めくらやなぎと眠る女』まんまだよなー。そしてやっぱり冒頭部分が秀逸なのよね。2011/511

  • 「 死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」
    過去に失ったものをひきずって生きる人が沢山でてきて、多くの人か自殺し、暗いといえばこのうえなく暗いのだが、生きることに背中をおしてくれる人物も何人か存在感大きく登場するため、絶望的ではなく、生きていこうという意思が根底にある話。

  • やれやれ、僕は射精した。射精して段落終わる小説ってこれくらい?女性のこと考えないセックスって気持ち悪い。これを読んで素晴らしいって感受性のある方々は自分で村上春樹が好きなことをお洒落だと勘違いしてるんじゃない?その程度のセンスよ。下巻も含め都合よく抱ける女性が現れる夢物語と評価いたします。

    • ayaさん
      「お洒落だと勘違いしてるんじゃない?」

      これ学生時代のお話
      教室で机に赤と緑の本を重ねてるだけで「私ってハルキニストオシャレよ」っ...
      「お洒落だと勘違いしてるんじゃない?」

      これ学生時代のお話
      教室で机に赤と緑の本を重ねてるだけで「私ってハルキニストオシャレよ」って醸し出してるお友達がいて気持ち悪かったから

      快楽と喪失
      それを表現するのに巧みに比喩していることは認めるわ

      どうなるんだろ?って読み進めようと思っても上巻から最終的には誰も幸せになれないような永沢先輩だけが常にやりまくって結婚しても治らないでしょうけど、主人公は幸せになれないだろうって。。。

      でもどこかで幸せになるんじゃないかって
      希望は持ってもいいかも、希望だけはね

      時は流れても村上作品の男は都合よく女性と寝れるからいいわね

      男が快楽で気持ち良くなれば戦争はおこらないと思う
      ある意味でノーベル平和文学賞を私からあげるわ

      一般って定義は曖昧だけど
      これを最後まで読んで、胸につっかえがあったり、快く思えないって普通だと思うもの、それはストーリーで

      作品を素晴らしいっていう人は気持ち悪いストーリーであっても言葉や表現を認めているんでしょうね

      ハルキニストだといいう人には変態しか出会ったことないけど。。。特に女性で
      2014/04/22
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「教室で机に赤と緑の本を」
      、、、私の知り合いの間では悪評でした。クリスマスにしか読めないと。。。
      「教室で机に赤と緑の本を」
      、、、私の知り合いの間では悪評でした。クリスマスにしか読めないと。。。
      2014/04/23
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「言葉や表現を認めているんでしょうね」
      そうですね、文中の比喩を、どう言う意味なんだろうってボ~っと考えたりします。
      それから、日本では...
      「言葉や表現を認めているんでしょうね」
      そうですね、文中の比喩を、どう言う意味なんだろうってボ~っと考えたりします。
      それから、日本では、いつの頃からか過熱気味になっているので、少し間をおいてから読むのです(文庫化するまで待ってます)。
      それから、興味深いコトに日本以外での反応も良くて驚いているのですが、何が彼等を惹きつけるのか知りたいと思っています。
      2014/04/25
  • 私が初めて村上春樹という人を知った作品。身内が自殺してから間もない時に読んだので、上巻はとにかく動悸がして、脂汗が出て不安で…こわいというか不気味な死を感じた。けど目が離せなくて、いつ読んでも圧倒させられるすごい作品。好きなんだけど、

    なんかこう…呪いみたいなものがかかっているような読むと死にたくなってしまう作品。

  • 一見、普通の大学生の恋愛話という身近なテーマの様ですが、ヒロイン直子のガラスの様に繊細で触れると壊れそうな危うさや精神性と心の病について丁寧に描かれています。
    主人公のワタナベ君は、どこにでもいそうな等身大の19歳の青年なのですが、彼を取り巻く人間模様や大学生活に、読んでいて何故か夏目漱石の『三四郎』の世界を彷彿とさせられました。
    作品の中では、直子の描写が特に秀逸で、主人公が思いを募らせた後に半年ぶりに再会した際の女性として美しく成長した姿等、作者は物語に登場させた『直子』に本当に恋心を抱いていたんだなと感じさせる様な丁寧な描写でした。
    また、作中に登場するビートルズの曲『ノルウェイの森』(原題 Norwegian wood)や、アメリカの作家スコット フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』(The Great Gatsby)など、村上流のハイセンスな引用が物語の良いスパイスになっていると思います。
    『グレート・ギャツビー』は洋画『華麗なるギャツビー』の原作と言った方が分かりやすいでしょうか?
    村上春樹翻訳のグレート・ギャツビー、一度読んでみたくなりました f^_^;

  • 恋愛というのは、単純にいかないものですね。
    過去の好きだった人にこだわりすぎてはいけないのです。
    いい思い出として心にしまって、新しい恋愛をしなければ苦しく
    なってしまいますね。

    ビートルズの「ノルウェーの森」の曲も本を読みながら聴くとおすすめです。あと、ビル・エバンスの「walts for debby」も。

  • 奥さんが貸してくれた本。
    これまで全く食指を動かされなかった村上春樹。
    ちっとも読んだことないのに言うのはよくないけど相性いい気がしない予感をもっていたのですが的中です。
    これだけ世界中で賞賛されているのだから何かしらいいところはあるのでしょう。そのいいところを私の感性が受け付けないだけで。
    女の人がみんな不自然すぎてどうにもこうにも。それともあの時代の女の人はみんなあんなエキセントリックな様子が常識だったわけですか?
    風景の描写は美しいな、と思えました。が、それはそれだけだなあ…というのが正直なところ。

  • 静かで苦しくてでもなんだか綺麗な作品。
    読む返すたびに違った印象になる作品でもあります。
    直子はなぜ死を選んだのか。答えのない疑問かもしれないけど、ずっと考えてしまいます。

    • かっちゃんさん
      ネタバレを隠さずに最上段の目立つところに掲載している、というのはいかがなものか。


      僕はもう三日間、動かなくなった石像のように、ただそのこ...
      ネタバレを隠さずに最上段の目立つところに掲載している、というのはいかがなものか。


      僕はもう三日間、動かなくなった石像のように、ただそのことだけを考えている。
      2012/01/28
  • 言の葉の庭の雪野先生の「みんなちょっとずつおかしいんだよ」みたいな言葉を思い出すこととなった。

  • 再読。青春。鬱屈。

  •  椎名林檎と村上春樹のおかげで、セックスにありつけた男性は多い。男に対して、こういう理由でペニスを許しても良いというモデルを色々と提示してくれたからだ。
     にしても。
     読みにくい。めちゃくちゃ読みにくかった。読み始めた時、小林秀雄の本居宣長を読んでいる時と、全く同じ感覚だった。
     ある混乱があった。
     この、読んでいる本は、果たして純文学なのだろうか、それとも単なる大衆エロ文学なのか、だ。これは、小林秀雄を読んでいて、僕が読んでいるのはオカルト本だろうか、それとも一流の哲学書だろうか、どちらにしろ、宣長その人を読んでいる気分にはまるでなれない。あのリズム良い宣長の文章とはまるで違う、句読点の多い、葦の群生するぬかるんだ土のようなもの。
     それと同じく、このノルウェイの森も、「どういう風に読んだらいいのか」が迷ってしまう。これは安保闘争とかそういう政治運動の季節へのアンチなのか、オタクっぽい人をげらげら笑う高等遊民の差別小説なのか、出てくる女がみんなどいつもこいつも男が「こんな風にやれる都合のいい女がいたらええな」と思いそうな結構ベタな女が出てくる週刊誌のポルノ小説なのか。読んでいる方が激しく混乱して、実に読みにくいのである。
     ノルウェイの森に出てくる女は、みんな酒に強すぎるし、金の心配もない。後日、自殺したり勝手に去っていくし、主人公の思い出のなかで良い感じに生かされていく。
     もう村上春樹は東京で過ごしていた頃、女が本当に嫌いになって、女性嫌悪で皮肉で書いてるんじゃないかと思うほどだ。
     あと、ノルウェイの森という曲を聞いてみたが、ここではじめて、冬目景の「イエスタデイをうたって」が、もしかしてノルウェイの森へのアンサーではないかと思い始めた。自殺した男の影を背負う処女シナコ。処女ハル。写真を撮るリクオ。たまに出てくる美大生たち。どうしてもノルウェイの森っぽい感じがするのだ。ただし、セックスのないノルウェイの森。ネクストノルウェイの森のような気がしてならないが、いまはそれを詳しく語れる自信はない。
     ノルウェイの森から、憂鬱成分を除くと、セックスアンドザシティになる。そうなるかもしれないし、ならないかもしれない。やれやれ、僕にとってそれはどうでもいいことだった。

  • 初めて読んだのは10代のときでした。性描写が不潔に感じて大人の小説で面白くないという感想しか持てませんでした。その主人公と同じ年代になった今失った季節を懐かしむ気持ちがとてもよくわかります。青い初恋の記憶。その人との関係が生活の全てで、ひたむきで一生懸命で・・・。この世の財宝を全て独り占めしていたかのような青春の日々。憂愁や悲哀でさえ似つかわしく彼らにとっては美しい。夕べの影がすでに射さし始めた時になってみると、あの季節が懐かしくあれほどのものがほかに何か残っているだろうか?という気持ちがもたげてくる。初恋の悲哀のなかにも希望があったあの日。もう戻らない素晴らしい季節。

  • あらゆる小説に意味を見出そうとするのはナンセンスだと思っています。思ってはいますが、この作品についてはどうしても書きたい。
    私は「通過儀礼」の小説だと思ってます。20歳を迎えるワタナベが、喪失の哀しみと痛みを経て、大人になっていく小説。ただ、直子はそれが出来ずに、時間を永遠に止めることを選んだのだと。
    セックスの場面がやたら多いけど、これは儀式的なものなんじゃないかと思う。異性の身体を受け入れるのも通過儀礼のひとつだ。直子とキズキにはそれが出来なかった、というのは、すでに相手が「異なる」存在ではなかったからなのでは。
    ワタナベとレイコさんのセックスも、やはり儀式のように思える。直子への弔いと、直子のいない世界での、お互いの生の確認として。

    村上春樹の作品そんなにたくさん読んだわけじゃないけど、やっぱりこれは傑作だと思います。

  • 解釈難しい。ただの感想になってしまう‥凡人にはピカソの絵画や岡本太郎の建築や村上隆のフィギュアの本当の良さは分からない。個人的に春樹ワールドもほぼ同じ系列。だから、作品を感性で、魂で感じればいいと思ってる。でも、一人のファンとして「良く分からないけど、なんか好きかも。」と声を大にして言っておきます。まー結局、村上春樹がどんなものを書いても名作になるんだからズルいといえばズルい。作品がブランド化、読者上級者の資格的存在になっているのは確かだと思う。

  • 多埼つくるがよかったので、こちら購入。文庫本はいいですね。コンパクトで。

    ワタナベトオルの周りの個性的に見える人々は、決して特別ではなく、むしろ普通なんだ・・・・と。しかし取り巻く環境や、心の持ちようや、それぞれのキャパでみなそれぞれの人生を歩んでいく。そして、その歩む道もなんら特別なわけではない。それは、悲しい最期の人々の人生さえも。

    映画も見てみたいと思いました。ブログで詳しいレビューしています* 
    http://egaodekurasu.jugem.jp/?eid=570

  • 村上春樹の見ず知らずの女とジャズバーで知り合い、やりまくった挙句内容の無いおシャンティな会話を繰り広げる主人公がボカァ大嫌いなんですよ。しかし高校時代は、そんなノルウェイの森にどはまりしてました。

  • 初めての村上春樹。ビートルズの「ノルウェーの森」が好きなのでタイトルつながりで。ここまで物語に引き込まれたのは久しぶり。結末に期待。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「初めての村上春樹。」
      村上春樹は幅が、とーーーっても広いから、他のも読んでね!
      「初めての村上春樹。」
      村上春樹は幅が、とーーーっても広いから、他のも読んでね!
      2013/06/13
  • 言葉が心地よく、春の暖かさに包まれる。ノルウェーの森の世界に引き込まれる。こんなに穏やかな気持ちになるのは、久しぶりだ。

  • 村上春樹の心憎いところは、文章が上手すぎることだと思う。誰もが共感できるような、しかもここに共感できるのは私だけと思うようなところをちょくちょく埋め込んでくる。時々その思惑が透けてみえて嫌になるくらい。でも読めば読むほど、物語の人物を知れば知る程、自分が薄まっていく。自分中心の世の中からちょっと引いて見えるようになる気がする。第一章が一番好き。

  • 改めて読み返してやはり私はこの小説が好きだと思った。

    キズキ、直子を含め、社会的に見て歪んだ人々が描かれているが、歪んでいるとされる人々が本当はまともなんじゃないかと思う。

    悲しい出来事を割り切れてしまう人の方がまともではないんじゃないだろうか。

    私は直子ほど大切なものを喪失したことはないけど、時々ふいに泣きたくなる時があるし、人間ってそういうものなんじゃないかと思う。

    この話に出てくるレイコさんがとても好きだ。
    サッパリしている所もあれば、雨がシトシト降るようにしっとりしている所もある。

    私は死を選ぶことを悪いことだとは思っていないけど、キズキがワタナベや直子に対する責任を放棄してしまった気がしてならない。

    自分を愛してくれる人が1人でもいれば、生きている価値があるのではないだろうか。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月7日発売の『文学界』で短編小説を2作掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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