ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 32586
レビュー : 2238
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748698

感想・レビュー・書評

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  • う~ん、正直なところ、これ、一体全体どういう物語なのかさっぱりわかりませんでした。  これがバカ売れした理由も KiKi には見当もつきません。  「ねじまき鳥」の方は読んでいてまだ「ある種の感覚」が揺さぶられるような気がしたけれど、こっちは何だかスポーツ新聞とか男性週刊誌に載っている KiKi があんまり評価しない「官能小説」とどっこいどっこいという印象でした。

    「性」を扱うのは構わないし(それで顔を赤くしちゃうほど初心ではない)、ある程度露骨な性描写があってもそんなのには動じない程度には成熟(?)している自負のある KiKi だけど、この物語のそれは正直なところ不快感以上のものを感じることはありませんでした。  

    そんな描写が多い中にクラシック音楽やら60年代~80年代の洋楽ヒットチャートみたいな音楽の話が出てくるのも、何気に許せない(苦笑)  この物語に出てくる様々な音楽のうち半分ぐらいは KiKi 個人にとっても何等かの思い出と密接に関わっている音楽であるということもあって、何だか KiKi の思い出まで冒涜されたような気分になってしまいました。

    「生と死」を扱っていると言えば聞こえがいいけれど、主人公のどこか斜に構えた、もっと言えば甘ったれた「死生観」がそれこそ腐臭のように漂う小説のような気がしたし、登場人物の誰一人として共感できなかったのが KiKi にとっては致命的でした。  

    主人公のどこか頑なな気質の根っこにあるのは17歳の時に体験した「親友の突然の自殺」にあることはわかるし、その事実を消化し乗り越えるのに時間がかかったこともわかるんですよ。  親友の死と同時に、「1人生き残ってしまった自分」を持て余したのもわかるし、ある意味で虚脱状態に陥ってしまったのも理解できるんです。  特に昨日までそこに存在しているのが当たり前だった人が何の前触れもなくいきなり消えてしまうな~んていうのは、人を混乱させるに十分な出来事であることは、同じような経験をしていない KiKi でもある程度は想像できます。

    でも、逆に言えばこの主人公のような解決の仕方をしていく人間というのにどこか嘘っぽさを感じずにはいられません。  そういう意味では直子さんの方がまだ理解できるような気がするんですよね。  「生」と「性」を結びつけるのもわからないじゃないけれど、彼の「性に対する感覚」もちょっと理解の範疇を超えちゃっているように感じるんですよ。  率先して・・・・ではないにしろ、あれだけ「自堕落」とも呼べるような性行動をしている一方で、直子さんや緑さんとの対し方にある摩訶不思議な拘りはいったい何なんだろうか?ってね。  

    主人公の人間関係もどこか腑に落ちないんですよね~。  学生寮や大学にこれといって「友」と呼べる人間がいなかったのは、時代背景とか彼の心を占めているものと同世代の学生の心を占めているものとの相違という点でわからないじゃないけれど、1人の人間が生きていくうえでかかわりを持つ人間関係というのはそれだけではないはずです。  親もいれば親戚もいるわけで、少なくともあの時代の「親族」というやつはこの主人公にとってのそれほど存在感が希薄ではなかったと思うんだけどなぁ・・・・・・。

    ひと頃 KiKi の親世代の人々が KiKi やそれより10歳くらい年長(ちょうど村上さん世代)の人たちに苦言を呈する際に「ひとりで大きくなったような顔をして・・・・・」というのがあったけれど、この主人公ってまさに「ひとりで大人になったような顔をし、自分の哲学だけを頑なに守り続けている没社会交渉の孤独な人間」っていう感じがするんですよね。  そして生身の人間との接点が少ない分、歪な個人主義の中でこねくり回した感性だけを大切に抱え込んでいる・・・・・そんな印象です。

    文庫本上巻の裏表紙にある解説文の中に「限りない喪失と再生を描き」とあるけれど、 KiKi にはこの物語のどこに「再生」があるのかまったくわかりませんでした。  人間、エネルギッシュに何かを追い求め常にチャレンジしていくばかりではないけれど、この主人公の場合はあまりにも「何もしていない」し、どこか当事者意識が欠けていると思うんですよ。  しかも物語冒頭の記述からすれば20年という歳月を経ても相変わらず「混乱」してみたりするし、物語最後の記述からすれば青春の悩み時代のある種の通過儀礼を経た直後であってさえも「僕は今どこにいるのだ?」だし・・・・・・。    

    そして下巻の裏表紙にある解説文の中の「等身大の人物」というヤツも、疑問符飛びまくりです。  少なくともこの物語に登場する人物たちは KiKi とは「別の次元で生きている人たち」という印象こそあれ、決して等身大の人物ではなかったし・・・・・。  KiKi のこれまでの人生経験と比べてみても「ああ、ここに私がいる・・・・」と思えるような記述は一切なかったし・・・・・・。  学生時代に好んで読んでいた初期の春樹本の中にはどこかしら「ああ、ここに私(だった者)がいる・・・・」と感じられるものがあったんですけどねぇ・・・・・。

    ま、この本の場合、KiKi にとって好ましかったのは赤と緑の装丁の美しさだけだったと言っても過言ではなかったかなぁ・・・・・と(苦笑)。  この本の内容を知らないまま、この本の出版を契機に春樹本を勝手に卒業することにした KiKi の感覚は間違っていなかった・・・・・そんな風にさえ感じてしまいました。

  • 村上春樹の本で最初に読んだ本。

    二十歳の頃に読んだから、理解はできたけれど共感はできなかった、
    という覚えがある。

  • 10代後半の頃読了。

    なんであんなに簡単に自殺するのかさっぱりわからなかった。
    なんであんなに簡単に女の子と肉体関係になれるのか?嘘だ!と思った。
    そして大学生になって淡い期待を持ってみたけど、やはりこの作品の世界観は「嘘っぱち」だと痛感した…と当時は思った。

    この歳になって再読したらどうなんだろ?その気にもなってはいないけど。

  • うまく表現できないけれど、下巻読み終わってなんとなく腑に落ちない感じで、でもそうなる事が分かってたような気がして。男と女と言う関係で考えてしまうのではなく、人間同士の心の関係とか、肉体の関係性という形で読んでいく方が、すんなり入り込めた。文学的能力がないのか、つかもうとするものが、つかみきれないままのエンディング。最後になってもワタナベの心理も、直子の気持ちもつかめなかったし、「死」という結末も多く、描写は美しく描かれてはいるものの、内容もあまり好きになれない。男性目線の美的センスで、妄想で、そんなイメージしか残らなかった。

  • 途中、緑の父とのくだりは心打たれ、風景がありありと浮かび上がった。

    でも、
    最後が解せぬ。

    こんなイラっとした感覚が薄れるはずがないので
    やっぱりノルウェイの森は初めて読んだということですね。

  • 上はいいのに、下のこの展開は好きになれない。嫌いなのに、それなのに再読してしまうんだけど。

  • 主人公がなんであんなにモテるのか、よくわからないしイラっとくる話。

  • 性描写多すぎ 人死にすぎ
    この作品を名作だと感じない辺りに、村上作品を読むには私はまだ幼すぎたのかもしれない

  • 買い。
    いふもさらなり、村上春樹といえば…な本。
    ひたすら暗くて読むのがつらかった。きっと読み返す気にはなれない。
    死の美学。三島由紀夫?

    2008年3月

  • なんか来年あたり映画化されるっていうから、久々読んでみた。
    好みの問題だけど、なんだかとっても暗い感じで、正直、私はそこまで好きな小説じゃないんだよな。。。私が文学センス、ないからかもしれないけど。

  • これが映画化されると本屋に平積みされていたので
    手にとって買いましたが、もうびっくり
    な内容でした。そんなに大げさに宣伝しない方が
    と思ってしまうくらい(;´∀`)
    私からはR指定かけて欲しいって思う作品でした。

  • 個人的には全然つまらん
    海外の評価高いのは思想絡みだね
    文学的にはどうでしょう、、

  • 繊細な人たち。心の病にかかってしまうようなミルク色をした人たちが、混沌としたこの世界で一生懸命抗い、受け入れようと奮い立つその一途な姿を、精一杯の愛で描いた作品。こういうのが純文学なんだな。ただ私は、ひたすら彼女を尊重して自分の行動を制限する主人公の姿に、美しさはあれども強さを認めない。人によっては彼を強いと主張するかもしれない。自分を押し込めて、ライオンからハムスターになろうと一心に努めるその姿。だけど、結局は山椒魚なのだと思えてならない。
    死は、確かに人の心を掴む。悲恋は、人の胸を掴む。だけど主人公はそこから何かしらを掴んだのか。悲しい、悲しい、でハイ終わり。それなら、『好き好き大好き超愛してる』を読んだ方が、遺された人間の葛藤や苦悩、悲しみや怒り、吹っ切れるまでの歩みがむしろめちゃくちゃに描かれていていい。純愛?声を荒げることのない淡々とした思いやりばかりが純愛なら、そんなもの愛じゃない。

  • ノルウェイの森(上)のつづき
    なんか不思議な世界なのはいいんだけど
    重くて暗いかんじで
    あんまりあたし好きじゃないかもこれ

  • 上と同様

    これくらいは読んでおくか
    と読んだ春樹の本。
    全く理解できないぞ、春樹!!!!!!
    文章はきれいだったり、大学生特有の倦怠感なんかも
    うまく言葉で表現されているのだけど、
    彼の世界は理解できない。

  • この話はとにかく私にはワケが分からなかったです。この人の話はいつもそう思うけど。この本を昔小学生だった姉が探していておもしろいよって言っていたのを思い出して姉が恐ろしかったです。

  • でも結局読んじゃった。
    で、何が言いたかったの?

  • 描写とかは確かにすごいけど、感情移入が出来ないし、理解できないというか性描写も多いし…。
    あくまで傍観者としか読めない。
    2006-08-04 21:07:51

  • サナトリウムってものの存在を、これ読んで初めて知ったんだよなあ

  • とりあえずヤッとく精神がよくわからない
    緑ではなく直子と結ばれて欲しかった想いがあったので残念
    生と死。他の作品を読んだ方が考えさせられるだろうと思った。

  • 所々 え?ん? てなる。
    登場人物たちの言動に共感?理解?できないことも多く
    自分的にはラストもなんかしっくりこなかった。
    でもまたいつか読んだ時の感じ方の変化がたのしみ。



  • これほど本気の恋をしたこともないし、


    まっすぐすぎると生きづらいのがこの世の中。

    少しくらい頭いかれてるほうが
    生きやすいし楽しいんだなって。


  • 成人前後の大人と青年の境目での心の揺れ動きを表した作品、かな?
    多少思うところはあれど、自分的には退屈な作品でした。
    登場人物にあまり感情移入できなかったのが原因かな。

    人はこの作品のようにままならない想いを抱えたり、
    ハッピーエンドといえるような結末を迎えるわけでもない状態で、
    折り合いを付けながら大人になっていくものなのかな。

    話は自分の人生では起こり得ないような物語的なものではあったけど、
    どこまでも現実的な感じがした。

  • 意味が分からない。

  • あんまり好きじゃなかったです。 私の読解力と想像力が乏しいからかもしれないですが。

    自分が弱いとか、歪んでるとか、おかしいとか、思っても口に出さないでじっと耐える生き方が私は好きで、そういう風に生きたいと思っているから。 とにかく直子の生き方も死に方も共感できませんでした。
    何がしたいのか分からないまま、気がつけば周りを振り回しているワタナベ君も、なんで皆が彼を好きになるのか分かりませんでした。
    他の登場人物も、ほぼ理解不能……ごめんなさい。

    ストーリーの追いやすさで言ったら断然「ノルウェイの森」の方が容易だったにも拘らず、、 「海辺のカフカ」の方が、まだ伝わってくるものがあった、気がしました。

  • 読み進めれば(上)の印象が覆るかと思ったけれど覆らず。
    誰か村上ワールドの解説を!

  • 主人公は親友の死という鎖に繋がれて身動きが取れなかったが、親友の彼女が死んだことによって自由の身になった。しかしそれは決して幸福なことではなかった。死という重りを背負って彷徨うほうがずっと辛かったからだ。最初から最後まで性的描写が多いので、そのシーンだけは読むのに苦労した。また、最後のレイコさんの行動に幻滅したので読後感が最悪。約30年前の作品なので、連絡手段は手紙、定食の値段も数十円〜と時代を感じる部分もある。この後Norwegian woodsと、同年発行の村上龍「69」を読む予定。

  • 何故かスラリと自然に一気読み。
    適当な相槌と屁理屈。優しいけど何処か覚めていて淋しさと心の渇きがある主人公ワタナベ。
    病んでる女性達はそんな彼に惹かれる。人をほっとさせ安心させる能力が長け、心も身体も女性を喜ばせるテクニックも持っている。ただ結果、誰もが空虚感しか残らない。読んでるこちらも。ただひたすら。直子は死したが、レイコは最後に性(sex)があったからこそ生の世界に留まったのだろう。

  • 遠く離れた直子を想う気持ちは良いと思う。

    ただ、その想い出す内容が常にエロとわ・・・

    周りのみんなも自殺しすぎだし、消息断ちすぎ。

    結局冒頭でドイツの空港に降り立ったのは何の意味があったのか不明。

  • ワタナベ語録が良い。春の熊くらい好きという表現がツボ。
    物語としては、う〜ん、1回読めばいいかなという感じ。

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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