- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748698
作品紹介・あらすじ
あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと-。あたらしい僕の大学生活はこうしてはじまった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同じ学部の緑。等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして哀しみを淡々とせつないまでに描いた作品。
感想・レビュー・書評
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30年ぶりの再読です。
文章の美しさに驚かされます。
50になろうかとするオヤジが読めば、ウジウジと悩み、しかしヤリまくる主人公に辟易しそうなストーリーであるのだが、なぜかその苦しみを分かち合い、初々しさに嫉妬してしまう。
女性陣がなんとも魅力的でいい。
軽快で哲学的、生きていくための教訓をなんと多く含んでいることか。
感受性の鋭さゆえに苦しみ、必死で生きようとする若者たちには、覚めた目で見つつも感情移入してしまう。
こぼれ落ちる者が悲しいが、生き残ろうともがく者への救いにホッとする。
村上さんを青春期にもっと読んでおけばよかったな。
オヤジは永沢が一番好きだな。
「自分に同情するな」は、30年来心にとめている。 -
高校生のときに初めて読んだ村上春樹。
その時の印象は暗くて静か(そういうのは好きなのだけど)、あまりの性描写の多さに村上春樹は苦手だとおもうきっかけになってしまった。いみのない性描写はきらい。官能小説みたいでなんか嫌だ。
でも今回改めてきちんと考えながら読んで、この作品に於いての性というのは"生"のことなのかなという考えに至ったら、一気にすっきりとした。
生を受け入れられない直子と、まっすぐに生と向き合おうとする緑と、生の世界にありながらも直子のもつ死を見つめざるを得ないワタナベくん、死に近いけれどまだ選択の余地のあるレイコさん
全力で正直な緑が好き。死に影響されつづけるワタナベくんが生をわすれなかったのは、生命力にあふれている緑との関わりがあったからだと思う。
結局はまだまだ生きなければならないけど、生きてゆく限りは多くのものを失うことになるし、世界にはきれいじゃないものが沢山あるし、自分のかなしみのことだけ考えていく訳にもいかないし、でもそれに向き合うのが生きるということだから。
4年ぶりに読んだノルウェイの森は、生きるパワーやあたたかさを感じる作品だった。
すごくうまく組み立てられた作品。村上春樹がすごいと言われる理由が分かり始めたかもしれない。 -
本当に読んで良かった。長い間、イメージから読むのを避けてたのが悔やまれる。大切な人を急に失った経験があって、その事を頻繁に思い出しては言葉に出来ない感傷に浸ってだけど今作を読んで失った経験を肯定的に捉えられた。まさかこの本を読んで自己肯定感が上がるような体験ができるとは思わなかった。長沢さんの「自分に同情するな」「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」というセリフが胸に刺さった。でもそれをしないで生きていくのはまだ私には難しそうだけど。
これからも落ち込むような気持ちになった時は読み返していきたい。 -
3回目。今まではラストのレイコさんとの件がどうにも解せなかったのだけど、あれは二人を死の世界から生の世界へと引き戻す為に必要な行為だったんじゃないかと思えてきた。その前の二人ですき焼きを食べるシーンは、肉を食らうということは生へのどうしようもない衝動なんじゃないかと。死の世界にいる直子ではなく生の世界の象徴たる緑にワタナベが惹かれてしまうのはどうしようもない生への渇望なんだろうなと。「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ」蓋し名言。これは生(性)と死の物語なのだ。2011/512
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一体何年ぶりに読んだんだ?
1987年だったんだ。22歳か・・・若かったな〜
この緑と赤の装丁が本屋に山積みにされていて・・・
それまでも村上ファンだったから、何かこの作品で一気にファンが増えて、社会現象的な作品になったことを記憶しています。
改めて読むと・・・軽くて重い、青春小説だったのかな
もはやどうすることもできない純然たる「死」と、どう向き合って生きていくのか・・・
やっぱりヘビーな作品です。
女の子は、できる限り奔放で、キュートで
男は、ストイックであり、主体性はないが、一風変わった我が有り、
気分は軽やかであり、しかし死を哀しいまでに内包している。
やはりいい作品だと思います -
この本を読んで、一気に色んな人生経験した気分になった。ワタナベの周りには深く悩み、自殺する人が多すぎる。私はワタナベのように哀しみの乗り越え方は見つけられない気がする。ワタナベの哀しみや欲に向き合って生きていく様子が、人間味があってよかった。深いのに、それに対して自分の言葉で感想を書くと薄くなってしまう〜、、
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この本が刊行された頃に一度読んだきりで、内容を殆ど忘れてしまったので再読。
忘れていたにもかかわらず、私の中で圧倒的な存在感を誇っていた。
「私のことをいつまでも忘れないで。私が存在していたことを覚えていて。」
ストーリーを噛みしめながら読んでいった。
死に向かう人間と、生身の人間…
誰かに心魅かれるというのは、罪でも何でもありません。
何度読んでも伝わるものがあるし、また何年か後にも読みたいと思う。 -
久しぶりに読んだら、すっかり忘れていて、新たな気持ちで読むことができました。
自分も歳を重ねることで、昔読んだ時より、より一層深く理解できた部分もあったように思われます。
著者プロフィール
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