風の歌を聴け (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 15712
レビュー : 1459
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748704

作品紹介・あらすじ

村上春樹のデビュー作
1970年夏、あの日の風は、ものうく、ほろ苦く通りすぎていった。僕たちの夢は、もう戻りはしない――。群像新人賞を受賞したデビュー作

1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • ああ、村上春樹はここから始まったのか。これは、凄いな。「新しかった」し、「鮮やか」だったし、「おしゃれ」だっただろうなぁ。
    そして、今でもその「新しさ」と「鮮やかさ」と「おしゃれさ」は、時が止まったみたいに当時のままのような気がする。

    だるくて軽くて憂鬱でさらっとしてて、夏でビールでレコードで若くて。
    行き止まり。
    永遠に止まった時計のような。
    世界と自分が他人で、でも一緒だった頃のような。

    風の歌を聴け。

    • 抽斗さん
      >yuuさん
      実は私も「ピンボール」を先に読んで、「??」状態だったのです。この本を読んで、ようやく「あ、こういうことだったのか」って感じで...
      >yuuさん
      実は私も「ピンボール」を先に読んで、「??」状態だったのです。この本を読んで、ようやく「あ、こういうことだったのか」って感じです(^^;)。
      映画もあるんですね。この雰囲気が映画になるところは想像できないですねぇ。。

      嬉しいお言葉、どうもありがとうございます! 読み終わってみると、不思議と「これしかない」感がするタイトルですよね。
      2012/05/02
    • yuu1960さん
      映画を撮った大森一樹監督も村上さんの高校の後輩にあたる人ですが、残念ながら映画の中に風は吹いていませんでした。
      「羊をめぐる冒険」は、止まっ...
      映画を撮った大森一樹監督も村上さんの高校の後輩にあたる人ですが、残念ながら映画の中に風は吹いていませんでした。
      「羊をめぐる冒険」は、止まった世界が終わる話かも知れません。
      お勧めして良いか躊躇いながら、やはり抽斗さんの感想を聞いてみたい。
      2012/05/05
    • 抽斗さん
      >yuuさん
      止まった世界が終わる、ですか・・・!
      感想を聞いてみたいと言っていただき恐縮です。yuuさんのお言葉で興味を持ちましたので、近...
      >yuuさん
      止まった世界が終わる、ですか・・・!
      感想を聞いてみたいと言っていただき恐縮です。yuuさんのお言葉で興味を持ちましたので、近々読むかもしれません。よろしければ、気長にお待ちくださいm(_)m
      2012/05/06
  • 出だしの文が良い。

  •  デレク・ハートフィールドというアメリカの作家、38歳でエンパイアステートビルの屋上から、傘をさして飛び降りてぺちゃんこになって死んだ男だが、ともあれ、彼の作品をまず読んでみればどうだろう。この小説の面白さにたどり着けるかもしれないし、1979年当時、20代の学生だったぼくたちの、静かな熱狂も理解していただけるかもしれない。
    https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201910070000/

  • 再読
    読む時期によって印象が違うと再認識。船の上で読むにぴったり。

  • 村上春樹さんは数年前に書かれたエッセーの中で、デビュー作であるこの作品について「今だったらもっとうまく書けるのになぁ」みたいに語っていたのですが、私は普通にめちゃくちゃ感動して何度も読み返しては胸を熱くしていたので、自分の至らなさにちょっと凹みました。(序章部分はご自身で今読み返しても感動なさるそうです。)

    いろんな意味で人と人とが繋がりをもっているように思うし、とてもハートウォーミングな話だと私は思います。

  • この本は何も起こらない。とある大学生の日常を描いただけである。更には時系列なのか物語のようなものの順序もバラバラである。時折入る、著者なのか、主人公なのかもわからない語りも本の理解を難しくさせる。文中にたびたび現れるハートフィールドも異様なリアルティを持ちながらも架空であり、ストーリーとも直接関係しない。続編として二作あるが、この本画を読み終えただけではよくわからず、次呼んで時に心境が変わってることを期待したい。

  • (2016.7.30)
    ほぼ一年ぶりに再読してのレビュー。
    親しい友人にすすめられて村上春樹というものを訝しがりつつ初めて読み、そしてまんまと衝撃を受けたのが、もう一年前。
    そして今日までに彼の小説を貪るようにすべて読み尽くしたのだから不思議なもんだ。

    このデビュー作を読んでの第一印象は、支離滅裂なような文章構成がとにかく斬新でクール。
    琴線にふれて心を鷲掴みにし、私もそれを鷲掴みに仕返して大切にとっておきたくなる一文がいくつもあります。
    夏の終わりのさみしさと、脆い青春の質感が融合して独特の世界観をつくりだす本当に素敵な小説です。
    やっぱりビールが飲みたくなる。

  • 主人公が行きずりの女性とセックスしない、射精しない、ジャズを聴かないという、村上春樹の体調が良くない日に書かれたのだろうと訝ってしまう作品。
    主人公の台詞に気障なところはあるが、そこまで気にならなかった。
    ファンタジー要素を廃し、一人の青年の一生の一か所を抜き出した一冊。

  • ノルウェイの森の、病的な透明感が合わずに苦手意識を持っていた村上春樹。
    夏らしい小説に紹介されていたので今回手にとったら、意外にも面白かった。
    やはり圧倒的な透明感、異常を感じさせるような描写・・はあるのだが、主人公や夏という独特の気だるさの中に隠れていたので、あまり気にせずに読み進めることができた。
    さらり、と読了したものの、1週間ほど心になにかがつっかかる。簡潔な澄み切った文と文の間に、描かれていないなにかを想像しようと、頭がぐるぐるしていた。
    村上春樹作品への苦手意識が薄まった作品。

  • 恥ずかしながらこの歳になって初めて村上作品に触れました。この作品に出てくる主人公を含めた登場人物たちの、変にカッコつけたような言い回しや考え方がやはり理解し難い部分もありますが、最後には癖になってしまいました。
    大抵物語を読み終えた後は、頭の中に取り残されている本の世界と、目から入ってくる現実世界とがないまぜになって浮遊感というか、余韻が残るものですが、この本を読み終えた後はその感覚がいつにも増して長く感じました。
    また近いうちにでも村上ワールドに浸りに行こうと思わせてくれます。
    けれど読み始めて早々にスマホでデレク・ハートフィールドについてググってしまったのは内緒です笑笑

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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