風の歌を聴け (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 15645
レビュー : 1454
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748704

感想・レビュー・書評

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  • 一行目で、読んだ価値はあった。描写がかっこいい。音楽がきこえてくる。小説を好きになる。ビールを飲みたくなる。恋をしたくなる。村上春樹の主人公はどこか孤独で、みんなかっこいい。

  • 僕、鼠、指のない女性に関する描写が中心。話の移り変わりが急すぎてついていけない部分が多々あるが、言い回し、考え方は面白い。タフであること、喪失感、虚無感がテーマ。ビールをダラダラと飲むシーンが良かった。

  • 特に何が起きるわけでもないのだが、描写がとにかく良い。

  • たまたま読むことになった村上春樹のデビュー作。初めて最後まで読んだ村上春樹作品に。

    散々取りざたされてる文体にミーハー的な興奮を感じつつ、デビュー作でこの独特の雰囲気すでにあったのかーというところに素直に感心。
    読み終わったとき「無」になる小説は好物です。

  •  数か月前に一度読んだが、全く味わうことができなかったため再読。今回はこの作品の、青春のアンニュイなひと時が溶けていく淡い味わいを感じることができた。
     
     特に何か目標があるわけでもなく、ただものうく時を過ごす大学生。青春のひと夏は確実に、不可逆的に過ぎ去っていく。半端に悟ったような、冷めたモラトリアムと、時の無常とが、作品全体を覆う言いようのない気だるい雰囲気を生む。読後には、濃度の薄い切なさや儚さ、さらにはある種の爽やかさのようなものが残る。

     この作品における青春のひと時の描写は、まさに大学生の最中にいる私にとって、詩的文学的な趣を感じさせるものだ。このようなモラトリアムを過ごすことへの、センチメンタリズム的な憧れもある。
    しかし、この作品はおそらく、同じように特に目的意識やモチベーションもないまま、なんとなく大学生活を送る人間に最も味わい深い文学になるであろう。その意味で、何を拠り所にしてどこを目指して生きていけばいいか分からなくなっていた6月あたりに読むのがベストだったかもしれない。よく分からないけどとりあえず色々なことに首突っ込んでみよう、という前向きな思考になっている今の自分は、「僕」と相異なる部分があることは否めない。
    ただこの作品と母の解説を通して、村上春樹の中心となるテーマを感じることができた。今の前向きな思考が消え、袋小路に入り、憂鬱な青春のひと時を過ごすようになった時、村上春樹の文学にカタルシスを求めたい。

  • 言わずと知れた村上春樹のデビュー作。
    続編にあたる「1973年のピンボール」を読もうと思って、久しぶりにこっちを読み返しました。

    この人の本の中ではなんだかんだこれが一番好きかもしれません。
    メッセージ性や面白いストーリーやびっくりするオチなんかも何もないんだけど、魅力的な登場人物と綺麗な文章があればそれだけで素晴らしく、そしてそれが前提条件としては何よりも大事なんだと思わされます。

    「文章を書くたびにね、俺はその夏の午後と木の生い茂った古墳を思い出すんだ。そしてこう思う。蟬や蛙や蜘蛛や、そして夏草や風のために何かが書けたらどんなに素敵だろうってね。」

    この一文が本当に好きです。
    デビュー当時29才で、自分に小説が書けるなんて全く思ってなかったという著者も、こういう小説が書きたかったんじゃないかな。
    だからこその「風の歌を聴け」というタイトルなのかなと思いました。

  • 村上春樹を読むときにいつも感じることは圧倒的な個性だ。
    自分では絶対に考えることのできない唯一無二の世界観がこの作家の物語からは感じる。(その世界観が合う合わない人がいるのは当然でどちらかというと自分は合わない方だと思っている。)
    でもこのデビュー作を読んでみて、まだこの作家が一般的な感性を残していた残滓を感じることができた。
    なんだ、この人だって普通の感性を通過して誰にも表現できないような世界観を作っていったんじゃないかという安心感を得た。

    しかし一つ間違えればとてつもなくいたい内容なのにそれを低い温度で保つ独特なバランスはさすがだしその後の多くのフォロワーを生み出したことも納得できる。

    内容はすぐに忘れてしまう気がする。実際読み終わった直後の今ですら半分くらいしか覚えていない。
    ライトに空気感を楽しむ読み物なのだと自分は思う。

  • 2016年2月27日 読了

    ストーリー自体は単調で特に心に残る場面や台詞もないけれど、村上春樹の文体が好きなのか、スラスラと読めた。
    「僕」と鼠と指が4本しかない女性との故郷での一夏の思い出。夏が終わって僕が東京に戻る最後の場面はちょっぴり切ないかな。

    ※ ビーチボーイズ/カリフォルニアガールズ

  • 作者のエッセイを読んでから、その人の作品に初めて触れるというちぐはぐさ。
    新宿や山の手といった日本の地名がはっきり出ているにもかかわらず、物語の隅々に欧米の雰囲気が浸透していると強く感じた。作中に出てくるミュージシャンだったり小説家だったりが日本のものではないから、ではなく、主に会話のやり取りから、これでもかと言わんばかりに漂っている。
    それを感じ取ることが出来たのは、「職業としての小説家」を読んで、村上春樹が海外の小説に慣れ親しんでいた事を知っていたからだと思う。お陰ですんなりと読み進めることもできた。

  • 初めての村上春樹作品。
    読みやすいと聞いたので読んでみた。
    1日でさらりと読めた。
    好きでした。
    もう一回読みたいな。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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