風の歌を聴け (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 15600
レビュー : 1451
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748704

感想・レビュー・書評

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  • 春樹を読んだ最初の本にして、後々最後の本にしとけばよかったと思った本。
    雰囲気小説の王者たる春樹のエッセンスが詰まった短編で、逆に言うとこれだけ読んでおけばいいって感じ。

    一ページごとにメモをとりたくなるような洒落た文章と巧みな比喩がちりばめられてます。
    流れるような文に誘われてなんの話かわからないままぐいぐい読み進めるうちに結局なんの話かわからないまま終わってしまうところがあたかも哲学書のようであり、春樹が哲学的と言われる所以かも。

    でも読後不思議な満足感があります。合う合わないはあるでしょうが、試してみてはいかがでしょう。

  • 私は『諸行無常』っていう考え方が好きで、
    やっぱり1つのところに留まるものなんて無いと思うし、
    変化をしないものも無いと思うし、
    時間は心や記憶とは全く無関係に流れていくものだから、

    そういう空虚で諦観な感じが村上春樹の文章にはあって、
    私はそんな部分に波長が合うからこの人の言葉が肌に
    馴染むんだろうなって分かったような気になってみた。

    多崎つくるの前にテンションあげるために買いました。

  • いつぶりだろう。おそらく4年ぶりくらいに読みましたが、ああなんて隅々まで知りきった、居心地の良い世界なんだろう。この本をひとり繰り返し、繰り返し読んでいた昔のわたし。古い、すごく親密な友人に再会したような気持ちです。今読み返すと、文章は現在の洗練とはほど遠く、物語としての強度もあまりないかもしれない。現在の春樹ならばより雄弁に語れる事柄が、ここでは力量不足、技術不足であまり上手く語られていない。だけど確かに得難い魅力があることを感じます。こんなにも、稚拙に思える部分を見つけながらもなお、読んでいて苦しくなった。散りばめられた欠片が、昇華しきれていない文学が、ありえないほど心に迫る瞬間が確かにある。くるしい。そして文学について語ることはどうしてこんなに難しいんだ。わたしは今書いているこの感想で結局何も語っていない。くるしい。

  • もう、もう ありがとう ってかんじ。



    つまり、ラジオのDJの最後の言葉で 全部 救われました。

    どういう情景なのか
    舞台が本当に日本なのか
    うまくイメージができずに読んだ。
    初村上春樹でした。
    ただし、青春時代に読んどけばよかったろうにっていう後悔はナシ。
    青春時代って 影響されやすいから、私はこうなっても困るなって。

  • 村上春樹作品で、これが1番好き。

  • 春樹はわたしのハルシオン。
    (※ある意味すごい)

    「あのときのあのひと」が出てくる”別のお話”って言うのが
    ありえるようなので
    読む順番を気をつけよう。

    他の人のレビューを読んでいて
    ああこの物語は何度でも読んでいいのだ、読んで分からなくてもいいのだと安心した。

  • あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。
    僕たちはそんな風にして生きている。

    語る僕は、まさに「風」。かっこよくてでもつかめなくて、何度も読み返した。最近また読み返したけれど、やっぱり素敵。
    鼠と過ごした夏。少年時代。付き合っていた女の子たち。犬の漫才師。デレクハートフィールド。
    それらは記憶の断片。メッセージの断片。だけども物語は、生まれそうで生まれない。
    作品を書いたはずの、あとがきに登場する「村上春樹」すら虚構だというのだから、捉えることは難しいのかもしれない。
    だけど、どんなに無意味なことと感じても、どんなにひどい仕打ちを受けたとしても。その、風のように過ぎ去る日々や記憶の中に、きっと何かがあるはずだと、信じながら私が毎日生き続けるように、この作品に惹かれ続けているのかもしれない。
    そして、この、冒頭に癒される。

    「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

    ハートフィールドが「僕」に語りかけたように、「風の歌を聴け」が私に語りかける。

    「僕にとって文章を書くのはひどく苦痛な作業である。」
    書くことで、新たな自分が発見されることもある。ああ、私はこんなことに感動するんだ。ああ、今こんなにつらい気持ちなんだ。
    そう思うこともある。確かにそうかもしれない。
    星30こくらいつけたい。

  • やっぱり、村上春樹さんの文体は美しいと思った。ぐいぐい読めてしまう。

    でも、この本の内容はさっぱりわからなかった。
    読み終わってから、なにも掴めなかったことに気づいた。


    2015.01.06 再読。
    久しぶりに読んだらなんだかすごく面白かった。

  • 散文的で小説という枠に入るのか入らないのかわからない印象も持ちました。とは言っても心に「クッ」と収まるような紋切り型の文章も見られ、そこがこの小説のおいしい部分だとも感じました。この小説周辺にある逸話を含め「丁寧に」完成されています。

  • なんか外国文学みたい。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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