蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.11
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本棚登録 : 6773
感想 : 638
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748919

作品紹介・あらすじ

汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう-中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつべストセラー大作。

感想・レビュー・書評

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  • 叔父さんから祖母へ、そして祖母から譲ってもらった本。何度読んでも涙する。春児の可愛さ、文秀の賢さはどんな状況でも安定していて素晴らしい。頭上に昴の星はなかったが、春児は信じて予言を自分のものにする。黒丹が逝去するシーンでは一番泣いてしまう。個人的には王逸もお気に入りだ。現在は醜い老婆である白太太と接吻するシーンでの、男前っぷりに惚れる。中国の昔の話は大好きだ。言葉の美しさ、召し物の優雅さ、文章だけで食欲をそそる食べ物、貧富の差やその時代の雰囲気等が私のツボにはまる。この本は何度でも読める。

  • 義母が貸してくれたシリーズ第2弾。前回の天切り松もこれも最初は難しくて理解できないけど、読み進めるうちに面白くなってきました。

    中国の歴史に全然詳しくないし、名前も難しいしあだ名まで出てくるし、最初は果たして読み終わるのか…って絶望してました。でもそんな私でもだんだん理解出来てきて、面白かったです。

    特に春児と文秀との掛け合いが好きだった。結構グロい描写もあったり、試験の過酷さが表現されていたりとそんな歴史もあったのかなと勉強になる。シリーズいっぱいお借りしたのでのんびり読んでいこう。

  • タイトル名に惹かれて買いました。中国が舞台なので慣れない名称が多く読むのが大変でしたが、昔の中国を旅しているようで気分よかったです。
    中国を手にすることを望んだ李春雲がこの先どうなって行くのか、いい意味で想像が付かず、これからの物語にワクワクします。

  • 〝「昴って?」 春児は思わず声を出した。 予言者は見えぬ目を闇に振り向け 「昴は富と力の星。世界を統べる昴の星じゃ」 〟・・・西太后が統治する中国・清王朝の衰退期・・・ 超難関の「科挙」の試験に挑む<文秀>。 “あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう”という占い師の予言を信じる、貧しき糞拾い少年<春児>。 それぞれの志しを胸に秘め、都に上った二人を待ち受けている過酷な宿命・・・。 浅田次郎氏が放った歴史大河小説の開幕編。

  • 中華最後の王朝、清末期を舞台にした壮大な物語!
    世界が近代化へと進んでいく中で、中華も歴史ある長い王朝を閉じて近代化へと舵を切る大激動な時代背景が物語を彩る様子が圧巻です。
    評判が良く以前から気になっていたのでようやく読み始める事が出来て嬉しいし、期待を裏切らない面白さで感激!
    壮大なスケールでロマンMAX!

    浅田次郎先生はほんと凄い!

    • hibuさん
      ニャンちってさん、こんばんは!
      僕もこの作品大好きです!
      これから尻上がりに面白くなるので、お楽しみに!
      ニャンちってさん、こんばんは!
      僕もこの作品大好きです!
      これから尻上がりに面白くなるので、お楽しみに!
      2023/08/25
    • ニャンちってさん
      hibuさんコメントありがとうございます!
      蒼穹の昴お好きなんですね、私は今2巻を読んでますが、話が全然失速せずずっと面白いです!
      先が長い...
      hibuさんコメントありがとうございます!
      蒼穹の昴お好きなんですね、私は今2巻を読んでますが、話が全然失速せずずっと面白いです!
      先が長いので、まだまだ長く物語を楽しめそうで嬉しいです。
      2023/08/27
    • hibuさん
      もう登場人物がみんな魅力的なのですよ。
      蒼穹の昴以降のシリーズも面白いので是非!
      もう登場人物がみんな魅力的なのですよ。
      蒼穹の昴以降のシリーズも面白いので是非!
      2023/08/27
  • ワクワク感やロマンを感じさせる第一巻でした。

    中国の清の時代末期というなじみの薄い時代背景に加えて、読み慣れない中国名ばかりで読むのを苦労しそうな作品なのだけど、読みにくさやとっつきにくさは、早い段階で感じなくなりました。
    名前が漢字表記なので読みが分からなくても、自分で適当に読みをあてはめられるのもあるかもしれませんが、物語の面白さやキャラクターの良さも大きい。

    貧困にあえぐ少年。地方で放蕩息子と呆れられる青年。それぞれの立身出世の物語でもあります。運命に見捨てられたような生活の中での、成り上がりへの希望。そして占い師の壮大な予言。このあたりがロマンを感じさせます。

    歴史小説なので固い物語かと思いきやキャラクターが立っていて、良い意味でマンガ的に読めたのも良かった。特に春児の言動が少年マンガの主人公っぽくて、入りこみやすかったし、読みやすい。

    そうしたエンタメ部分に文章の迫力や格調高さといったものを併せ持っているのがまたすごい。

    宦官を生み出すための闇の仕事場、女帝との偶然の邂逅、数日間続く過酷な科挙の試験……
    時に恐ろしく、ときに美しく場面を彩る筆力! 名作と呼ばれるのも納得のここまでの展開であり、そして文章力を感じました。

  • 浅田次郎を未読の頃からこのタイトルは見聞きしていた。
    浅田次郎をわりと好きになって以降、彼の代表作の一つであると知ってなお、未だ読んでいなかった作品。

    中国史モノ、というだけの理由で、長らく敬遠していた。
    差別的な意味合いでの敬遠ではなく、漢字の読みに二の足を踏みまくっていた(苦笑)。

    だって・・・

    春児(チュンル)
    梁小爺(リャンシャオイエ)
    天子(テェィエンヅ)

    かなり頻繁に出てくるこの3単語ですら、ルビ無しで読めるようになるのにしばらくかかった程だもの(涙)。

    ただし・・・、読み始めてみたら、面白いのなんのって。

    時代は清朝末期。
    西太后を"セイタイゴウ"と読ませてくらない点にストレスを感じつつここまで読み進めてきたが、大いなる歴史の転換期を(フィクションでではあろうが)目撃することになろう予感に、胸が震えた。

    次巻にも期待♪

    ★4つ、8ポイント半。
    2020.01.07.古。


    ※科挙・・・凄まじ過ぎる。。。

    ※乾隆帝、恰好良し。

    ※主人公が宦官って、斬新。。。

    • moboyokohamaさん
      壮大な中国と中国の人を感じられました。
      壮大な中国と中国の人を感じられました。
      2020/01/11
  • 全4巻
    浅田次郎の代表作の一つということでずっと読んでみたかった本。

    時代は清朝末期。
    西太后を中心として清朝が崩壊していく様を描いていた。
    西太后といえば悪女のイメージが強く、中国を駄目にした原因といえる人と思っていたが、この本ではそうではなく、清の崩壊を卓越した政治の能力で清の崩壊を抑えていた人という書き方。

    主人公はチュンルという架空の宦官であるが、登場人物の多数が実在の人物であるため、チュンルも実在の人のような記がしてくる。

    簡単な内容として
    西洋の清朝に対する侵略が進む中、偉大な皇帝だった乾隆帝の後裔は暗愚で代々選ばれし皇帝が手にしていた龍玉もどこかに消えた。
    主人公は老婆から時の人になる旨予言を受けその通りになっていくが、時代は清の崩壊を止められない。

    中国の歴史は混迷の時代に突入していくという感じでした。

  • 中国の歴史を学べればええかなー、と思って軽い気持ちで読み始めたんやけど、普通にストーリーとして面白い!!
    まあ、浅田次郎の代表作やし、当然と言えば当然なんやろけどwww

    科挙とか宦官とか、それがなんなのかってのは知ってたけど、そこに纏わる話って学校の授業では教えてくれへん。
    けど、例えば、科挙試験がどういう風に行われて、それを通った人がどうなっていくのか、それがわかった方が歴史の面白さに深みが増す。
    この作品には、そういった面白さもありました。

    自分が好みやすい傾向にある成り上がりストーリーの匂いがムンムンやし、これからどんどん読み進めていこうと思います。

  • すごい良かった。キングダム的なノリ。名作。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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