ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 14330
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749046

作品紹介・あらすじ

『羊をめぐる冒険』から四年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。七〇年代の魂の遍歴を辿った著者が八〇年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 『風の歌を聴け』→『1973年のピンボール』→『羊をめぐる冒険』と、デビューから連綿と続いてきた作品世界の続編。何故か放置してた。
    前作を読んだのは8年以上前で、設定等はほぼ忘れていたが、未読でも問題無い範囲だと感じた。
    表題に反し、展開は群を抜いて平板で、大きく動かない巻だが、リリックやユーモアで読ませてしまうのは作者の筆力。
    このシリーズの“ぼく”がやはり断トツで気取っている。

  • 羊をめぐる冒険の続編のようだが、
    羊はかなり昔に読んだので内容がうっすらしか覚えてとおらず、、(面白かった記憶はある)まっさらな状態で一気に読破。

    ページをめくる手が止まらず長篇でも問題なくあっといまに上巻が終わってしまった。

    とにかく展開が早い。そして何と言っても登場人物の個性が強すぎて一気に物語に引き込まれる。今後この登場人達が誰とどこで、どう繋がっていくのか気になる。そして羊男とどう絡んでくるのだろうか…

    上巻ではまだどんな話に展開していくのか、まだ見えていない。最後どういう結末になるのか楽しみだ。


  • 村上春樹氏の本が好きで、特に落ち込んだときによく読んでいた。春樹氏の小説を読むと「そうだな、孤独なのは自分だけなじゃいな」と感じ、元気になれた。
    それから20年近くも後、41才になりひどく落ち込み、空き時間も何をすれば良いか分からなくなった時に、ふとまた元気になれるかもしれないと、本棚を見るとこの本が有った。もう何回読んだだろうカバーはボロボロだが、再度読んでみようと手に取る。

    不思議と文章に癒される。いつの間にか主人公より大分年上になってしまったが、リラックスした気分になることができる。

  • 早く下巻を読みたいです。久しぶりに村上春樹の世界観に触れて心地よかったです。

  • 上巻読了。下巻へすぐ手が伸びた。

  • うる覚えですが、『羊をめぐる冒険』を読んでから読むのをお勧めします。この本の思いは、下巻の感想で綴らせて頂いています。2021年ユニクロのUTTシャツの一作ともなったポップな表紙が印象的です。

    • もよしさん
      初めまして。ユニクロのTシャツになったんですかあ!佐々木マキさんのイラストは確かに魅力的ですよねえ。ちょっと欲しくなったけど、着て出歩くのは...
      初めまして。ユニクロのTシャツになったんですかあ!佐々木マキさんのイラストは確かに魅力的ですよねえ。ちょっと欲しくなったけど、着て出歩くのはなんとなく恥ずかしい。。


      これめちゃくちゃ大好きな本ですが、ユキだけは全く魅力もケレン味を感じず、彼女が出るたびイラつくし、まあ、嫌いなんですけど、ライトノベルの登場人物のようだなと再読して気づきました。

      しかし、こんなタイプの人物がひょいひょい出てくる小説が2021年に出版界を席巻してる(ライトノベルは本だけでも売り上げがえぐい。文芸書より遥かに売れているしがっちり人気もある)現状では、村上春樹は時代を予言していた?と思えます。
      2021/07/02
  • 再読。
    初めて読んだ時は羊をめぐる冒険も未読のまま読んだけれど、それでも面白かった。
    今回は羊をめぐる冒険を読んだ直後に続けて読んだのでもっと面白い。ちゃんと繋がってる。
    (4年後のお話だから当たり前だけれど)
    以前読んだ時も楽しく読めたけど、この人誰?とか思わなかったのだろうか。不思議。

    まだまだ村上春樹作品初心者ですが、今まで読んできた中では結構現実的というかファンタジー要素少なめに感じて、こちらに語りかけてくるものが多いなぁと。
    大切な人を、大事なものを失って、
    自分自身が磨り減ってしまっても、
    踊り続けるしかない。それもとびきり上手く。
    みんなが感心するくらいに。音楽の続く限り。
    文化的雪かきは名言だなぁといつも思う。

  • 1998年11月1日 第二刷 再読

  • 「羊をめぐる冒険」の続編、4年後の”僕”。
    懐かしい音楽とともに70年代から80年代へと時代が変わってゆく。
    羊男との再会の後、ヘンリー・マンシーニの「ムーン・リヴァー」が、僕を現実へと迎えてくれる。

    ドルフィンホテルのフロントの女の子、元ガールフレンドのキキ、不思議な能力を持つ美少女ユキ、映画スターになった中学の同級生五反田君、メイと名乗る高級コールガール、
    何がどう繋がっているのか。新たな冒険が始まる。

  • 村上春樹の初期長編の一つ。『羊たちの冒険』の続編的な位置づけで羊男が登場する。現代人にとって生きる指針となる本と言えるのではないか。
    上巻では雑文書きをしている主人公が以前のイルカホテルを訪ねるところから、ドルフィンホテルに変わった謎を解きつつ、ホテルで働く女性やユキという女の子、その母親のアメや父親との接触、友人の五反田くん、アメの恋人の詩人、コールガールなどとの会話が描かれる。
    村上春樹の作品の特徴の並行世界的な世界観、決して明かされない謎に付きまとわれてストーリーが進む感覚はすでにある。主人公は価値観は確固たるものの不安定さは否めず、向こう側の世界に接しながら/憧れながら、向こう側にはいかないように踏ん張っているが、やむを得ずに向こう側の世界に足を踏み入れたところで夢から覚めて上巻は閉じられる。下巻の展開が気になるところ。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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