ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749053

感想・レビュー・書評

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  • 比喩表現のバリエーションが桁違い。
    ラストが恐ろしくてドキドキした。
    4月6日

  • 踊りをやめてはならない。自身の内面に流れ続ける音楽に身を任せて足を動かし続けなければならない。

  • 上下巻一気に、あっという間に読了。

    上巻の伏線が綺麗にきっちり回収されなさ加減が村上春樹ぽくていいなぁと思った。

    次につながるようなラストがとても良かった。

    村上春樹の本の主人公はいつも本当に誠実。
    毎回いろいろ教えられる事が多い。人との接し方、物の考え方とか。今回もハッとさせられるような言葉がいくつもあった。

    そして相変わらずのサンドイッチ。ダンキン•ドーナツでドーナツを食べながらのコーヒー。食の描写でも楽しませてもらった。

    日々いろいろあるけど、、、
    立ち止まらず、上手にステップを踏めるように、踊りつづけていこうと思わせる素敵な本でした。


  • 個人的には、上下巻を通しドラスティックな展開の少ない作品だと思った。
    ただ、作品の主題自体が“ステップ”する事であり、耐える事、ただ生きる事と自分は解釈。それに沿えば静に寄った物語になるのも納得ではある。
    作者得意の女性とのピュアなコミュニケーションに独自の運命論を取り入れた、シリーズ終着点にも関わらず個別でも楽しめる不思議な作品だった。

  • 面白かった。
    一見主人公の行動が本筋から逸れてしまっているかのように思えたが、関係ないような事柄にも意味があり、結論へと結びついていったのは見事。それも巧みな文章力でグイグイと惹きつけられてあっという間に読み切ってしまった。
    ミステリー要素もあり、ホラー要素もあり、でも村上春樹らしいファンタジー作品だった。
    デビュー作から連なる連作、しかし最後にしてはラストに終わり感がないような気がする。どこかで繋がって行くのだろうか。

  • 三部作と言われる『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』。これらに続く続編。とはいえ、本作独自で読んでも十分楽しめる作品。

    ・・・
    上巻お疲れさまでした。下巻ですね。
    下巻でも、「閉塞感」が五反田君を通じて代弁されていましたね。

    このあたりは共感できるかもしれませんね。もちろんスターなのではないのですが、お金や事情に縛られて死ぬ以外に逃げ場がないという念慮です。

    ・・・
    展開としてはただ、いわゆる近年のエンタメ小説からすれば、ちょっと短絡にすぎる部分はあったかもしれません。

    これまで探していたキキの声。そのキキを手にかけたのが、なんと近頃唯一友人といえる五反田君だった。しかもそのことを察したのが、「中学生だったら恋に落ちていただろう」13歳の美少女ユキ。その後程なく、「経費で落ちる」マセラティと共に海へ沈む五反田君。

    当然ではありますが、既存の登場人物数人できれいに物語が終結に向かいます。

    ・・・
    「僕」の恢復もまた、何というか村上流と謂えたかもしれません。

    五反田君が逝き、ユキも自らの道を歩み、再び独りぼっちになった「僕」。事が片付き、その「僕」の胸にぽっかり空いた穴を埋めるのは、もちろん女性。

    メガネのユミナリさんです。

    ユミナリさんとの心の通った激しい交わり(しかも彼女の勤務先で!)は、「僕」の再生・恢復の象徴なのでしょうが、なんかちょっと、ねえ。

    今度は離さないように、しっかり掴んでおきなさい! みたいな小言も言いたくなりますが笑

    ・・・
    ということで、ダンス・ダンス・ダンスを無事読了。

    改めてタイトルとか展開とかを考えると、なかなか深いかも、と感じました。

    ダンスって一人では普通踊りませんし、ルールもありますし。そんなダンスを何も考えずにうまく踊れって言ったのが「僕」の映し身たる羊男なのですよね。

    タイトルや内容を色々に解釈する人も出てきそうです。それを楽しめるのもまた、作品の懐の深さといえるかもしれません。

  • ハワイのシーンが好き。
    ゆったりのんびりしてて、読んでるだけで旅した気分。しかも経費で落ちている。。
    まるで夢のような日々。

    下巻は上巻に比べて夢の描写が多かった気がする。幻想的というのかな。
    いるかホテルで羊男と会ったのも僕が見た夢なのか?
    でもユミヨシさんも遭遇してるしな。
    6体見た骸骨のうちもう1体は誰?
    ユキやアメ、五反田くん、ディック・ノースといる時の僕はまるで夢でも見ているかのような、ふわふわと浮かんでいる感じがしたけれど、最後ユミヨシさんを通して現実に戻ってきたような気がする。

    “現実だ、と僕は思った。
    僕はここにとどまるのだ。”

    ユミヨシさんと一緒に北海道で
    幸せになって欲しい。

    村上春樹作品は謎が多いけれど、それでも好きだし引き込まれる。まだ終わらないでと思いながらいつも読んでいる。終わったらまた読み直せばいい。そしてまた村上ワールドにどっぷり浸るのだ。

  • 著者の、微細な表現に心惹かれる。
    主人公が『ステップ』を踏み続ける事で、何かを獲得し、それとは対照的に喪失していく。そして、獲得していく。

    ステップ、それが唯一の現実なのだ。
    明日も頑張ろう!

  • 心の再生をテーマとして物語は続く。五反田君、ユキといったキャラクターの印象が強く、ラストで鍵を握るユミヨシさんの内面描写がもう少しあって欲しかった。いかなる状況であれ、音楽が流れる限りは踊り続けなければならない。足を止めてはならない。「踊るんだよ」

  • 20代のころに感じた「喪失」の感覚を懐かしく思い出した。

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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