回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749060

感想・レビュー・書評

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  • 再読日 11111111 19990802


    「レーダーホーゼン」「プールサイド」「今は亡き王女のための」「ハンティングナイフ」がよい。

    どうでもいいけど、上記の文庫本背表紙の作品紹介はちょっと違うんじゃないかと思うけど。 19990815




    現代の奇妙な空間−−−都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰り広げる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人・・・。さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか。

  • 村上春樹の短編集を古い方から順に読み返している。本書は基本的に事実をもとに書きあらわされている、そうだ。事実は小説より奇なり。何とも奥の深い、深そうな話がそろっている。その中でも半ズボンの話が傑作だ。「レーダーホーゼン」ドイツの革製半ズボン。夫はドイツへ一人旅に向かう妻に、その半ズボンをお土産として買ってきてほしいと頼む。妻は地元の人々がほめたたえる職人の店にたどり着く。しかし売ってくれない。本人がいないとだめという。本人にフィットするように仕立てるのだそうだ。妥協点を見つける。体系が似た男性を連れてくる。職人二人とその男性がぺちゃくちゃしゃべりながら、半ズボンができあがっていく。その小一時間の間で、妻は二度と夫には会わないと決心する。その気持ちが痛いほどわかる。きっとこんなふうだと想像する。「どうして私はあんな人のために、こんなに必死に土産の半ズボンを買い求めようとしているのか。彼には今までに何度もひどい思いをさせられてきた。それなのにどうして。」そう思い始めるとどうにもこうにも二度と会う気がしなくなったのだろう。この話のポイントは半ズボンだったのだ。「野球場」を通してのぞく彼女の部屋にもそそられる。「いまは亡き王女のための」の僕は春樹本人のことか? つらい状況がとてもよく伝わってくる。まわりに人はいたのだろうか?いたのだろうな? ラベルのパヴァーヌはすてきな音楽だ。「雨やどり」僕もまっとうな男の条件を満たしている。山火事みたいに無料とはいったいどういうことか。あちこちで自然発生的に起こるということか? 「やれやれ」はこの「雨やどり」の中に一度登場するだけだった。7万円で自分の身体を売った女性が心の中でつぶやいていた。

  • 村上春樹の短編集 実話を元にした対談の書き下ろし小説
    ●レーダーホーゼン→離婚した母の話。原因が父の半ズボンを買いに旅行先で似たタイプの男性に寸法を依頼している時突然離婚を決意した話。わかるようでわからない心理かも。
    ●タクシーに乗った男→画廊の女主人、好きな絵がタクシーに乗った男。その絵に描かれた男が気になり購入。その男を旅先で見つけた。そして絵を焼いた。過去を消し去ることはできないお話。●プールサイド→プルーで泳ぐ男。50メートルで25のターンがあるからいい。人生も35歳でターすると決めた。あちら側とこちら側の世界。春樹らしい物の見方だ。●今は亡き王女のために→スポイルされた女。成長しその夫と合う。彼女は子を無くし変になっていた。一度電話してくださいと夫と別れる。未だに電話していない。うーん春樹のモテ話か。●嘔吐1979→浮気を楽しむ男、その都度嘔吐する。なんか意味の分からない小説だった●雨やどり→編集社に勤めていた独身女が男と別れ退社。次の仕事を見つけるまでの間売春をした話。最後春樹が僕にはいくら?二万円。この話なんだかしらないが面白かった。最後の昔セックスが山火事だった頃の話を思い出した。これってどういう意味なんだろうか?●野球場→盗撮男の物語。こだわりの心理がよくわかった●ハンティングナイフ→とりあえず意味不明。あまり深く考えてみたくない短編。春樹独特の意味ありげに書くが実は何にも意味のない小説か?なんて書いたらハルキストに恨まれるかも。といあえず好きではないお話だ。

    以上短編9編収録のお話。雨宿りと野球場が面白かったが他の作品は私の理解不足か春樹との波長が合わないのか今一つ感がぬぐえなかった。

  • 筆者(村上春樹)が他人をインタヴューするような話が多かった。当然、フィクションであろうが、いろいろと趣のある短編集だった。

  • 人から聞いた話を短編小説にしてみた的な本。「タクシーに乗った男」の話が好きすぎる。人から聞いた話にしてはどれもこれも摩訶不思議春樹ワールドが炸裂し過ぎている気がした。ラストの自己回想話も良。

  • あまり村上春樹は得意ではないのだが、本人曰くスケッチの様な文章で綴られたこの短編集は楽しめた。聞き手と受け手の会話から生まれる緩やかな物語。この「静」の中に村上氏の本質があるのだろうが、自身が稚拙なもんでそこまでは読み込めなかったかな。それでも「他人の話を面白く聞く手段」を何と無くだが得られたのは大きい。

  • 小説とエッセイの中間の様な本書。
    著者が以前に関わったことのある人物からの不思議な話を元に村上春樹流のアレンジが一部加わっている、との事。
    一般的に言う筋もなければオチもないが、短い物語の中にも村上春樹ワールドが色濃く出ているので、いつもの如く異世界感を味わう事がだきます。

  • カーソン・マッカラーズの小説の中にもの静かな啞の青年が登場する。

  • 事実は小説より奇なり。

  • 2017 10/10

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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